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作戦会議
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エルフ国では緊急の会議が行われていた。
俺、それからエルフの国王、ユース、シャロ。その他は援軍に来てくれた亜人族、その重要人物達だ。
「いかがされるのですお父様? あの砲台。魔道カノンの威力は驚異です! あれを国内に向かって撃たれると多くの死傷者が出ます」
「うむ。出来るだけ被害を出さぬように今、国民の避難計画を実行中だ」
「ですが、根本的にどうするのですか? 兵士は逃げるわけにもいきません。多くの死傷者が出る事でしょう?」
「うむ……間違いなく、多くの死傷者が出るだろうな。既に多くの死傷者が出ておる。被害は小さくはない。これ以上の被害は正直に言えば避けたい」
「……もはや降伏するしか」
ユースは精神的に弱っているのだろう。弱音を漏らした。だが、それを否定する言葉を他の者は持ってはいなかった。
「降伏してどうなる? あいつ等は人間ではあるが、悪魔のような存在であるぞ。降伏の結果起こるのは地獄絵図以外にない。男は多くの者が殺され、女は嬲り者にされる。奴隷として他国に売り渡される者も出てくるであろう」
「ですが、このまま悪戯に被害を拡大するよりは些かマシかもしれませぬ。ルード王子に陳情します。いう通りに私が身を捧げ、お願いをすれば幾分かはまともな結末になるかもしれませぬ。どちらにせよ生き地獄だとするのならば少しでもまともな地獄の方がいい。最悪の結末を迎えるよりはその一歩手前で踏みとどまった方が賢明ではないでしょうか?」
ユースは語る。その言葉には現実感(リアリティ)が込められていた。
「何を言っているんだ! ユース! そんな事ダメだ! あんな奴に身を捧げるなんて! 国王の言う通り、降伏しても酷い目に合うに決まっている!」
「で、でも。他に方法が。方法がありません」
ユースは涙すら浮かべていた。彼女なりに必死なのだろう。彼女が俺を想ってくれている気持ちは強い。だが彼女も一国の姫だ。敗戦時の国民の処遇の事も気になってしょうがない。同じように国民の事、周りの事を想っているのだ。
「嫌だっ! 我儘かもしれないっ! だけど俺はユースをあんな連中に差し出したくない! 他の仲間だってそうだ!」
俺はユースを抱きしめる。
「それにきっとこの戦争に負けたら男の俺は処刑される。エルフ王だってわからない。よくて軟禁だろう。一生自由な生活はできない」
「……それは大変嫌であります。フェイ様が処刑されるのもお父様が軟禁されるのも。嫌ではあります。当然、私達が人間の慰み者にされるのも想像するだけで身震いがしてきます。絶対に嫌でございます」
「そうだ。だったら、俺達は勝てる方法を模索しよう。あいつ等に勝って、それで今まで通りの生活をするんだ」
「はい。フェイ様」
ユースの顔に笑顔が戻った。
「お熱い事だ……見てて妬けてくるだ」
「そうやな。そういう関係なのはいいけど、あんまうちらの前でいちゃつかんでくれんか? 見ててむずかゆくなってくるわ」
「見せつけてくるにゃ。このまま、ぶちゅーーーーーーーーーーーーーーー! ってきそうにゃ! それはもうこう、熱く、ぶちゅーーーーーーーーーーーーーーって! キッスしてしまいそうな勢いにゃ!」
「ご、ごめん!」
「ごめんなさい!」
「そ、そんなつもりじゃないんだ! 俺達!」
「んで。どうするんや。鍛冶師のお兄やん。確かフェイとか言ったか。色々理想論言っても、あの大砲どうにかせんといかへんで。確か魔道カノンとか言ったか」
「俺が何とかする」
「ほう。フェイお兄やんにできるんか?」
「俺が絶対に何とかする。鍛冶師としての俺の腕で絶対にあの魔道カノンを何とかしてやる」
「そうか。でも時間がないで。あいつ等一日しか待たないって言って居ったで。一日経てば問答無用であの大砲ぶち込まれる」
「わかっている。だから、急いで俺が鍛造する。待機していてくれ。皆、俺の武具ができるまで待機していてくれ!」
「わかったわ。待ってる」
「ああ。俺達は構わないだ!」
俺は工房に急ぐ。一刻の余裕すらなかった。
俺、それからエルフの国王、ユース、シャロ。その他は援軍に来てくれた亜人族、その重要人物達だ。
「いかがされるのですお父様? あの砲台。魔道カノンの威力は驚異です! あれを国内に向かって撃たれると多くの死傷者が出ます」
「うむ。出来るだけ被害を出さぬように今、国民の避難計画を実行中だ」
「ですが、根本的にどうするのですか? 兵士は逃げるわけにもいきません。多くの死傷者が出る事でしょう?」
「うむ……間違いなく、多くの死傷者が出るだろうな。既に多くの死傷者が出ておる。被害は小さくはない。これ以上の被害は正直に言えば避けたい」
「……もはや降伏するしか」
ユースは精神的に弱っているのだろう。弱音を漏らした。だが、それを否定する言葉を他の者は持ってはいなかった。
「降伏してどうなる? あいつ等は人間ではあるが、悪魔のような存在であるぞ。降伏の結果起こるのは地獄絵図以外にない。男は多くの者が殺され、女は嬲り者にされる。奴隷として他国に売り渡される者も出てくるであろう」
「ですが、このまま悪戯に被害を拡大するよりは些かマシかもしれませぬ。ルード王子に陳情します。いう通りに私が身を捧げ、お願いをすれば幾分かはまともな結末になるかもしれませぬ。どちらにせよ生き地獄だとするのならば少しでもまともな地獄の方がいい。最悪の結末を迎えるよりはその一歩手前で踏みとどまった方が賢明ではないでしょうか?」
ユースは語る。その言葉には現実感(リアリティ)が込められていた。
「何を言っているんだ! ユース! そんな事ダメだ! あんな奴に身を捧げるなんて! 国王の言う通り、降伏しても酷い目に合うに決まっている!」
「で、でも。他に方法が。方法がありません」
ユースは涙すら浮かべていた。彼女なりに必死なのだろう。彼女が俺を想ってくれている気持ちは強い。だが彼女も一国の姫だ。敗戦時の国民の処遇の事も気になってしょうがない。同じように国民の事、周りの事を想っているのだ。
「嫌だっ! 我儘かもしれないっ! だけど俺はユースをあんな連中に差し出したくない! 他の仲間だってそうだ!」
俺はユースを抱きしめる。
「それにきっとこの戦争に負けたら男の俺は処刑される。エルフ王だってわからない。よくて軟禁だろう。一生自由な生活はできない」
「……それは大変嫌であります。フェイ様が処刑されるのもお父様が軟禁されるのも。嫌ではあります。当然、私達が人間の慰み者にされるのも想像するだけで身震いがしてきます。絶対に嫌でございます」
「そうだ。だったら、俺達は勝てる方法を模索しよう。あいつ等に勝って、それで今まで通りの生活をするんだ」
「はい。フェイ様」
ユースの顔に笑顔が戻った。
「お熱い事だ……見てて妬けてくるだ」
「そうやな。そういう関係なのはいいけど、あんまうちらの前でいちゃつかんでくれんか? 見ててむずかゆくなってくるわ」
「見せつけてくるにゃ。このまま、ぶちゅーーーーーーーーーーーーーーー! ってきそうにゃ! それはもうこう、熱く、ぶちゅーーーーーーーーーーーーーーって! キッスしてしまいそうな勢いにゃ!」
「ご、ごめん!」
「ごめんなさい!」
「そ、そんなつもりじゃないんだ! 俺達!」
「んで。どうするんや。鍛冶師のお兄やん。確かフェイとか言ったか。色々理想論言っても、あの大砲どうにかせんといかへんで。確か魔道カノンとか言ったか」
「俺が何とかする」
「ほう。フェイお兄やんにできるんか?」
「俺が絶対に何とかする。鍛冶師としての俺の腕で絶対にあの魔道カノンを何とかしてやる」
「そうか。でも時間がないで。あいつ等一日しか待たないって言って居ったで。一日経てば問答無用であの大砲ぶち込まれる」
「わかっている。だから、急いで俺が鍛造する。待機していてくれ。皆、俺の武具ができるまで待機していてくれ!」
「わかったわ。待ってる」
「ああ。俺達は構わないだ!」
俺は工房に急ぐ。一刻の余裕すらなかった。
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