24 / 48
かつての師を絶対即死スキルで葬る
しおりを挟む気絶したアリスは両手足を縄で縛られ身動きひとつ取れなかった。
「恐らくだがアリスは洗脳されている。マリサの兄――レイドのように。魔族は取りつく上で心理的隙を持つ人間を狙う事が多い。アリスにとっては幼馴染であるノアを殺されたのがその隙になっていたんだ」
「何があったの?」
「聞いてどうする? 俺がノアを殺した。それだけだ」
「仕方なかったんでしょ?」
「仕方なかったからなんだ。俺がノアを殺したのはただの事実だ。アリスにはそれがショックだったんだろう。無理もない」
「……そう」
「まずはアリスの洗脳を解くのが先だ。ロバート教官は恐らく暗殺者の館にいる」
「知ってるの?」
「俺の教官でもあったかな。恐らくはアリスを洗脳したのはロバート教官だ。立場上容易かっただろう。アリスをマリオネットにする事は。行こう。暗殺者の館へ」
俺にとっては因縁との決着でもあった。
「……待ってよ。シン。この子、アリスはどうするの?」
「放っておくしかないだろう」
「けど、この状態で可愛そうじゃない?」
「俺達はそういう訓練も受けている。束縛された状態でも丸一日くらいはいけるだろう」
「……そうならいいけど。確かに今は構っている暇はないかも。とりあえずはこの子の洗脳を解かないと」
「そうだ。だから、手っ取り早く済ませよう」
俺達は暗殺者の館へ向かった。
◆◆◆◆◆
暗殺者の館。そこは古びた洋館を改修した施設だ。多くの暗殺者をそこで囲っている。
「来たか。シン・ヒョウガ」
どこからともなく声が聞こえてきた。
「ロバート教官。いや、ロバート・デニル」
「何の用だ?」
「アリスを刺客に仕立てて送り込んできたのはロバート、あなただろう?」
「ああ。そうだ。だからなんだ? それがどうかしたか?」
「俺はあなたに命を狙われるような事をした覚えはない。俺とあなたは生徒と講師だ。元がつくが。それ以上でもそれ以下でもない。恨みを買うような覚えはない」
「貴様が一緒に旅をしているその女。その女は信託により選ばれた勇者ユフィだろう。いわば私が信奉する魔王様の敵だ」
「いつから魔王の側についた? あなたは人間だったはずだ」
「ああ。人間だった。そうだよ。元人間だ。私は今は人間ではない」
「……いつからだ? いつからそんな事に」
「五年ほど前か。貴様が私の元を離れるより前からだ」
柱の陰から男が姿を現す。色白の美形であるが故に、40近い年齢になっていたとしても中年という言葉は似合わなかった。三年前と全く姿が変わっていない。
俺達の教官をしていたロバートという男だ。
「……久しぶりだな。シン。シン・ヒョウガ」
「ええ。ロバート教官。三年ぶりですね」
「なぜ、貴様が勇者の真似事をしている。勇者の側についた」
「答えは簡単です。人を殺す事に嫌気が差したんですよ。殺人は何も生まない。憎しみを生むだけです。もっと社会にとって意義のある事をしたかったんです」
「悪い人間を殺せばそれだけ喜ぶ人間もいる。命の価値は平等ではない。死んで然るべき人間も確実に存在する」
「それは否定できない面もあります。ですが、殺していい人間など主観にすぎません。極悪人が誰にとっても極悪人ではない。家族にとっては優しい父である場合もある。善悪など所詮は主観にすぎませぬ」
「そうか。もはや、我々は分かり合えないのだな」
「ええ……そのようです。勇者ユフィの目的は魔王を倒す事。そして俺はそれを手伝う為に旅をすると決めたんです」
「残念だ。私が育てた暗殺者(アサシン)の中でも最高傑作だと自負しているシン・ヒョウガ。お前を私自らの手で殺さなければならないのだからな」
「気をつけろ。ロバート教官は強い」
「わかってるわよ。なんかあいつ、やばそうな気配だしてきているし」
「では行くぞ、シン。構わぬ。三人がかりで来い」
ジリジリとした空気が続く。
「そっちから仕掛けてこないならこっちから行くぞ」
ロバートは幾本ものナイフを取り出した。投擲してくる。投げナイフ。正確な一投はマリサの顔面を射貫こうとしていた。
「えっ!」
キィン。俺はダガーでそれを弾き飛ばす。
「ありがとう、ダーリン」
「気にするな。次、来るぞ」
「そうだ。ナイフはまだ一杯あるんだからな」
次なる投擲が襲い掛かってくる。次々と襲い掛かってくるナイフはさながらシャワーのようだった。
俺はその攻撃を避けつつ、距離を詰める。
「……流石だ。あの攻撃を避けて自分の間合いに持ち込むとは」
「終わりです。ロバート教官」
「……だが」
ロバートは笑った。
「この勝負! 私の勝ちのようだ」
「なっ!?」
「アリス!」
馬鹿な。抜けてきたのか。あの束縛を。俺は振り返った。振り返った瞬間、天高く舞ったアリスの姿があった。本来一瞬の事のはずだ。だがその動きはスローモーションのように映る。俺の中には選択肢があった。アリスを殺すか。殺さないか。
結局、俺の脳内にはあの日のノアの笑顔が浮かんできた。あの時と同じように、俺はアリスを殺せるのか。ノアと同じように。
結局身体が動かなかった。
「ぐはっ……!」
凶刃が俺に突き刺さる。
「「シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!」」
叫びが聞こえてきた。
「えっ!?」
俺はアリスを抱きしめる。その瞬間、アリスの顔が元の顔に戻っていた気がする。
「なんで……シン。私を殺さなかったの? シンなら私を殺せた。それも容易く。なのになんで」
「殺せるわけないだろう。アリス。俺にとってお前は大切な幼馴染だ」
「……だったらノアは。ノアは大切な幼馴染ではなかったの?」
「俺にとってはあいつも大切な幼馴染だったよ」
「……ならなんで?」
「クッハッハッハッハッハッハッハッハ! 最高に面白い見世物だったよ! こいつは傑作だ。これはそう、三年前の茶番劇と同じくらいに傑作だったよ! クックックアッハッハッハッハッハッハッハ!」
ロバート教官の哄笑が響き渡る。
「茶番劇? 傑作? 三年前? なんで?」
アリスは理解できていないようだった。
「暗殺者としての修了試験。相手を殺した方が合格というシンプルなルールだ。シンの相手に幼馴染のノアを選んだのは私だ。顔がわからないようにお互いに仮面をつけさせてな。その結果、シンが勝利したんだが、相手の仮面を外し、正体を知った時のこいつの表情といったらなかったよ。相当に衝撃を受けていたんだろうな。クックック。冷徹であるべき暗殺者にあるまじき欠点だったよ。私はその欠点を払拭させようと、あえて幼馴染であるノアと殺し合いをさせたんだが、逆効果だったようだ。こいつはそれから人を殺める事に恐れを抱き、嫌気が差した。そしてこの裏社会から足を洗ったんだ」
「そんな……じゃあ、あの時ノアが死んだのは、全てはロバート教官の仕組んだ事なの?」
「そうだ。全ては私の手のひらの出来事だったんだよ」
「……アリス、正気に戻ったんだな」
「うん。シン」
「離れろ」
「けどシン。傷が。私がつけておいてこういう事言うの凄いあれなんだけど。かなり深くダガーが突き刺さっている」
「こんな傷。唾つけとけば治る」
「唾って、そんなかすり傷じゃ」
腹に刺さっているダガーを引き抜く、床に投げ捨てる。血が流れるが気にもとめない。
「そんな満身創痍の身体で何ができる? 魔族としての力を授かった、私の本当の力を見せてやろう。フッハアアアアアアアアアアアアアアア!」
ロバートの体に闇の力が充実していく。そして膨張していく。筋肉が。服がはじけ飛ぶ。
出来上がったのは巨人のような魔族だった。醜い化物。かつてのスマートさは欠片もない。
「さあ! どうだ! シン! これが力だ! 魔王様より授かった力! 魔王様に逆らうものは何人たりとも許しはしない!」
「シン!」
「ダーリン! あいつやばい! S級モンスターよりやばい力を感じる! S+くらいはある!」
マリサは解析(アナライズ)の魔法を使用したそうだ。
モンスター名魔人ロバート。
ⅬⅤ9999
HP300000。
攻撃力99999
防御力99999
魔力99999
敏捷性99999
保有スキル『状態異常完全無効化』『自動再生(オートリジェネレーション)大』
「なにこのステータス、ランク『EX(規格外)』にいっているんじゃない? これが魔王の力」
「私達は恐ろしい相手を敵にしようとしているそうですね」
「くらえ! 魔王様より頂いたこの力を! くわぁ!」
魔人ロバートは口から酸のようなものを吐きつけてくる。酸は一瞬にして床を溶かし、大穴をあけた。
俺はそれを避けた。くっ。刺された腹が痛む。速度が鈍った。
「だ、だめよ! シン! そんな満身創痍で!」
「ダーーーーーーーーーーーーーリン!」
「グッハッハッハッハッハッハッハ! 魔王様より授かったこの力を!」
魔王から授かった力がなんだ。俺の『絶対即死スキル』はありとあらゆる存在を即死させる。それに例外はない。竜でも神でも魔王でも。
――だから当然。お前だって例外ではない。
「スキル発動」
「な、なに!? 馬鹿なっ!」
「絶対即死」
ダガーが突き刺さる。全ての存在の命を奪い取る凶刃。一撃必殺の刃。
「なにっ! 馬鹿なっ! 魔王様より頂いたこの身体が! 一撃だと! 馬鹿なあああああああああああああああああああああああああ!」
魔人と化したロバートは絶叫しながら果てた。
「終わったか」
俺は胸をなでおろす。
「す、すごい! あんな怪物を一撃でなんて」
「さ、流石ダーリン……規格外のダーリン」
二人も開いた口が塞がらない様子だった。
「シーーーーーーーン!」
「ダーリン! 怪我してるわよね。すぐに回復魔法で治療するわ」
「ああ。ありがとう。すまない」
マリサは俺の治療を始める。
「ごめんなさい。シン。洗脳されていたとはいえ、あなたを傷つけてしまった」
アリスが謝ってくる。
「気にするな……俺はこうして生きている。それよりアリス……まだ俺を恨んでいるのか? ノアを殺した事を」
「うん。実はノアと三年前のあの日より前に、話をしたの」
アリスは神妙な顔で言った。
「自分の身に何があってもシンを恨むなって。それはシンのせいじゃないって。ノアは気づいていたんだと思う。ロバート教官の策略に」
「……そうか。ノアがそんな事を」
「死んだノアもきっとシンを恨んでない。勿論私も。勿論ノアが死んだ事はショックで当時は泣き崩れた。だけど暗殺者(アサシン)になるべく育てられてきたんだもの。すぐそこに死はあった。だから乗り越えなきゃいけない事だったんだと思う」
「ともかくこの館を出よう。その後の事はそれから話をしよう」
こうして俺達は暗殺者の館を出た。
0
お気に入りに追加
1,813
あなたにおすすめの小説
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
じい様が行く 「いのちだいじに」異世界ゆるり旅
蛍石(ふろ~らいと)
ファンタジー
のんびり茶畑の世話をしながら、茶園を営む晴太郎73歳。
夜は孫と一緒にオンラインゲームをこなす若々しいじい様。
そんなじい様が間違いで異世界転生?
いえ孫の身代わりで異世界行くんです。
じい様は今日も元気に異世界ライフを満喫します。
2日に1本を目安に更新したいところです。
1話2,000文字程度と短めですが。
頑張らない程度に頑張ります。
ほぼほぼシリアスはありません。
描けませんので。
感想もたくさんありがとうです。
ネタバレ設定してません。
なるべく返事を書きたいところです。
ふわっとした知識で書いてるのでツッコミ処が多いかもしれません。
申し訳ないです。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~
剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
週3日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる