15 / 53
正式雇用されました
悪役令嬢の専属になる決意
しおりを挟む
「頼むわよぉ。」
昨日は本当に無かったベイリー家。
祈る様な気持ちで角を曲がった。
「あっ・・た。」
ホッとした気持ちで思わず大きな安堵の溜息が出た。
やっぱり1人じゃないとダメなのね。
それは良く解ったわ。
グレースちゃん、貴女を幸せにするわ。次いでに私もイケメンを捕まえるからねー。
「ただいま帰りました。」
ベイリー家の玄関を開けるとメイドさんがお帰りと言ってくれる。
もうすっかりこの家の住人だ。
「お帰りなさい!アリスねーさん!」
グレースちゃんが声を聞き付けてお出迎え。
「ただいま。グレースちゃん。」
すっかり可愛い妹。
帰って来て良かったと思える。
「ねぇ。アリスねーさん。ちょっと部屋に来て。」
グレースちゃんがお願いと可愛く強請る。
「勿論、良いわよ。どうしたの?」
グレースちゃんの部屋に入るとちょっと深刻そうな顔になった。
「ねーさん。昨日、アンディーの誕生日パーティーの招待状が来ました。」
そう言って手紙を出して来た。
「あら。彼、誕生日なのね。どうしたの?顔が強ばっているけど?」
グレースちゃんは俯き加減で
「ジュリエットも招待されてるって・・。アンディーの家の仲良しのメイドさんから電話がこっそりかかってきた。」
そう言って益々落ち込んだ表情。
ローラン家にはスパイの如く報告をくれるメイドさんが居るらしい。
「そうなのね。ジュリエットも呼ばれたのか。」
事態は思ったより深刻かもしれない。
断罪裁判が起こるとゲームではもうラブラブエンディングまっしぐらっぽい。
その裁判が回避されたけれどアンディー君の気持ちはジュリエットに傾いている。
1度は復縁を迫られたみたいだけど。
その後のグレースちゃんの言動が問題あったのねー。
アンディー君は恋がしたい。そのアンディー君はジュリエットに対して多分かなりの恋心を抱きつつある。
勝算は・・・どのくらいあるかしら。
それには私の力だけではどうにもならない。
「グレースちゃん。本気でどうしたい?ジュリエットに渡しちゃうの?」
俯くグレースちゃんの顔を無理矢理上げさせた。
「別れたく無い・・。」
目にはウルっと涙が浮かんで来ていた。
「それは本当に好きだから?それともジュリエットに取られたく無いから?良く考えなさい。」
少し厳しいかもしれないけど。
「私。親が決めた婚約だったけど。ずっと一緒に居るうちに好きになっていたの。」
そう言ったグレースちゃんのウルウルの目から涙が落ちた。
「その好きは・・お母さんやお父さんを好きとか私が好きとかとは違う?」
グレースちゃんはうん。と頷いた。
「一緒に居るとドキドキするの。そして誰にも渡したくなくなる。女の子と話すのも嫌だし。」
「そうね。それは本当に好きなんだね。」
執着心も少しあるかもしれないけれど。
現状、グレースちゃんはアンディー君が好きね。
本当に私もお節介な性分よねぇ。
さて、それならば。本気で戦うしかないわよね。
「大丈夫よ。グレースちゃんの気持ちは通じる。私も全力出すわ。」
そっとグレースちゃんの手を取った。
「誕生日はいつ?」
「3週間後。」
良し。計画を立てないと。
「グレースちゃん。本当はねありのままの貴女を好きになってくれる人と付き合うのが1番幸せなのよ?それは頭に入れて置いてね。」
グレースちゃんは解った様な解らない様な表情だ。
「要は顔だけじゃアンディー君を振り向かせるのは無理って事よ。態度や言葉とか。思った事を言えないし我慢もして貰うわ。」
今度はうんうんと頷かれた。
「結局ね?自分が辛い恋はしちゃダメなの。だから我慢出来ないなら止めましょう。それは約束。」
「なるべく約束する。」
なるべくじゃストレス溜めるだけなんだけど。
取り敢えずやってみますか!
「グレースちゃん。月曜日から実践よ。」
やれるかやれないかは貴女次第。
「頑張ってみる。」
大きく頷く彼女も私と同じ決意した顔をしていた。
まあ、無理難題では無いんだけど。
御令嬢には大変かもしれないわねぇ。
昨日は本当に無かったベイリー家。
祈る様な気持ちで角を曲がった。
「あっ・・た。」
ホッとした気持ちで思わず大きな安堵の溜息が出た。
やっぱり1人じゃないとダメなのね。
それは良く解ったわ。
グレースちゃん、貴女を幸せにするわ。次いでに私もイケメンを捕まえるからねー。
「ただいま帰りました。」
ベイリー家の玄関を開けるとメイドさんがお帰りと言ってくれる。
もうすっかりこの家の住人だ。
「お帰りなさい!アリスねーさん!」
グレースちゃんが声を聞き付けてお出迎え。
「ただいま。グレースちゃん。」
すっかり可愛い妹。
帰って来て良かったと思える。
「ねぇ。アリスねーさん。ちょっと部屋に来て。」
グレースちゃんがお願いと可愛く強請る。
「勿論、良いわよ。どうしたの?」
グレースちゃんの部屋に入るとちょっと深刻そうな顔になった。
「ねーさん。昨日、アンディーの誕生日パーティーの招待状が来ました。」
そう言って手紙を出して来た。
「あら。彼、誕生日なのね。どうしたの?顔が強ばっているけど?」
グレースちゃんは俯き加減で
「ジュリエットも招待されてるって・・。アンディーの家の仲良しのメイドさんから電話がこっそりかかってきた。」
そう言って益々落ち込んだ表情。
ローラン家にはスパイの如く報告をくれるメイドさんが居るらしい。
「そうなのね。ジュリエットも呼ばれたのか。」
事態は思ったより深刻かもしれない。
断罪裁判が起こるとゲームではもうラブラブエンディングまっしぐらっぽい。
その裁判が回避されたけれどアンディー君の気持ちはジュリエットに傾いている。
1度は復縁を迫られたみたいだけど。
その後のグレースちゃんの言動が問題あったのねー。
アンディー君は恋がしたい。そのアンディー君はジュリエットに対して多分かなりの恋心を抱きつつある。
勝算は・・・どのくらいあるかしら。
それには私の力だけではどうにもならない。
「グレースちゃん。本気でどうしたい?ジュリエットに渡しちゃうの?」
俯くグレースちゃんの顔を無理矢理上げさせた。
「別れたく無い・・。」
目にはウルっと涙が浮かんで来ていた。
「それは本当に好きだから?それともジュリエットに取られたく無いから?良く考えなさい。」
少し厳しいかもしれないけど。
「私。親が決めた婚約だったけど。ずっと一緒に居るうちに好きになっていたの。」
そう言ったグレースちゃんのウルウルの目から涙が落ちた。
「その好きは・・お母さんやお父さんを好きとか私が好きとかとは違う?」
グレースちゃんはうん。と頷いた。
「一緒に居るとドキドキするの。そして誰にも渡したくなくなる。女の子と話すのも嫌だし。」
「そうね。それは本当に好きなんだね。」
執着心も少しあるかもしれないけれど。
現状、グレースちゃんはアンディー君が好きね。
本当に私もお節介な性分よねぇ。
さて、それならば。本気で戦うしかないわよね。
「大丈夫よ。グレースちゃんの気持ちは通じる。私も全力出すわ。」
そっとグレースちゃんの手を取った。
「誕生日はいつ?」
「3週間後。」
良し。計画を立てないと。
「グレースちゃん。本当はねありのままの貴女を好きになってくれる人と付き合うのが1番幸せなのよ?それは頭に入れて置いてね。」
グレースちゃんは解った様な解らない様な表情だ。
「要は顔だけじゃアンディー君を振り向かせるのは無理って事よ。態度や言葉とか。思った事を言えないし我慢もして貰うわ。」
今度はうんうんと頷かれた。
「結局ね?自分が辛い恋はしちゃダメなの。だから我慢出来ないなら止めましょう。それは約束。」
「なるべく約束する。」
なるべくじゃストレス溜めるだけなんだけど。
取り敢えずやってみますか!
「グレースちゃん。月曜日から実践よ。」
やれるかやれないかは貴女次第。
「頑張ってみる。」
大きく頷く彼女も私と同じ決意した顔をしていた。
まあ、無理難題では無いんだけど。
御令嬢には大変かもしれないわねぇ。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる