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修学旅行前日 ダミアン皇太子とエリザベス様

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修学旅行前日 アーシェンバード


「ダミアン様!間もなくですね!交流会!」

エリザベスは今日も可愛い。


「そうだね。まさか修学旅行で我が国に来るとはね。」

学校交流会とは何ともジェファーソンらしい。本当に音楽が好きなんだな。

「良い機会だからジェファーソン様達に御相談されてはどうですか?」

エリザベスがちょっと心配そうな顔を見せる。

「でもね。他国の問題を相談するのって気が引けるよね。」



そうなのだ。ボードウェン国でのノネット・クライムのコンサートから少し自分に自信を取り戻した僕。

今まで家族の事も冷静に見る事が出来て居なかった。



顔の良い弟。それを可愛がる両親。距離を置きいじけていたと思い知らされた。

顔を合わせない。関わらない。出来るだけ避けていた。



コンサート後に冷静に家庭を見る事が出来る様になった自分。



じっくり観察。



そうすると弟が現在ちょっと困った状態になっている事が判明してしまった。



「でも、ダミアン様が王位を継いだらヨーゼフ様が外交を行う事になりますよ?ボードウェン国も困るのでは?」

エリザベスが言うのも最もだね。



「父も母も何も言えないで困っているしね。」

溜息が出る。

そんな弟に育てたのは両親なのだけれど。



全く、可愛がり過ぎた罰だよ。と今でも時々卑屈になるが。



母上はそれでも弟が可愛くて仕方がない様に見える。

だが父上は案外、祖父に似ている僕の顔を可愛いとか懐かしいとかそう言う感情を抱いてくれているのが解った。



本当に隣の芝生は青いと言うのは当たっていた。あのケビン君の言った事が胸に刺さったよ。



「ただの反抗期なのか。そう育ってしまったのか。」

「どうなんでしょうね。」

エリザベスと顔を見合わせる。



「しかし、そんな弟の方が未だに人気あるんだよね。」

「国民の大半は何も解っていませんよ!!」

エリザベスはプックリと頬を膨らませる。可愛い。


基本的に皇太子の僕が跡継ぎなのだけれど。今まで外面が悪過ぎたので少々、支持率が低い。

それも大きな悩みの1つ。



何とかしていかないと。

家庭の問題に自分の問題。正直キツい。



でも、エリザベスが居てくれるから何とか頑張っている。



「こら!また男性2人組を見てる!」

「あら、ごめんなさい。やっぱりあの方達はカップルでしょうかねぇ。お似合いでしたわー!」

多分、ただの友達同士だよ。趣味嗜好は相変わらずだけれどね。


ジェファーソンに相談かあ。ちょっとムカつくなあ。

でも、ノネット・クライムが集まると何とかしてくれそうな気がする。

どうするか考えよう。
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