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獣人王との決闘へ
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「ミーシャ! どうした! その人間は! それとエルフは! 殺して食っちまうのか!?」
獣人の国には多くの獣人がいた。文明のレベルは高くないようだ。それらしきものは見受けられない。木だったり土の簡素な建物があり、それから井戸があるくらいだ。
「違うにゃ! この人達はミーシャの恩人にゃ! 獣人王様は今おうちにいるかにゃ!」
「ああ。いると思うぜ!」
「ありがとにゃ! 行ってみるにゃ!」
俺達はミーシャに案内される。そこは他の家に比べれば大きな家ではあるが、エルフ城の方が何倍も立派ではあった。少なくともエルフ城は石で出来きた巨大な建造物であった。
「獣人王様あああああああああああああああああああああああ!」
獣人王がいるとされる城と扉をミーシャは蹴破った。
「んだ!? ミーシャ!? なんだその人間とエルフは貢物か!? 殺して食っちまうってわけか!? たしかにうまそうだ!!」
獣人王は舌舐めずりをした。王と言っているがまだ若い。青年のように見える。ライオンのような見た目をした亜人種だった。隆々とした腹筋。獲物を狙うような鋭い目が特徴的であった。
「違うにゃ! なんでも獣人王様に用があるそうなのにゃ!? それにこの人達はミーシャの命の恩人にゃ! できれば食べないで欲しいにゃ!」
「そうか!! 命の恩人か!! それで俺様に何の用だ!! 人間とエルフが!」
「獣人王様」
「俺様はレオという、レオ様と呼ぶがいいだ!」
「獣人王レオ様。我々はエルフ国からの使者です。エルフ国は大帝国フィンから侵略戦争を宣戦布告されています」
ユースは伝える。
「それがなんだ!? それはお前らの都合だろうだ! 俺達には関係ないだ!」
「もっともであります。ですから何らかの見返りの末に援軍の要請をしたいとこちらも考えております」
「見返りか……俺達は好戦的な亜人種だ。戦闘は決して嫌いじゃねぇ。血湧き肉躍るとはこの事だ」
「でしたら……」
「だが! ただで力貸す程俺達もお人よしじゃないだ! ミーシャの命の恩人らしいが! それだけでは足りねぇだ!」
「では何をお望みでしょう?」
「欲しいものがあったら、地力で奪っていくがいいだ! 俺様と闘うだ! 勝ったら力貸してやるだ!」
流石は獣人の王。思考がシンプルであった。やりやすい反面、自分の力に絶対の自信を持っているのだろう。
「決闘だ! 決闘するだ!」
「どのような内容でしょうか? 決闘と言えどルールがあるでしょう」
「俺はこの肉体があるだ。この身ひとつで闘うだ。ただ勿論一体一の闘いだ」
「私達の方はいかがすればいいでしょうか?」
「好きにすればいいだ。武器を使ってもいいだ。魔法を使ってもいいだ。それを力でねじ伏せるのが楽しみだ!」
「私達が勝った場合は力をお貸しくださるという事でよろしいでしょうか?」
「んだんだ!」
「ではレオ様が勝った場合は――」
「めんこい女子が二人いるだ。やる事はひとつだ。お前達は俺の女になるだ!」
「ああああああああああああああああ! 獣人王様ああああああああああああああ! えっちだああああああああああああああああああああああああ!」
「うるさいだ! 俺だって男だ! それに王様だ! めんこい女子みるとやりたくて仕方なくなってくるだ!」
「どうする?」
俺は二人に聞く。
「あまり負けた時の事を考えたくはありませんが、ここで勝てば獣人の協力を取り付ける事ができます。このチャンスを逃がしたくもありません」
「仕方がないか。問題なのは、誰が獣人王と闘うかだ」
「私が行こう」
シャロが名乗り出る。
「シャロか」
「その為に私が来たようなものです。ここで何もせず、カカシのように立っている為ではありません」
「そうか。頼むよ。だけど、今装備している剣じゃ物足りないだろ。僕が用意していた聖剣があるんだ。受け取ってくれ。シャロ」
「はい。ありがとうございます。フェイ様」
俺は密に持ってきていた剣をシャロに渡す。
「これは……」
紅色の光を放つ聖剣。それは炎を宿す剣だった。
「聖剣レーヴァテイン。鑑定士のゴンさんに見てもらったところ、炎属性の加護があるらしい。俺がシャロの為にあつらえた専用の聖剣だ」
「ありがとうございます。フェイ様。こちらを頂いてもいいという事ですね?」
「ああ。きっとシャロの力はこれからも必要になってくる。その力を存分に発揮して欲しい」
「フェイ様。この剣は一生の宝です。大切に使わせて頂きます」
シャロは慈しむように聖剣レーヴァテインを抱きかかえた。
「んだ! じゃあ行くだ! ミーシャ! 国民に言伝するだ! でかい喧嘩! 熱くなるような喧嘩の始まりだ! 広場でおっぱじめるだ!」
「わかったにゃ! 獣人王様!」
こうして俺達は獣人王レオと共に広場へと向かった。
獣人の国には多くの獣人がいた。文明のレベルは高くないようだ。それらしきものは見受けられない。木だったり土の簡素な建物があり、それから井戸があるくらいだ。
「違うにゃ! この人達はミーシャの恩人にゃ! 獣人王様は今おうちにいるかにゃ!」
「ああ。いると思うぜ!」
「ありがとにゃ! 行ってみるにゃ!」
俺達はミーシャに案内される。そこは他の家に比べれば大きな家ではあるが、エルフ城の方が何倍も立派ではあった。少なくともエルフ城は石で出来きた巨大な建造物であった。
「獣人王様あああああああああああああああああああああああ!」
獣人王がいるとされる城と扉をミーシャは蹴破った。
「んだ!? ミーシャ!? なんだその人間とエルフは貢物か!? 殺して食っちまうってわけか!? たしかにうまそうだ!!」
獣人王は舌舐めずりをした。王と言っているがまだ若い。青年のように見える。ライオンのような見た目をした亜人種だった。隆々とした腹筋。獲物を狙うような鋭い目が特徴的であった。
「違うにゃ! なんでも獣人王様に用があるそうなのにゃ!? それにこの人達はミーシャの命の恩人にゃ! できれば食べないで欲しいにゃ!」
「そうか!! 命の恩人か!! それで俺様に何の用だ!! 人間とエルフが!」
「獣人王様」
「俺様はレオという、レオ様と呼ぶがいいだ!」
「獣人王レオ様。我々はエルフ国からの使者です。エルフ国は大帝国フィンから侵略戦争を宣戦布告されています」
ユースは伝える。
「それがなんだ!? それはお前らの都合だろうだ! 俺達には関係ないだ!」
「もっともであります。ですから何らかの見返りの末に援軍の要請をしたいとこちらも考えております」
「見返りか……俺達は好戦的な亜人種だ。戦闘は決して嫌いじゃねぇ。血湧き肉躍るとはこの事だ」
「でしたら……」
「だが! ただで力貸す程俺達もお人よしじゃないだ! ミーシャの命の恩人らしいが! それだけでは足りねぇだ!」
「では何をお望みでしょう?」
「欲しいものがあったら、地力で奪っていくがいいだ! 俺様と闘うだ! 勝ったら力貸してやるだ!」
流石は獣人の王。思考がシンプルであった。やりやすい反面、自分の力に絶対の自信を持っているのだろう。
「決闘だ! 決闘するだ!」
「どのような内容でしょうか? 決闘と言えどルールがあるでしょう」
「俺はこの肉体があるだ。この身ひとつで闘うだ。ただ勿論一体一の闘いだ」
「私達の方はいかがすればいいでしょうか?」
「好きにすればいいだ。武器を使ってもいいだ。魔法を使ってもいいだ。それを力でねじ伏せるのが楽しみだ!」
「私達が勝った場合は力をお貸しくださるという事でよろしいでしょうか?」
「んだんだ!」
「ではレオ様が勝った場合は――」
「めんこい女子が二人いるだ。やる事はひとつだ。お前達は俺の女になるだ!」
「ああああああああああああああああ! 獣人王様ああああああああああああああ! えっちだああああああああああああああああああああああああ!」
「うるさいだ! 俺だって男だ! それに王様だ! めんこい女子みるとやりたくて仕方なくなってくるだ!」
「どうする?」
俺は二人に聞く。
「あまり負けた時の事を考えたくはありませんが、ここで勝てば獣人の協力を取り付ける事ができます。このチャンスを逃がしたくもありません」
「仕方がないか。問題なのは、誰が獣人王と闘うかだ」
「私が行こう」
シャロが名乗り出る。
「シャロか」
「その為に私が来たようなものです。ここで何もせず、カカシのように立っている為ではありません」
「そうか。頼むよ。だけど、今装備している剣じゃ物足りないだろ。僕が用意していた聖剣があるんだ。受け取ってくれ。シャロ」
「はい。ありがとうございます。フェイ様」
俺は密に持ってきていた剣をシャロに渡す。
「これは……」
紅色の光を放つ聖剣。それは炎を宿す剣だった。
「聖剣レーヴァテイン。鑑定士のゴンさんに見てもらったところ、炎属性の加護があるらしい。俺がシャロの為にあつらえた専用の聖剣だ」
「ありがとうございます。フェイ様。こちらを頂いてもいいという事ですね?」
「ああ。きっとシャロの力はこれからも必要になってくる。その力を存分に発揮して欲しい」
「フェイ様。この剣は一生の宝です。大切に使わせて頂きます」
シャロは慈しむように聖剣レーヴァテインを抱きかかえた。
「んだ! じゃあ行くだ! ミーシャ! 国民に言伝するだ! でかい喧嘩! 熱くなるような喧嘩の始まりだ! 広場でおっぱじめるだ!」
「わかったにゃ! 獣人王様!」
こうして俺達は獣人王レオと共に広場へと向かった。
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