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第二章
皇帝の後悔③
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「こちら、バレンシュタイン公爵家からの正式な抗議文になります」
『どうぞ』と差し出し、父はエルピス皇帝陛下の反応を窺った。
どことなく張り詰めたような空気が流れる中、陛下は素直に書類を受け取る。
「……分かった。全てグランツに任せよう」
さすがにここまで準備がいいと反対出来ないのか、エルピス皇帝陛下はこちらに全権を委ねた。
『好きにやりなさい』と述べる彼の前で、グランツ殿下は恭しく頭を垂れる。
「ありがとうございます。では、手始めにジェラルドの住む離宮を調べさせてもらってもよろしいでしょうか?」
『まずは物的証拠となる剣を見つけたい』という意向を示し、グランツ殿下は許可を待つ。
すると、エルピス皇帝陛下は一旦席を立ち、執務机のところまで行った。
かと思えば、直ぐに戻ってくる。
一枚の紙を持って。
「全面的に許可する」
調査を認める旨の書類を差し出し、エルピス皇帝陛下はそっと眉尻を下げた。
と同時に、グランツ殿下の肩へ手を置く。
「……あとは頼む。余では、どうしても感情的になってしまうからな」
『きっと、いい結果にならない』と語り、エルピス皇帝陛下は肩を握る手に力を込めた。
不甲斐ない自分を責めるように俯く彼の前で、グランツ殿下は一瞬だけ顔を歪める。
が、直ぐに笑顔へなった。
「お任せください、父上」
そう言うが早いか、グランツ殿下は書類を受け取り立ち上がる。
アメジストの瞳に、確固たる意志と覚悟を滲ませながら。
本当はグランツ殿下だって、辛いでしょうに……それでも、全てを引き受けるなんて強い人ね。
心の底からグランツ殿下を尊敬しつつ、私は『これ以上、彼が傷つきませんように』と願った。
✄-------------------‐-------------------‐------✄
いつも、『愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく ~今度こそ、生きて幸せになります~』をお読みいただき、ありがとうございます。
作者のあーもんどです。
本作はこれにて第二章完結となります。
第三章の執筆に伴い、しばらく更新をお休みします。
(ちなみに本作は第三章で完結予定です)
再開時期は恐らく、六月中になるかな?(アルファポリス版はもしかしたら、七月中になるかも……)という予想です。
また、そのときは週一投稿になるかと思います。
(↑まだ可能性の段階ですが)
詳細が決まり次第、小説家になろう様の活動報告にて、お知らせしますね!
それでは、いつも感想・ハート・エール・お気に入り登録など、ありがとうございます!
とても励みになります!
(何かしらの形で反応をいただくと、やっぱり嬉しいので……!)
今後とも『愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく ~今度こそ、生きて幸せになります~』をよろしくお願いいたします┏○ペコッ
『どうぞ』と差し出し、父はエルピス皇帝陛下の反応を窺った。
どことなく張り詰めたような空気が流れる中、陛下は素直に書類を受け取る。
「……分かった。全てグランツに任せよう」
さすがにここまで準備がいいと反対出来ないのか、エルピス皇帝陛下はこちらに全権を委ねた。
『好きにやりなさい』と述べる彼の前で、グランツ殿下は恭しく頭を垂れる。
「ありがとうございます。では、手始めにジェラルドの住む離宮を調べさせてもらってもよろしいでしょうか?」
『まずは物的証拠となる剣を見つけたい』という意向を示し、グランツ殿下は許可を待つ。
すると、エルピス皇帝陛下は一旦席を立ち、執務机のところまで行った。
かと思えば、直ぐに戻ってくる。
一枚の紙を持って。
「全面的に許可する」
調査を認める旨の書類を差し出し、エルピス皇帝陛下はそっと眉尻を下げた。
と同時に、グランツ殿下の肩へ手を置く。
「……あとは頼む。余では、どうしても感情的になってしまうからな」
『きっと、いい結果にならない』と語り、エルピス皇帝陛下は肩を握る手に力を込めた。
不甲斐ない自分を責めるように俯く彼の前で、グランツ殿下は一瞬だけ顔を歪める。
が、直ぐに笑顔へなった。
「お任せください、父上」
そう言うが早いか、グランツ殿下は書類を受け取り立ち上がる。
アメジストの瞳に、確固たる意志と覚悟を滲ませながら。
本当はグランツ殿下だって、辛いでしょうに……それでも、全てを引き受けるなんて強い人ね。
心の底からグランツ殿下を尊敬しつつ、私は『これ以上、彼が傷つきませんように』と願った。
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いつも、『愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく ~今度こそ、生きて幸せになります~』をお読みいただき、ありがとうございます。
作者のあーもんどです。
本作はこれにて第二章完結となります。
第三章の執筆に伴い、しばらく更新をお休みします。
(ちなみに本作は第三章で完結予定です)
再開時期は恐らく、六月中になるかな?(アルファポリス版はもしかしたら、七月中になるかも……)という予想です。
また、そのときは週一投稿になるかと思います。
(↑まだ可能性の段階ですが)
詳細が決まり次第、小説家になろう様の活動報告にて、お知らせしますね!
それでは、いつも感想・ハート・エール・お気に入り登録など、ありがとうございます!
とても励みになります!
(何かしらの形で反応をいただくと、やっぱり嬉しいので……!)
今後とも『愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく ~今度こそ、生きて幸せになります~』をよろしくお願いいたします┏○ペコッ
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