322 / 369
どうしたら良い?
しおりを挟む
「えーと。そうだ。門番にクライスが帰ったか聞いて来よう!」
焦りながらジェファーソンにそう言うと行きましょう!と彼も焦りを見せる。
ヤバい。クライス何処へ行った?
門番に確認すると明け方に自宅に忘れ物を取りに行くと言われて帰られましたと言われた。バートリー家の車も無い。
「会長!自宅に電話してみましょうか?」
ジェファーソンの意見に頷く。
昨日の出来事のせい?
あれは本気?僕が傷付けた?
頭の中はぐちゃぐちゃだが冷静にクライスの家に電話をかけた。
「もしもし。朝早くすみません。ノネット・クライムのケビンと申します。クライスはいらっしゃいますか?」
電話に出た執事は
「クライス様はお城へお泊まりですよ。」
と言った。やはり・・・。戻って居ないか。
「そうだったんですね。僕は泊まって居なかったもので。解りました。」
クライスが居なくなったなんて心配かける事は絶対に言えない。
「ジェファーソン。僕が探しに行くから。」
こんなイベントあったか?
いや、無い。イベントなんて考えている時点で僕にクライスを好きになる資格なんて無いのに。
急いでバッグを取りに部屋に戻ると異変に気付いた皆が集合していた。
部屋に入るなり何かあった?と聞かれてクライスが朝起きると居なくなっていてと言葉を濁す。
「会長?ジェファーソン?何かあったの?」
キャサリンに聞かれて言葉に詰まる。
「クライスと会長、何かあった?喧嘩したのか?」
ルナリーに言われて自分の中の気持ちの整理とかどうしたら良いか解らず・・・。
「ごめん!ルナリーとキャサリンに話がある!ちょっと来て!」
2人を連れて空いている部屋に連れ込んだ。
ジェファーソンの機嫌が悪くなるのは目に見えているのだが僕の頭はぐちゃぐちゃでごちゃごちゃで。
「どうした?会長?」
「クライスと何かあったのよね?」
2人は心配そうに僕の顔を見る。
「クライスに告白された。」
僕は昨夜の2人の会話を話して聞かせた。
「僕はどうしたら良い?そりゃクライスの事は好きだよ。でも、僕は男に生まれて来たし。クライスは財閥の跡取りだ。」
最後に泣くのは僕なんだよ。好きになっても将来、クライスは結婚しなきゃいけない。
自分で言っていて辛くて涙が溢れて来た。
「ねえ。もし、ルナリーもキャサリンも男性に転生していたらどうした?」
そう聞くと2人は真剣な顔で悩み始めた。
答えなんて出る訳ないよな。
「そーだなあ。私ならルイスには話するよ。男に産まれちまったって。それでもルイスが良いって言うなら付き合うかもなあ。でも。答えでねぇな。」
ルナリーは辛そうな顔で苦笑した。
「私はそもそも婚約者にも慣れない訳だし。諦めるかも。」
キャサリンも同じ様に泣きそうな顔で僕は辛い事考えさせてごめん。と謝った。
「会長は好きなんだろ?クライスも会長が好きだ。だったら突き進めよ。」
ルナリーの言いたい事は良く解るよ。
「先の事より今じゃないかしら。私もクライスに正直に気持ちを伝えた方が良いと思う。」
キャサリンまでそう言うのか。
「僕ってさあ。前世では恋愛は飄々とこなして来たんだよね。本気で人を好きになったのってクライスが初めてかも。」
だからこそ将来を考えてしまう。
クライスが誰かと結婚するなんて見たくなくて心も体も躊躇する。
「会長!応援するから。貫け!言わないと後悔する。」
「そうよ。言わないと絶対に後悔するわ!」
本当にその通りかもね。
「クライスを探しに行く!ちゃんと気持ち伝えてくるよ。皆にはエリザベス様を弄り過ぎてクライスにキレられたとでも言って誤魔化しといて!」
「コンサートには間に合わせるからね!」
2人は誤魔化すのか・・・。と苦笑して僕を送り出してくれた。
探そう。そして、きちんと伝えよう。
僕はクライスが好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
会長を見送ってキャサリンの顔を見たら凄く悩んだ顔をしていた。
「ねえ。本当に男性に産まれて居たら?私達ってどうなったんだろうね?」
「うん。今の幸せは無いだろうな。」
会長の悩む気持ちが答えの出せない気持ちが解る。
「部屋に戻って誤魔化すか。」
キャサリンは演技出来るかしらと溜息をういた。私も同じく。
部屋に戻ると王子が詰め寄る。
「会長は?何があったんですか?」
「うーん。昨日、エリザベス様を弄り過ぎて喧嘩したって。」
「大人気ないとか言い争ったみたいで。」
モゴモゴ・・・。キャサリンと2人。誤魔化せただろうか。
「本当に?」
本当に・・・。
王子は首を傾げながら
「僕はてっきりクライスが会長に告白して振られたのかと思ってたんですが。」
と言ってきて焦る。何で解った?
キャサリンを見ると誤魔化すわよ!と目で合図。まあ、本人の名誉もあるし。
「僕もそうかと思ってたよ?クライスってぜったい会長の事好きだよね?」
カインまでも?!
「え?そうか?」
「そう言われるとそうかも?」
「気づかなかった・・・。」
ルイスにエミリア、ジョージの反応はこんな感じだったが一先ず今は誤魔化す事を貫いた。
焦りながらジェファーソンにそう言うと行きましょう!と彼も焦りを見せる。
ヤバい。クライス何処へ行った?
門番に確認すると明け方に自宅に忘れ物を取りに行くと言われて帰られましたと言われた。バートリー家の車も無い。
「会長!自宅に電話してみましょうか?」
ジェファーソンの意見に頷く。
昨日の出来事のせい?
あれは本気?僕が傷付けた?
頭の中はぐちゃぐちゃだが冷静にクライスの家に電話をかけた。
「もしもし。朝早くすみません。ノネット・クライムのケビンと申します。クライスはいらっしゃいますか?」
電話に出た執事は
「クライス様はお城へお泊まりですよ。」
と言った。やはり・・・。戻って居ないか。
「そうだったんですね。僕は泊まって居なかったもので。解りました。」
クライスが居なくなったなんて心配かける事は絶対に言えない。
「ジェファーソン。僕が探しに行くから。」
こんなイベントあったか?
いや、無い。イベントなんて考えている時点で僕にクライスを好きになる資格なんて無いのに。
急いでバッグを取りに部屋に戻ると異変に気付いた皆が集合していた。
部屋に入るなり何かあった?と聞かれてクライスが朝起きると居なくなっていてと言葉を濁す。
「会長?ジェファーソン?何かあったの?」
キャサリンに聞かれて言葉に詰まる。
「クライスと会長、何かあった?喧嘩したのか?」
ルナリーに言われて自分の中の気持ちの整理とかどうしたら良いか解らず・・・。
「ごめん!ルナリーとキャサリンに話がある!ちょっと来て!」
2人を連れて空いている部屋に連れ込んだ。
ジェファーソンの機嫌が悪くなるのは目に見えているのだが僕の頭はぐちゃぐちゃでごちゃごちゃで。
「どうした?会長?」
「クライスと何かあったのよね?」
2人は心配そうに僕の顔を見る。
「クライスに告白された。」
僕は昨夜の2人の会話を話して聞かせた。
「僕はどうしたら良い?そりゃクライスの事は好きだよ。でも、僕は男に生まれて来たし。クライスは財閥の跡取りだ。」
最後に泣くのは僕なんだよ。好きになっても将来、クライスは結婚しなきゃいけない。
自分で言っていて辛くて涙が溢れて来た。
「ねえ。もし、ルナリーもキャサリンも男性に転生していたらどうした?」
そう聞くと2人は真剣な顔で悩み始めた。
答えなんて出る訳ないよな。
「そーだなあ。私ならルイスには話するよ。男に産まれちまったって。それでもルイスが良いって言うなら付き合うかもなあ。でも。答えでねぇな。」
ルナリーは辛そうな顔で苦笑した。
「私はそもそも婚約者にも慣れない訳だし。諦めるかも。」
キャサリンも同じ様に泣きそうな顔で僕は辛い事考えさせてごめん。と謝った。
「会長は好きなんだろ?クライスも会長が好きだ。だったら突き進めよ。」
ルナリーの言いたい事は良く解るよ。
「先の事より今じゃないかしら。私もクライスに正直に気持ちを伝えた方が良いと思う。」
キャサリンまでそう言うのか。
「僕ってさあ。前世では恋愛は飄々とこなして来たんだよね。本気で人を好きになったのってクライスが初めてかも。」
だからこそ将来を考えてしまう。
クライスが誰かと結婚するなんて見たくなくて心も体も躊躇する。
「会長!応援するから。貫け!言わないと後悔する。」
「そうよ。言わないと絶対に後悔するわ!」
本当にその通りかもね。
「クライスを探しに行く!ちゃんと気持ち伝えてくるよ。皆にはエリザベス様を弄り過ぎてクライスにキレられたとでも言って誤魔化しといて!」
「コンサートには間に合わせるからね!」
2人は誤魔化すのか・・・。と苦笑して僕を送り出してくれた。
探そう。そして、きちんと伝えよう。
僕はクライスが好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
会長を見送ってキャサリンの顔を見たら凄く悩んだ顔をしていた。
「ねえ。本当に男性に産まれて居たら?私達ってどうなったんだろうね?」
「うん。今の幸せは無いだろうな。」
会長の悩む気持ちが答えの出せない気持ちが解る。
「部屋に戻って誤魔化すか。」
キャサリンは演技出来るかしらと溜息をういた。私も同じく。
部屋に戻ると王子が詰め寄る。
「会長は?何があったんですか?」
「うーん。昨日、エリザベス様を弄り過ぎて喧嘩したって。」
「大人気ないとか言い争ったみたいで。」
モゴモゴ・・・。キャサリンと2人。誤魔化せただろうか。
「本当に?」
本当に・・・。
王子は首を傾げながら
「僕はてっきりクライスが会長に告白して振られたのかと思ってたんですが。」
と言ってきて焦る。何で解った?
キャサリンを見ると誤魔化すわよ!と目で合図。まあ、本人の名誉もあるし。
「僕もそうかと思ってたよ?クライスってぜったい会長の事好きだよね?」
カインまでも?!
「え?そうか?」
「そう言われるとそうかも?」
「気づかなかった・・・。」
ルイスにエミリア、ジョージの反応はこんな感じだったが一先ず今は誤魔化す事を貫いた。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
平民と恋に落ちたからと婚約破棄を言い渡されました。
なつめ猫
恋愛
聖女としての天啓を受けた公爵家令嬢のクララは、生まれた日に王家に嫁ぐことが決まってしまう。
そして物心がつく5歳になると同時に、両親から引き離され王都で一人、妃教育を受ける事を強要され10年以上の歳月が経過した。
そして美しく成長したクララは16才の誕生日と同時に貴族院を卒業するラインハルト王太子殿下に嫁ぐはずであったが、平民の娘に恋をした婚約者のラインハルト王太子で殿下から一方的に婚約破棄を言い渡されてしまう。
クララは動揺しつつも、婚約者であるラインハルト王太子殿下に、国王陛下が決めた事を覆すのは貴族として間違っていると諭そうとするが、ラインハルト王太子殿下の逆鱗に触れたことで貴族院から追放されてしまうのであった。
突然現れた自称聖女によって、私の人生が狂わされ、婚約破棄され、追放処分されたと思っていましたが、今世だけではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
デュドネという国に生まれたフェリシア・アルマニャックは、公爵家の長女であり、かつて世界を救ったとされる異世界から召喚された聖女の直系の子孫だが、彼女の生まれ育った国では、聖女のことをよく思っていない人たちばかりとなっていて、フェリシア自身も誰にそう教わったわけでもないのに聖女を毛嫌いしていた。
だが、彼女の幼なじみは頑なに聖女を信じていて悪く思うことすら、自分の側にいる時はしないでくれと言う子息で、病弱な彼の側にいる時だけは、その約束をフェリシアは守り続けた。
そんな彼が、隣国に行ってしまうことになり、フェリシアの心の拠り所は、婚約者だけとなったのだが、そこに自称聖女が現れたことでおかしなことになっていくとは思いもしなかった。
【完結】救済版:ずっと好きだった
ユユ
恋愛
『ずっと好きだった』を愛読してくださった
読者様にお応えして、救済版として作りました。
あのままでいいという方は読まないでください。
かわいそうなエヴァンとライアンの為のものです。
『ずっと好きだった』を読まないとこの話は理解できないようになっています。
章分けしています。
最初はエヴァン。次はライアン。
最後はライアンの子の章です。
エヴァンとライアンの章はそれぞれ纏めて公開。
ライアンの子の章は1日1話を公開します。
暇つぶしにどうぞ。
* 作り話です。
* 完結しています。
* エヴァンの話は別ルートです。
* ライアンの話は転生ルートです。
* 最後はライアンの子の話しです。
王女殿下に婚約破棄された、捨てられ悪役令息を拾ったら溺愛されまして。
Rohdea
恋愛
伯爵令嬢のフルールは、最近婚約者との仲に悩んでいた。
そんなある日、この国の王女シルヴェーヌの誕生日パーティーが行われることに。
「リシャール! もう、我慢出来ませんわ! あなたとは本日限りで婚約破棄よ!」
突然、主役であるはずの王女殿下が、自分の婚約者に向かって声を張り上げて婚約破棄を突き付けた。
フルールはその光景を人混みの中で他人事のように聞いていたが、
興味本位でよくよく見てみると、
婚約破棄を叫ぶ王女殿下の傍らに寄り添っている男性が
まさかの自分の婚約者だと気付く。
(───え? 王女殿下と浮気していたの!?)
一方、王女殿下に“悪役令息”呼ばわりされた公爵子息のリシャールは、
婚約破棄にだけでなく家からも勘当されて捨てられることに。
婚約者の浮気を知ってショックを受けていたフルールは、
パーティーの帰りに偶然、捨てられ行き場をなくしたリシャールと出会う。
また、真実の愛で結ばれるはずの王女殿下とフルールの婚約者は───
【完結】些細な呪いを夫にかけ続けている妻です
ユユ
ファンタジー
シャルム王国を含むこの世界は魔法の世界。
幼少期あたりに覚醒することがほとんどで、
一属性で少しの魔力を持つ人が大半。
稀に魔力量の大きな人や
複数属性持ちの人が現れる。
私はゼロだった。発現無し。
政略結婚だった夫は私を蔑み
浮気を繰り返す。
だから私は夫に些細な仕返しを
することにした。
* 作り話です
* 少しだけ大人表現あり
* 完結保証付き
* 3万5千字程度
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる