上 下
51 / 53

暗黒剣ダーインスレイブを融合する

しおりを挟む
「くそっ……!」

「ど、どうすりゃいいんだ!」

 召喚者達は想定していたよりも早い襲撃に慌てふためいていた。

「私達はどうすればいいんですか! ライトさん!」

 ティアもまた、周りに流されるようにして慌てていた。

「慌てるな……ティア」

 ある程度襲撃してくるタイミングを理解していた来斗は他の面々に比べると落ち着き払っていた。

「実際に王国が襲撃されるまではまだ時間はある。俺達は自分達に出来る事をやるしかないんだ」

  来斗はアイテムポーチから剣を取り出した。それはあの地下迷宮(ダンジョン)『ウロボロス』を制覇(クリア)した際に授与された、クリア報酬でもある。

 あの暗黒剣ダーインスレイブである。来斗はその剣と、普段装備しているエクスカリバー改を並べる。

 このエクスカリバー改は属性剣(エレメントソード)と融合した事で、五つの属性を保有している……。だが、ひとつだけ欠けた属性があった。それは闇属性だ。

 来斗は習得していた『融合』スキルでエクスカリバー改と暗黒剣ダーインスレイブを融合させようとしているのである。

「『融合』スキル発動!」

 来斗は二振りの剣を並べ、『融合』スキルを発動した。スキルの効果により、剣が光り輝き、一つに重なり合う。無事、融合できたようだ。

「ステータスオープン」
 
 来斗は久々にステータス画面を開き、現況を確認した。

======================================
三雲来斗 16歳 男 レベル:60 ※前回、ウロボロスとの闘いで経験値(EXP)を入手できてレベルが上昇した。

天職:無名剣士【ノービス】

攻撃力:720

HP:720

防御力:570

素早さ:520

魔法力:520

魔法耐性:520

スキル:『錬成』 『料理』 『鍛冶』『融合』『錬金』

『聖剣エクスカリバーEX』※聖剣エクスカリバー改に暗黒剣ダーインスレイブが融合され、強化された剣。これにより、闇属性の力を得て、六属性全ての属性を使いこなす事ができるようになった。その上に攻撃力も上昇した。
攻撃力+200UP

『ミスリルプレート』防御力+50 魔法耐性+50

※現SP残300SP

保有アイテム 青色ポーション×5 ※前回使用した為、霊薬エリクサーは消費した

======================================

「よし……問題ないな」

 来斗は自身のステータスを確認した。無事に自身が強化されている事を把握する。

 来斗の策はそれだけに留まらない。これから対決する相手の種族はわかっているのだ。相手の種族は竜種(あるいは竜人種も含む)である。その為、来斗は新たにスキルを習得する事にした。
SPを50×2支払い、二つのスキルを習得する。

 まず一つ目のスキルがこれだった。

======================================

『対竜特攻』スキル。※竜種 竜人種(ドラゴニュート)に対するダメージ効率を高めるスキル。通常の攻撃に1.25倍の倍率がかかり、ダメージ効率を上げるスキルである。消費SP50。

======================================

 そして二つ目がこちらのスキルであった。

======================================

『竜殺し(ドラゴンキラー)』スキル。このスキルは技スキルだ。竜相手に有効な剣技である。この技で攻撃をすると、さらに竜に対して有効にダメージを与える事ができる。

======================================

 来斗はこの二つのスキルを習得した。

「……よし。これで問題。準備は万全……ではないが、現状では出来るだけの準備はできた」

 来斗は手早く、魔王軍の竜軍に対する対策準備を済ませた。

「行くぞ! ティア!」
「うん……」

「待って! 三雲君!」

 可憐が駆け寄ってきた。

「北城さん……」

「私も行く……私も皆の力になりたいの」

「別に俺達二人だけで闘うわけじゃない……今度の敵は強大な敵だ。それはもう……皆で一致団結しないと勝てない位に、数が多く、そして強力な敵なんだ」

 その一致団結をいち早く乱した人物がいたが……そいつの事は捨て置く。

 どうやったってダメージを負う相手だ。きっと、回復術士(ヒーラー)を天職としている可憐の力は役に立つ……来斗もまたそう思っていた。

「皆! 気を引き締めていくぞ! 敵は強大だ! でも僕達の力なら、きっと運命を変える事ができる! 悲惨な未来の運命を僕達の力で変えるんだ!」

 勇希は剣を掲げ、皆を鼓舞する。皆が王城を出ると、そこにいたのは大空を飛び交う、数多の竜の姿があったのだ。

 魔王軍六天王の一角、竜王バハムートが率いる竜軍との交戦が間もなく始まるのであった。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです

こたろう文庫
ファンタジー
学校をズル休みしてオンラインゲームをプレイするクオンこと斉藤悠人は、登校していなかったのにも関わらずクラス転移させられた。 異世界に来たはずなのに、ステータス画面はさっきやっていたゲームそのもので…。

魔法学院の階級外魔術師

浅葱 繚
ファンタジー
魔力の色によって使える魔法が決まる世界。魔法学院に入学した主人公ルーシッド・リムピッドの魔力の色は何と『無色』。色が無いゆえに一切の魔法が使えないルーシッド。しかし、実は無色の魔力には彼女だけが知っているある秘密があって… 魔法が絶対の世界は、たった一人の魔術師によって大きく動き出す。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【完結】虐待された幼子は魔皇帝の契約者となり溺愛される

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
 ――僕は幸せになってもいいの?  死ね、汚い、近づくな。ゴミ、生かされただけ感謝しろ。常に虐げられ続けた子どもは、要らないと捨てられた。冷たい裏路地に転がる幼子は、最後に誰かに抱き締めて欲しいと願う。  願いに引き寄せられたのは――悪魔の国ゲーティアで皇帝の地位に就くバエルだった!  虐待される不幸しか知らなかった子どもは、新たな名を得て溺愛される。不幸のどん底から幸せへ手を伸ばした幼子のほのぼのライフ。  日常系、ほのぼの、ハッピーエンド 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 【表紙イラスト】蒼巳生姜(あおみ しょうが)様(@syo_u_ron) 2022/10/31  アルファポリス、第15回ファンタジー小説大賞 奨励賞 2022/08/16  第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過 2022/03/19  小説家になろう ハイファンタジー日間58位 2022/03/18  完結 2021/09/03  小説家になろう ハイファンタジー日間35位 2021/09/12  エブリスタ、ファンタジー1位 2021/11/24  表紙イラスト追加

【完結】赤ちゃんだけど最強ですが何か?〜転生直後に大貴族の生家から追放されたが、今更家に戻ってきて欲しいと言われてももう遅い!〜

コレゼン
ファンタジー
前世では最強の魔術王だったケイン。 だが大器晩成で結婚もなく、晩年も貴族連中に良いように使われるだけの報われない人生だった。 一か八かの転生魔法で転生成功したが――― 魔術王の無限魔力のスキルを転生後も受け継いでいるにもかかわらず、適正検査の不備で彼を魔術師として適正なしと判定。代々魔術師を生業としてきた家系の大貴族の両親はそんなケインをなんと亡き者として追放してしまった。 人に使われるのがもうまっぴらな彼は帝国を建国して人々の頂点の皇帝を目指すことに。 帝国の建国も順調にいった矢先、生家に俺の事がバレて今更戻ってきて欲しいと言われてももう遅い! 最強の赤ちゃんはその見た目にそぐわない行動と実力で周囲の度肝を抜き続けるのだった。 ※こちら小説家になろうとカクヨムでも掲載中です ※新たに連載を開始しました。よければこちらもどうぞ! 魔王様は転生して追放される。今更戻ってきて欲しいといわれても、もう俺の昔の隷属たちは離してくれない。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/980968044/481690134 (ページ下部にもリンクがあります)

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?

鏑木 うりこ
恋愛
 父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。 「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」  庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。  少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *) HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい! 色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー! ★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!  これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい! 【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)

スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン
ファンタジー
全ての種族がスキルを発現する世界で、スキル【模倣】を発現したマルコイ。発現方法もわからないし、役立たずだったが‥ 発現方法がわかってからは、いろんなスキルを模倣しまくる。 すぐに楽して強くなるはずだったが、たくさんの壁がありました。 でもそんな壁を乗り越えて、いずれ最強になる残念イケメンの話です。

処理中です...