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第五章
第205話『参加するメンバーは?』
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「────という訳で、ウエストダンジョンとサウスダンジョンを同時に攻略することが決まった」
旅館の居間に集った私達『虐殺の紅月』のパーティーメンバーに、リーダーは会議で決まったことを話してくれた。
誕生日席に座る銀髪の美丈夫を見つめながら、私は『ふむ……』と一人考え込む。
二つのダンジョンを同時攻略するなんて、なかなか大胆な作戦だけど、期間内にクリアするにはこれしかないか……。
失敗した時のリスクは大きいけど、賭けてみる価値はあると思う。
限界突破ポーションのおかげとはいえ、勇者のカインも限界突破したみたいだし。
「あっ!そういえば、シムナさんとヴィエラさんも限界突破したんでしたね。おめでとうございます」
「ありがとー!って言っても、僕らにはあんまり必要ない力だけどねー!」
「『未来眼』も『魔力無限』も使う機会が、あまりなさそうだから。ハッキリ言って、大して必要性を感じないわ」
「お二人とも、せっかく限界突破したっていうのに随分と淡白ですね……」
普通は泣いて喜ぶところなのに……。
『まあ、シムナさん達らしいけど』と思いつつ、私はリーダーの方へ視線を戻す。
すると、あちらもちょうどこちらを見ていたようでバッチリ目が合った。
「ところで、リーダー。我々『虐殺の紅月』はその攻略チームに参加することになっているんですか?それとも、休養の意味も込めて不参加になるんでしょうか?」
「特に指示は受けていない。ただ────ラミエル個人の参加は指示されている」
「「「!?」」」
「……やはり、そうですか」
高レベルの回復師は貴重だもんね。出陣命令が来るのは、何となく分かっていたよ。
予想通りの展開に苦笑を浮かべる中、徳正さんを始めとする仲間達が動揺を露わにした。
彼らの顔には、『有り得ない!』とハッキリ書いてある。
「なっ!そんなの俺っちは絶対認めないから~!だって、ラーちゃんはまだイーストダンジョン攻略の疲れが癒えていないんだよ~!?」
「と、徳正さんの言う通りです!!ら、らららららら、ラミエルさんには休養が必要だと思います!!」
「守り切れなかった僕が言うのもなんだけど、また危険な目に遭うかもしれないし、絶対行かせるべきじゃないよー!」
「そんな指示に従う必要はないわ。さっさと断ってしまいましょう?」
『僕も断固反対だ。そのダンジョン攻略には憎き『サムヒーロー』も参加するのだろう?カインやその仲間達がラミエルに危害を加えるかもしれない』
怒涛の勢いで反対意見を述べる彼らに、私は嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちを抱く。
『守ろうとしてくれるのは嬉しいけど、過保護すぎる気が……』と思案する中、リーダーは一つ息を吐いた。
「一旦、落ち着け。俺もさすがに『サムヒーロー』の連中と同じ攻略チームにラミエルを入れたりしない。そこら辺はヘスティアにお願いして、分けてもらっている。ラミエルが参加するのは、『蒼天のソレーユ』のギルドマスター率いるサウスダンジョン攻略チームだ。『サムヒーロー』はもう一方のヘスティア率いるウエストダンジョン攻略チームに入っている」
『ふむ……それなら、仲間割れや同士討ちの心配はないな。だが、お頭……他の者達も言う通り、今のラミエルには休養が必要なんじゃないか?』
「ああ、それは俺も理解している。だが、ラミエルのためにダンジョン攻略を遅らせる訳には……」
「あっ、それなら大丈夫です!ヴィエラさんの治癒魔法やアラクネさんのポーションのおかげで、すっかり元気になりましたから!なんなら、元気が有り余っているくらいです!私はいつでもダンジョン攻略に行けます!」
グッと軽く拳を握り締め、『治りました』とアピールすれば、リーダーはホッとしたように表情を緩めた。
が、他のメンバー……特に三馬鹿はそうじゃないようで。
「ラーちゃん、何言っているの~!病み上がりなんだから、安静にしておかないとダメだよ~!」
「えっ?でも、あれからもう一週間も経ちましたし……」
「まだ一週間しか経ってないんだよー!まだまだ寝てなきゃダメー!」
「いや、でも……」
『今日だって、階段から落ちそうになっていただろう?だから、ダンジョン攻略のことは他の者に任せた方がいい』
「い、いえ!あのっ……!!今朝のあれは寝惚けて、階段を踏み外しそうになっただけで……!!決して体調が悪い訳では……!」
今朝の出来事を思い出した私は、羞恥心に苛まれながらも弁解を述べた。
『うぅ……恥ずかしい』と項垂れる中、ヴィエラさんが言葉を紡ぐ。
「ラルカ、ラミエルちゃんの怪我はバッチリ治したから心配は要らないわよ。それより、私が心配なのは────ラミエルちゃんの精神状態よ。バハムートとの戦いがトラウマになってない?大丈夫?」
ラルカさんからホワイトボードを取り上げ、ヴィエラさんはこちらを心配そうに見つめた。
守り切れなかった負い目もあるのか、表情はとても暗い。
「ご心配して頂き、ありがとうございます。でも、本当に大丈夫ですのでお気になさらず」
「そう?それなら、いいのだけれど……でも、無理はしちゃダメよ?不安になった時は遠慮なく、言ってちょうだい」
「はい、ありがとうございます」
ふわりと柔らかい笑みを浮かべて最大限の感謝を伝えると、ヴィエラさんは表情を和らげた。
その隣でオロオロしていたアラクネさんも、ホッとしたように息をつく。
────と、ここでリーダーが場の雰囲気を変えるように軽く咳払いした。
「とりあえず、ラミエルはダンジョン攻略に参加するってことでいいか?」
「はい、それで構いません。私が参加することで誰かの助けになるのなら、喜んで参加します」
「分かった────徳正達もそれでいいな?」
不服そうな表情を浮かべる三馬鹿に目を向け、リーダーは問う。
すると、彼らは『はぁ……』と深い溜め息を零した。
「もういいよ、それで~。でも、今回は絶対に俺っちもついて行くからね~!?ラーちゃん一人で行かせる気はないから~!」
『僕も徳正と同じ意見だ。今回は何がなんでも、ダンジョン攻略に参加させてもらう』
「もっちろん、僕もついて行くよー!今度こそ、ラミエルを完璧に護衛するんだからー!」
気合い十分といった様子で鼻息を荒くするシムナさんに、リーダーは一瞬目を逸らした。
「────悪いが、シムナは今回不参加だ。ヴィエラとアラクネも」
「えー!?何でー!?」
バンッ!と勢いよくテーブルを叩いたシムナさんは、『納得いかない!』とでも言うように顔を顰める。
向かい側に座るヴィエラさんとアラクネさんも、『何で?』と首を傾げていた。
生産職のアラクネさんが参加出来ない理由は何となく分かるけど、何でヴィエラさんとシムナさんも……?
ランカーの魔法使いと狙撃手なら、ダンジョン攻略で充分役に立つと思うけど。
「シムナとヴィエラには、地上の守りを頼みたいんだ。今回の作戦でゲーム攻略同盟のほとんどの戦力が、外に出ることになるからな。そうとなると、誰かに留守を頼まなければならない。そこで白羽の矢が立ったのが、最近限界突破したお前達って訳だ」
「えー!そんなのボス一人で充分じゃーん!」
「そうよ、キングが残れば良いじゃない」
「悪いが、それは出来ない。ニールに『是非、今回の作戦に参加して頂きたい』と個人的に頼まれてな……」
『俺も参加する予定なんだ』と語るリーダーに、二人はムッとしたような表情を浮かべる。
が、それ以上文句を言うことはなかった。
「あ、あの!わ、わわわわわわ、私は何故攻略チームに参加出来ないんでしょうか……?」
「生産職の手が足りないからだ。俺達がウエスト&サウスダンジョンの攻略に赴いている間に、ノースダンジョン攻略の準備をしないといけないからな……だから、アラクネに限らず生産職の参加はほとんど見送られた」
「そ、そうですか……」
ガッカリしたように肩を落とすアラクネさんは、シュンとしている。
よっぽど、今回の作戦に参加したかったらしい。
「そういう訳で、今回のサウスダンジョン攻略には俺、ラミエル、徳正、ラルカの四人で参加する。ニール達との顔合わせは、明日だ。それまでに、それぞれ準備をしておけ。いいな?」
「「『はい』」」
絶対的支配者であるリーダーの言葉に、私達は即座に頷いた。
旅館の居間に集った私達『虐殺の紅月』のパーティーメンバーに、リーダーは会議で決まったことを話してくれた。
誕生日席に座る銀髪の美丈夫を見つめながら、私は『ふむ……』と一人考え込む。
二つのダンジョンを同時攻略するなんて、なかなか大胆な作戦だけど、期間内にクリアするにはこれしかないか……。
失敗した時のリスクは大きいけど、賭けてみる価値はあると思う。
限界突破ポーションのおかげとはいえ、勇者のカインも限界突破したみたいだし。
「あっ!そういえば、シムナさんとヴィエラさんも限界突破したんでしたね。おめでとうございます」
「ありがとー!って言っても、僕らにはあんまり必要ない力だけどねー!」
「『未来眼』も『魔力無限』も使う機会が、あまりなさそうだから。ハッキリ言って、大して必要性を感じないわ」
「お二人とも、せっかく限界突破したっていうのに随分と淡白ですね……」
普通は泣いて喜ぶところなのに……。
『まあ、シムナさん達らしいけど』と思いつつ、私はリーダーの方へ視線を戻す。
すると、あちらもちょうどこちらを見ていたようでバッチリ目が合った。
「ところで、リーダー。我々『虐殺の紅月』はその攻略チームに参加することになっているんですか?それとも、休養の意味も込めて不参加になるんでしょうか?」
「特に指示は受けていない。ただ────ラミエル個人の参加は指示されている」
「「「!?」」」
「……やはり、そうですか」
高レベルの回復師は貴重だもんね。出陣命令が来るのは、何となく分かっていたよ。
予想通りの展開に苦笑を浮かべる中、徳正さんを始めとする仲間達が動揺を露わにした。
彼らの顔には、『有り得ない!』とハッキリ書いてある。
「なっ!そんなの俺っちは絶対認めないから~!だって、ラーちゃんはまだイーストダンジョン攻略の疲れが癒えていないんだよ~!?」
「と、徳正さんの言う通りです!!ら、らららららら、ラミエルさんには休養が必要だと思います!!」
「守り切れなかった僕が言うのもなんだけど、また危険な目に遭うかもしれないし、絶対行かせるべきじゃないよー!」
「そんな指示に従う必要はないわ。さっさと断ってしまいましょう?」
『僕も断固反対だ。そのダンジョン攻略には憎き『サムヒーロー』も参加するのだろう?カインやその仲間達がラミエルに危害を加えるかもしれない』
怒涛の勢いで反対意見を述べる彼らに、私は嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちを抱く。
『守ろうとしてくれるのは嬉しいけど、過保護すぎる気が……』と思案する中、リーダーは一つ息を吐いた。
「一旦、落ち着け。俺もさすがに『サムヒーロー』の連中と同じ攻略チームにラミエルを入れたりしない。そこら辺はヘスティアにお願いして、分けてもらっている。ラミエルが参加するのは、『蒼天のソレーユ』のギルドマスター率いるサウスダンジョン攻略チームだ。『サムヒーロー』はもう一方のヘスティア率いるウエストダンジョン攻略チームに入っている」
『ふむ……それなら、仲間割れや同士討ちの心配はないな。だが、お頭……他の者達も言う通り、今のラミエルには休養が必要なんじゃないか?』
「ああ、それは俺も理解している。だが、ラミエルのためにダンジョン攻略を遅らせる訳には……」
「あっ、それなら大丈夫です!ヴィエラさんの治癒魔法やアラクネさんのポーションのおかげで、すっかり元気になりましたから!なんなら、元気が有り余っているくらいです!私はいつでもダンジョン攻略に行けます!」
グッと軽く拳を握り締め、『治りました』とアピールすれば、リーダーはホッとしたように表情を緩めた。
が、他のメンバー……特に三馬鹿はそうじゃないようで。
「ラーちゃん、何言っているの~!病み上がりなんだから、安静にしておかないとダメだよ~!」
「えっ?でも、あれからもう一週間も経ちましたし……」
「まだ一週間しか経ってないんだよー!まだまだ寝てなきゃダメー!」
「いや、でも……」
『今日だって、階段から落ちそうになっていただろう?だから、ダンジョン攻略のことは他の者に任せた方がいい』
「い、いえ!あのっ……!!今朝のあれは寝惚けて、階段を踏み外しそうになっただけで……!!決して体調が悪い訳では……!」
今朝の出来事を思い出した私は、羞恥心に苛まれながらも弁解を述べた。
『うぅ……恥ずかしい』と項垂れる中、ヴィエラさんが言葉を紡ぐ。
「ラルカ、ラミエルちゃんの怪我はバッチリ治したから心配は要らないわよ。それより、私が心配なのは────ラミエルちゃんの精神状態よ。バハムートとの戦いがトラウマになってない?大丈夫?」
ラルカさんからホワイトボードを取り上げ、ヴィエラさんはこちらを心配そうに見つめた。
守り切れなかった負い目もあるのか、表情はとても暗い。
「ご心配して頂き、ありがとうございます。でも、本当に大丈夫ですのでお気になさらず」
「そう?それなら、いいのだけれど……でも、無理はしちゃダメよ?不安になった時は遠慮なく、言ってちょうだい」
「はい、ありがとうございます」
ふわりと柔らかい笑みを浮かべて最大限の感謝を伝えると、ヴィエラさんは表情を和らげた。
その隣でオロオロしていたアラクネさんも、ホッとしたように息をつく。
────と、ここでリーダーが場の雰囲気を変えるように軽く咳払いした。
「とりあえず、ラミエルはダンジョン攻略に参加するってことでいいか?」
「はい、それで構いません。私が参加することで誰かの助けになるのなら、喜んで参加します」
「分かった────徳正達もそれでいいな?」
不服そうな表情を浮かべる三馬鹿に目を向け、リーダーは問う。
すると、彼らは『はぁ……』と深い溜め息を零した。
「もういいよ、それで~。でも、今回は絶対に俺っちもついて行くからね~!?ラーちゃん一人で行かせる気はないから~!」
『僕も徳正と同じ意見だ。今回は何がなんでも、ダンジョン攻略に参加させてもらう』
「もっちろん、僕もついて行くよー!今度こそ、ラミエルを完璧に護衛するんだからー!」
気合い十分といった様子で鼻息を荒くするシムナさんに、リーダーは一瞬目を逸らした。
「────悪いが、シムナは今回不参加だ。ヴィエラとアラクネも」
「えー!?何でー!?」
バンッ!と勢いよくテーブルを叩いたシムナさんは、『納得いかない!』とでも言うように顔を顰める。
向かい側に座るヴィエラさんとアラクネさんも、『何で?』と首を傾げていた。
生産職のアラクネさんが参加出来ない理由は何となく分かるけど、何でヴィエラさんとシムナさんも……?
ランカーの魔法使いと狙撃手なら、ダンジョン攻略で充分役に立つと思うけど。
「シムナとヴィエラには、地上の守りを頼みたいんだ。今回の作戦でゲーム攻略同盟のほとんどの戦力が、外に出ることになるからな。そうとなると、誰かに留守を頼まなければならない。そこで白羽の矢が立ったのが、最近限界突破したお前達って訳だ」
「えー!そんなのボス一人で充分じゃーん!」
「そうよ、キングが残れば良いじゃない」
「悪いが、それは出来ない。ニールに『是非、今回の作戦に参加して頂きたい』と個人的に頼まれてな……」
『俺も参加する予定なんだ』と語るリーダーに、二人はムッとしたような表情を浮かべる。
が、それ以上文句を言うことはなかった。
「あ、あの!わ、わわわわわわ、私は何故攻略チームに参加出来ないんでしょうか……?」
「生産職の手が足りないからだ。俺達がウエスト&サウスダンジョンの攻略に赴いている間に、ノースダンジョン攻略の準備をしないといけないからな……だから、アラクネに限らず生産職の参加はほとんど見送られた」
「そ、そうですか……」
ガッカリしたように肩を落とすアラクネさんは、シュンとしている。
よっぽど、今回の作戦に参加したかったらしい。
「そういう訳で、今回のサウスダンジョン攻略には俺、ラミエル、徳正、ラルカの四人で参加する。ニール達との顔合わせは、明日だ。それまでに、それぞれ準備をしておけ。いいな?」
「「『はい』」」
絶対的支配者であるリーダーの言葉に、私達は即座に頷いた。
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