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第1話 外れスキルを授かり、実家を追放される
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15歳となる年に誰もが固有のスキルを授かる世界。
それはある名家に生まれ育った少年ーーソル・ユグドラシルが15歳になった時の出来事であった。
神殿で行われるスキル継承の儀。それにソルと養子である義理の弟――エドワードが参加していた。
「ついに、この日がやってきたな」
父――カイ・ユグドラシルは息子である二人に告げる。
「お前達の力に国の……いや、人類の未来がかかっているんだ」
ユグドラシル家は人類を魔から守る事を宿命づけられた家系である。その為、スキル継承の儀で跡継ぎとなる二人がどんなスキルを授かるのかは大きな問題であった。
それだけではない。正当な跡継ぎとなれるのは一人だけと決まっていた。当主である父――カイはその際、血縁の分別をせずにそのスキルの優劣だけで決めると宣言していた。
実の息子であろうと、そうでなかろうと、人類の守り人たるユグドラシル家には関係がない。それが家訓というものであり、鉄の掟でもあった。
それ故に、周囲の人々からの期待や注目も大きい。
「見てみろよ、あれはユグドラシル家の――」
「もう二人とも15歳になるのか。大きくなったな」
「二人がどんなスキルを授かるか。楽しみだぜ」
周囲の人々が見ている最中、二人のスキル継承の儀が行われる。
神殿には神官がいた。彼が継承されたスキルを確認するのだ。継承の儀とは言っているが、実際のところただの確認に過ぎない。
スキルとは運命づけられたもの。生まれる前より決まっているもの。それがその日確定するだけという事に過ぎない。
「ソル・ユグドラシル。弟のエドワード、これよりそなた達に継承されたスキルを確認する」
神官の男はそう宣言し、水晶をかざす。その水晶は魔道具(マジックアイテム)であり、天より授かったスキルを確認する事ができるのだ。
「それではまず、どちらからスキルを鑑定する?」
「へへっ。じゃあ、兄貴。俺から先に行かせてもらうぜ」
エドワードが微笑を浮かべる。何だろうか。この余裕は。ソルはそう思っていた。嫌な予感をソルはしていた。
「それではそなたの授かったスキルから鑑定するぞ」
「ええ! お願いしますよ! 神官様!」
「ふふっ、はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
神官の持っている水晶が輝く。
「エドワードよ! そなたの授かったスキルは『久遠の剣聖』じゃ!」
「け、『久遠の剣聖』ってどんなスキルなんですか!?」
「ふむ! 恐ろしいまでの成長速度で剣技が向上する! レア中のレア! 当たり中の当たりスキルであるぞ!」
「へへっ。どんなもんだっ! 兄貴、俺も結構やるもんだろ? 兄貴がどんな当たりスキルを引いているのか。興味深々だぜ」
エド(エドワード)は笑みを浮かべる。
「ふむ。エドワードは良いスキルを授かったようだな。後は貴様だぞ。ソル。我がユグドラシル家に決して恥をかかせるでないぞっ!」
「は、はい! お父様!」
ソルは神官の元へと向かう。
「では次はそなたか。ソルよ。そなたの授かったスキルを鑑定してみせようぞ!」
神官は持っている水晶に念を送る。
「ふふっ、はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
水晶は眩い光を放つ。ソルは目を閉じた。
「ふむ……」
神官の表情が曇った。
「ど、どうなんですか! 神官様! 俺が授かったスキルは、なんだったんですか!」
「非常に申し上げづらいのだが……」
「どうだったんですか! 神官殿! どうか真実を告げてくだされ! 我がユグドラシル家の世継ぎがどのようなスキルを授かったのか、正確に知る必要があるのです!」
そう、実父であるカイはせがんだ。
「こほん……では心を鬼にして真実を伝えましょうぞ。ソルよ! そなたが授かったスキルは『レベル0』のスキルである!」
「『レベル0』なんですか、そのスキルは?」
「うむ。わしもこのスキルは見たことも聞いた事もない。効果はひとつ。いかなる効果でも一切レベルが上がらないという事! つまりそなたは成長をしないのだ。こんなスキルは見た事も聞いた事がない」
「レベルが上がらない……」
それってどういう事なんだ。ソルは神官から発せられた言葉があまりに衝撃的過ぎて、理解ができていなかった。
「なになに? どういう事? どういう事?」
「レベルが上がらないって……」
「つまりなんだよ、それ、とんでもない外れスキルって事じゃん」
「へへっ。人類の守り人となるユグドラシル家も地に落ちたな」
「だったらなんだよ。家督は養子のエドワードが次ぐって事かよ」
「そうなるな」
ソルが予想外の外れスキルを授かった事で、周囲は騒めいていた。
「神官殿! レベルが上がらないとはどういう事ですか! つまりはソルは一切強くなる事ができないという事ですか!」
カイはせっつく。
「そうですな……そうなりますな。普通スキルとは所有者に恩恵を与えるものですが、なぜこう枷にしかならないスキルを授かったのか、理解に苦しみます。神はなぜ彼にこのような苦難を与えたのか」
「……そ、そんな」
カイはショックを受けていた。だが、そのショックはすぐに憤りへとなった。そしてその怒りの矛先はすぐ、息子であるソルへと向かったのだ。
「この恥さらしめっ!」
「ぐほっ!」
ソルは殴られ、地に伏した。
「貴様はこのユグドラシル家に恥をかかせたのだっ!」
「お、お父様……」
「貴様などもはや息子ではない! 私の息子はエドワードだけだっ!」
「そ、そんな……」
こんな外れスキル、望んで授かったわけでもないのに、なぜ虐げられなければならないのか。ソルは自身の運命を理不尽を呪った。
「貴様のような無能! もはや必要ない! ソル! 貴様は今日限りで破門だ! 二度と我が家の敷居を跨ぐでない! エドワード、そなたがいてよかった。万が一の為に養子を取ったそなたが当たりスキルを授かってくれて私は安心したぞ。私の唯一の息子よ」
カイは血の繋がっていないエドの事を息子として認め、寵愛を授けた。
「へへっ。ありがとうございます。お父様。ははっ、それにしても兄貴が『レベル0』なんて外れスキルに授かるなんて、がっかりだぜ。でも、俺にとってはラッキーだよ。養子って身分でありながら名家であるユグドラシル家の正当な後継者になれるんだからな」
「……ほ、本当ですか。お父様。本当に血の繋がっていないエドにユグドラシル家の家督を継がせるのですか?」
「へっ! 血縁なんて関係ないんだよ! この無能兄貴が! さっさと失せろよ! ユグドラシル家は実力が全てなんだよ! お前みたいな無能が家督を継ぐには相応しくないんだ!」
エドは威張り散らかしていた。たまたま運よく当たりスキルを授かったというだけなのにすべてが自分の力みたいに思い込んでいる節があった。
こうしてスキル継承の儀が終わった。エドにとっては最高の、そしてソルにとっては最悪の一日となる。
そして外れスキルを継承されたソルはユグドラシル家を追放される事となったのだ。
しかもただ追放されただけではない。カイはソルの生存すら許せなくなり、考えられもしない過酷な決断をしたのである。
その決断とは生存率0%と言われる表には存在していない裏ダンジョンという危険なダンジョンにソルを捨てるというものであった。
スキル継承の儀から間もなくして、ソルは裏ダンジョンに捨てられる事となる。
それはある名家に生まれ育った少年ーーソル・ユグドラシルが15歳になった時の出来事であった。
神殿で行われるスキル継承の儀。それにソルと養子である義理の弟――エドワードが参加していた。
「ついに、この日がやってきたな」
父――カイ・ユグドラシルは息子である二人に告げる。
「お前達の力に国の……いや、人類の未来がかかっているんだ」
ユグドラシル家は人類を魔から守る事を宿命づけられた家系である。その為、スキル継承の儀で跡継ぎとなる二人がどんなスキルを授かるのかは大きな問題であった。
それだけではない。正当な跡継ぎとなれるのは一人だけと決まっていた。当主である父――カイはその際、血縁の分別をせずにそのスキルの優劣だけで決めると宣言していた。
実の息子であろうと、そうでなかろうと、人類の守り人たるユグドラシル家には関係がない。それが家訓というものであり、鉄の掟でもあった。
それ故に、周囲の人々からの期待や注目も大きい。
「見てみろよ、あれはユグドラシル家の――」
「もう二人とも15歳になるのか。大きくなったな」
「二人がどんなスキルを授かるか。楽しみだぜ」
周囲の人々が見ている最中、二人のスキル継承の儀が行われる。
神殿には神官がいた。彼が継承されたスキルを確認するのだ。継承の儀とは言っているが、実際のところただの確認に過ぎない。
スキルとは運命づけられたもの。生まれる前より決まっているもの。それがその日確定するだけという事に過ぎない。
「ソル・ユグドラシル。弟のエドワード、これよりそなた達に継承されたスキルを確認する」
神官の男はそう宣言し、水晶をかざす。その水晶は魔道具(マジックアイテム)であり、天より授かったスキルを確認する事ができるのだ。
「それではまず、どちらからスキルを鑑定する?」
「へへっ。じゃあ、兄貴。俺から先に行かせてもらうぜ」
エドワードが微笑を浮かべる。何だろうか。この余裕は。ソルはそう思っていた。嫌な予感をソルはしていた。
「それではそなたの授かったスキルから鑑定するぞ」
「ええ! お願いしますよ! 神官様!」
「ふふっ、はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
神官の持っている水晶が輝く。
「エドワードよ! そなたの授かったスキルは『久遠の剣聖』じゃ!」
「け、『久遠の剣聖』ってどんなスキルなんですか!?」
「ふむ! 恐ろしいまでの成長速度で剣技が向上する! レア中のレア! 当たり中の当たりスキルであるぞ!」
「へへっ。どんなもんだっ! 兄貴、俺も結構やるもんだろ? 兄貴がどんな当たりスキルを引いているのか。興味深々だぜ」
エド(エドワード)は笑みを浮かべる。
「ふむ。エドワードは良いスキルを授かったようだな。後は貴様だぞ。ソル。我がユグドラシル家に決して恥をかかせるでないぞっ!」
「は、はい! お父様!」
ソルは神官の元へと向かう。
「では次はそなたか。ソルよ。そなたの授かったスキルを鑑定してみせようぞ!」
神官は持っている水晶に念を送る。
「ふふっ、はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
水晶は眩い光を放つ。ソルは目を閉じた。
「ふむ……」
神官の表情が曇った。
「ど、どうなんですか! 神官様! 俺が授かったスキルは、なんだったんですか!」
「非常に申し上げづらいのだが……」
「どうだったんですか! 神官殿! どうか真実を告げてくだされ! 我がユグドラシル家の世継ぎがどのようなスキルを授かったのか、正確に知る必要があるのです!」
そう、実父であるカイはせがんだ。
「こほん……では心を鬼にして真実を伝えましょうぞ。ソルよ! そなたが授かったスキルは『レベル0』のスキルである!」
「『レベル0』なんですか、そのスキルは?」
「うむ。わしもこのスキルは見たことも聞いた事もない。効果はひとつ。いかなる効果でも一切レベルが上がらないという事! つまりそなたは成長をしないのだ。こんなスキルは見た事も聞いた事がない」
「レベルが上がらない……」
それってどういう事なんだ。ソルは神官から発せられた言葉があまりに衝撃的過ぎて、理解ができていなかった。
「なになに? どういう事? どういう事?」
「レベルが上がらないって……」
「つまりなんだよ、それ、とんでもない外れスキルって事じゃん」
「へへっ。人類の守り人となるユグドラシル家も地に落ちたな」
「だったらなんだよ。家督は養子のエドワードが次ぐって事かよ」
「そうなるな」
ソルが予想外の外れスキルを授かった事で、周囲は騒めいていた。
「神官殿! レベルが上がらないとはどういう事ですか! つまりはソルは一切強くなる事ができないという事ですか!」
カイはせっつく。
「そうですな……そうなりますな。普通スキルとは所有者に恩恵を与えるものですが、なぜこう枷にしかならないスキルを授かったのか、理解に苦しみます。神はなぜ彼にこのような苦難を与えたのか」
「……そ、そんな」
カイはショックを受けていた。だが、そのショックはすぐに憤りへとなった。そしてその怒りの矛先はすぐ、息子であるソルへと向かったのだ。
「この恥さらしめっ!」
「ぐほっ!」
ソルは殴られ、地に伏した。
「貴様はこのユグドラシル家に恥をかかせたのだっ!」
「お、お父様……」
「貴様などもはや息子ではない! 私の息子はエドワードだけだっ!」
「そ、そんな……」
こんな外れスキル、望んで授かったわけでもないのに、なぜ虐げられなければならないのか。ソルは自身の運命を理不尽を呪った。
「貴様のような無能! もはや必要ない! ソル! 貴様は今日限りで破門だ! 二度と我が家の敷居を跨ぐでない! エドワード、そなたがいてよかった。万が一の為に養子を取ったそなたが当たりスキルを授かってくれて私は安心したぞ。私の唯一の息子よ」
カイは血の繋がっていないエドの事を息子として認め、寵愛を授けた。
「へへっ。ありがとうございます。お父様。ははっ、それにしても兄貴が『レベル0』なんて外れスキルに授かるなんて、がっかりだぜ。でも、俺にとってはラッキーだよ。養子って身分でありながら名家であるユグドラシル家の正当な後継者になれるんだからな」
「……ほ、本当ですか。お父様。本当に血の繋がっていないエドにユグドラシル家の家督を継がせるのですか?」
「へっ! 血縁なんて関係ないんだよ! この無能兄貴が! さっさと失せろよ! ユグドラシル家は実力が全てなんだよ! お前みたいな無能が家督を継ぐには相応しくないんだ!」
エドは威張り散らかしていた。たまたま運よく当たりスキルを授かったというだけなのにすべてが自分の力みたいに思い込んでいる節があった。
こうしてスキル継承の儀が終わった。エドにとっては最高の、そしてソルにとっては最悪の一日となる。
そして外れスキルを継承されたソルはユグドラシル家を追放される事となったのだ。
しかもただ追放されただけではない。カイはソルの生存すら許せなくなり、考えられもしない過酷な決断をしたのである。
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