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序章
第一王子
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ハワードの案内で客室までやって来た私は、フィオーレ王国の第一王子と顔を合わせる。
テーブルを挟む形で向かい合い、互いにソファに腰掛けた。
「お久しぶりです、トリスタン王子」
「ああ、久しぶりだな!メイヴィス!元気にしてたか?」
そう言って、身を乗り出した彼こそ────フィオーレ王国の第一王子である、トリスタン・ストレリチア・フローレンスだった。
王族の証である銀髪とアメジストの瞳を持つ彼は王家の直系にして、王位継承権第一位の権力者でもある。
正妃が生んだ子供という事もあり、次期国王はトリスタン王子だと誰もが確信していた。
まあ、凄いのは肩書きだけで、中身はただのワガママ王子だけど……。
自分の言い分が通らないと直ぐに怒り出すし、権力を使って相手を服従させようとする。まさに暴君そのものだった。
だから、あまり彼のことは好きじゃないのよね……。
「それで、本日はどういったご用件でしょうか?」
「用件……?あぁ、そうだ!今日はお前に伝えたいことがあって、ここまで来たのだ!」
「伝えたいこと、ですか……?」
「ああ、そうだ!」
上機嫌に笑うトリスタン王子は、パチンッと指を鳴らす。
すると、傍に控えていた従者の男性がサッと跪き、綺麗な箱を差し出した。
トリスタン王子はその箱を無造作に受け取り、ドンッとテーブルの上に置く。
そこに礼儀作法やマナーなんて、あったものじゃなかった。
『王子なのにこれで大丈夫なのか……』と心配になる中、彼は嬉々として口を開く。
「メイヴィス!私と────結婚してくれ!」
そう言って、トリスタン王子は小さな箱をパカッと開けた。
テーブルを挟む形で向かい合い、互いにソファに腰掛けた。
「お久しぶりです、トリスタン王子」
「ああ、久しぶりだな!メイヴィス!元気にしてたか?」
そう言って、身を乗り出した彼こそ────フィオーレ王国の第一王子である、トリスタン・ストレリチア・フローレンスだった。
王族の証である銀髪とアメジストの瞳を持つ彼は王家の直系にして、王位継承権第一位の権力者でもある。
正妃が生んだ子供という事もあり、次期国王はトリスタン王子だと誰もが確信していた。
まあ、凄いのは肩書きだけで、中身はただのワガママ王子だけど……。
自分の言い分が通らないと直ぐに怒り出すし、権力を使って相手を服従させようとする。まさに暴君そのものだった。
だから、あまり彼のことは好きじゃないのよね……。
「それで、本日はどういったご用件でしょうか?」
「用件……?あぁ、そうだ!今日はお前に伝えたいことがあって、ここまで来たのだ!」
「伝えたいこと、ですか……?」
「ああ、そうだ!」
上機嫌に笑うトリスタン王子は、パチンッと指を鳴らす。
すると、傍に控えていた従者の男性がサッと跪き、綺麗な箱を差し出した。
トリスタン王子はその箱を無造作に受け取り、ドンッとテーブルの上に置く。
そこに礼儀作法やマナーなんて、あったものじゃなかった。
『王子なのにこれで大丈夫なのか……』と心配になる中、彼は嬉々として口を開く。
「メイヴィス!私と────結婚してくれ!」
そう言って、トリスタン王子は小さな箱をパカッと開けた。
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