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レコード販売計画

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翌日、大司教さんから職員室に電話がかかってきて王子が対応したらしい。その後放課後に集まって話し合い。

案外レコード制作が安くて聞いてびっくりした。



「と言う事は30ボードウェンドルで販売したら15ボードウェンドルの儲けか。」

「店側に5ボードウェンドルは払うべきじゃないか?」

じゃ10ボードウェンドル(1枚1000円)の儲けね。



「この前のコンサートの収容人数を考えたら300枚は直ぐに売れそうだよね。」

前世の芸能界を思うと非常に少なく感じるがまだアマチュアに毛が生えた程度の私達はその位からが調度良いのかもしれない。



「ねえ!予約を取ってみたらどうかな?店に予約用紙を印刷して置いて貰って予約枚数からどれくらい作るか考えたら?」



「キャサリン!凄く良い案だね!うんうん。」

王子が嬉しそうにキャサリンを見詰める。



確かに予約の倍作るとして予約分しか売れなくても利益ゼロでもマイナスにはならないな。



「予約特典でジャケットを変えましょう!」

会長がニヤっと笑った。



「えっ?どういう事?」

この世界ではまだ予約特典とかの概念がまだ無い。皆、不思議そうに会長を見た。



「予約レコードのジャケットは全員で撮影した写真を載せる!予約では無いレコードには普通に曲名とかの文字だけとか?」

そう言えばレコードジャケットに写真も使われて無い。そんな時代に写真かー!画期的!



「集合写真?!あー!そりゃ欲しい人いっぱいいるよ!」

カインが会長の発想にびっくりしたように頷いた。

「えー?写真?恥ずかしいなあ。でも、売れるよねー?」

クライスは写真苦手だけど売れるならと言う反応だ。



そんな中で王子が感動した様に会長の手を取った。

「凄い!その発想は全然思いつかなかった!」

是非やりましょう!写真撮影のジャケットで予約をバーンと取ってしまいましょう!と何時になくテンションが高い。



「あー。後さあ新聞に広告載せない?予約取りますって。後はポスターとか作ろうよ。」

私の意見も即採用された。

「ルナリーも冴えてますねー!新聞は皆、読みますからね。」

やはりレコード販売したかったんだなあ。王子のハイテンションぷりが何時になく凄い。



「ポスターって画家に頼みます?」

そう言えばコンサートのポスターに不満があったんだった。

在り来り。



「ルイス。描けるよな?」

ルイスにこっそり耳打ちする。

「この前、話たなあ。昔、壁に描いた様なやつだろ?」

そうそう。悪さしてたやつ。

ルイスはうーん?と眉間に皺を寄せて多分描けるかな?と言った。



「王子、ポスターちょっと待って。ルイスが何か思い付くかも。」

そう言って取り敢えず保留にしてもらう。



王子達には予約表を考えて貰い私とルイスは白紙のノートにペンを走らせる。

「デザインとかは何となく行けそうなんだよなあ。」

夜叉親衛隊のお仕事?の1つに壁に夜叉参上!!とか族のマーク描いたりしていたルイスは案外センスがある。



おお!ノネット・クライムのロゴからしてカッコいい!

「流石だね。」

そう言うとルイスがちょっと照れた様に微笑む。

「色塗りたいなあ。」

「美術の授業無いから何も塗るものないね。」

絵の具か色鉛筆かクレヨンか。

まあ取り敢えず下描きだけでもとサラサラとルイスが書き込む。



ここを9色にするだろー。後は日付け?レコードのタイトル?

とルイスが聞く。



「ちょっと見てくれー!」

予約表にも書き込みしないといけないだろうし。



「おお!この前の芸術家のよりインパクト大!!」

会長が関心した様に下描きを見て凄いなあと言った。

どれどれ?僕も見せて下さいと王子も寄ってくる。

「ルイス?本当にルイス?」



「なんだよ。俺もこれくらい描けるって。」

王子のびっくりした反応が見ていて笑える。それくらい現代的と言うか前世的と言うかお洒落でロックな感じのポスターの下描きだった。

「後はレコードのタイトルと日にちな。」



予約表の方もそこでストップしていた様だ。



発注は予約後。その間にレコーディングとジャケット撮影して。



予約期間は2週間、発売は3月1日に決まった。

レコードタイトルは『絆』





翌日から予定が決まると王子の行動力に火がつく。

予約表の印刷手配に予約表を置いてもらう店の交渉など手際よく役割分担。

新聞社への広告等も決まっていく。



そして広告も掲載され予約が開始された。
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