165 / 369
お手伝い
しおりを挟む
「練習もしたいけどちょっと昨日の民家へ行きませんか?」
台風の被害が心配だったので周辺を見て回ろうと言う話になった。
首里城を出るとまだ少しばかり強い風は時折吹いた。
空はすっかり晴れている。
泥濘に気をつけながらゆっくり歩いて行った。
思ったより被害が少ない気がする。歩いていて思った事の1つだ。
「そうか石垣で囲ってあるんだね。」
カインが徐に壁を触っている。屋根も良く見ると首都や京都で見た瓦とは違った。
赤いだけじゃないんだ。
「漆喰で繋いであるのよ。だから飛びにくいの。後はこの石垣や防風林。」
キャサリンが護衛の人に聞いたと説明してくれた。
凄い知恵だな。
「後は飛びそうな物は全部屋内にしまうんだって。」
昨日、三線で一緒に踊った民家の様子を伺うと庭の掃除をしている様だった。
「昨日はありがとうございました。大丈夫でしたか?」
そう確認すると久々に酷い台風だったですね。と少しお疲れ気味だった。
やはりこの辺りはまだ、ましな方で海の近くは大変らしい。
庭の掃除を手伝ったり補強してある木の板を剥がしながら話を色々聞いた。
もう少し時代が進んでコンクリート住宅になったら被害も違ってくるんだろうなあ。
民家の方はとても恐縮して手伝ってくれたお礼を述べてくれていたが昨日の持て成しに比べたらお易い御用だった。
もう1件の民謡を教えて貰った家も訪れて少しお掃除のお手伝いをして昨日のお礼を言ってもう少し遠出してみる事にした。
「やはり倒木とかありますね。」
暴風雨だったからなあ。住民達は協力して撤去に当たっているので此処もお手伝い。
「他国の事に口出す事じゃないけどもっと災害対策とか将軍様とかがした方が良いよなあ。」
私がボソリと呟くとルナリーにしては真面目ですねと王子に突っ込まれた。たまには真面目なんだよと笑いながらも被害を目の当たりにするとね。
前世から日本って結構こういう時の対策が遅い国だったよなあ。と考えてしまう。
琉球の人達はそれでも明るくて気作で。何だか不思議と癒される人達だ。
手伝ってくれたお礼にと食事までご馳走になってしまった。
キャサリンは宮廷料理ではなく普通の料理を食べたがっていたので笑顔が止まらない。
これは!チャンプルーってやつだ!
「いただきます!」
美味しいです。皆も笑顔になる。箸の使い方も全員上手くなった。
おやつにサーターアンダギーまで出てきた。
キャサリンがホクホクの笑顔で本当に幸せそうだ。
『まーさいびーん!!(美味しい)・・・』
ポロリと琉球言葉を出してしまい御家族の方とちょいちょい話していたがさっき護衛の人に会長も習っていたし何か誤魔化せていた。
美味しいご飯をご馳走してくれた家族にお礼を言って首里城へ戻る。
「さっきルナリーが言ってたけど。」
王子が決意したように話しだした。
「ボードウェン国は災害支援とかでプラゲ国と同盟結ぶ様に王様に話して見ようかなあ。輸出入も勿論するけど。」
「ジェファーソンに賛成!」
会長が手を挙げる。勿論、私も!
ボードウェン国って下水道とかの建設がプラゲ国より進んでいる。
「支援とかよりも技術提供も良いかもね。」
カインもそういう事を言いたいんだろう。今後も末永く仲良くして行きたいもんだ。
しかし、この異世界は平和そのものなのだが。本当に戦争とか起きないと良いな。プラゲ国に来て考えさせられる事が多い。
首里城へ戻ると夜に花火大会が開かれると言われた。
夏の風物詩!
ボードウェン国では見られなかった花火が見られるとはラッキーだ。花火を知らない皆は解らないけど何か楽しそうだとウキウキしている。
花火と言えば浴衣だ。
まだプラゲ国に来て此方の着物とか着てなかったが夏目さんに頼んで見ることにした。無理を言って申し訳ないが快く用意してくれた。
台風の被害が心配だったので周辺を見て回ろうと言う話になった。
首里城を出るとまだ少しばかり強い風は時折吹いた。
空はすっかり晴れている。
泥濘に気をつけながらゆっくり歩いて行った。
思ったより被害が少ない気がする。歩いていて思った事の1つだ。
「そうか石垣で囲ってあるんだね。」
カインが徐に壁を触っている。屋根も良く見ると首都や京都で見た瓦とは違った。
赤いだけじゃないんだ。
「漆喰で繋いであるのよ。だから飛びにくいの。後はこの石垣や防風林。」
キャサリンが護衛の人に聞いたと説明してくれた。
凄い知恵だな。
「後は飛びそうな物は全部屋内にしまうんだって。」
昨日、三線で一緒に踊った民家の様子を伺うと庭の掃除をしている様だった。
「昨日はありがとうございました。大丈夫でしたか?」
そう確認すると久々に酷い台風だったですね。と少しお疲れ気味だった。
やはりこの辺りはまだ、ましな方で海の近くは大変らしい。
庭の掃除を手伝ったり補強してある木の板を剥がしながら話を色々聞いた。
もう少し時代が進んでコンクリート住宅になったら被害も違ってくるんだろうなあ。
民家の方はとても恐縮して手伝ってくれたお礼を述べてくれていたが昨日の持て成しに比べたらお易い御用だった。
もう1件の民謡を教えて貰った家も訪れて少しお掃除のお手伝いをして昨日のお礼を言ってもう少し遠出してみる事にした。
「やはり倒木とかありますね。」
暴風雨だったからなあ。住民達は協力して撤去に当たっているので此処もお手伝い。
「他国の事に口出す事じゃないけどもっと災害対策とか将軍様とかがした方が良いよなあ。」
私がボソリと呟くとルナリーにしては真面目ですねと王子に突っ込まれた。たまには真面目なんだよと笑いながらも被害を目の当たりにするとね。
前世から日本って結構こういう時の対策が遅い国だったよなあ。と考えてしまう。
琉球の人達はそれでも明るくて気作で。何だか不思議と癒される人達だ。
手伝ってくれたお礼にと食事までご馳走になってしまった。
キャサリンは宮廷料理ではなく普通の料理を食べたがっていたので笑顔が止まらない。
これは!チャンプルーってやつだ!
「いただきます!」
美味しいです。皆も笑顔になる。箸の使い方も全員上手くなった。
おやつにサーターアンダギーまで出てきた。
キャサリンがホクホクの笑顔で本当に幸せそうだ。
『まーさいびーん!!(美味しい)・・・』
ポロリと琉球言葉を出してしまい御家族の方とちょいちょい話していたがさっき護衛の人に会長も習っていたし何か誤魔化せていた。
美味しいご飯をご馳走してくれた家族にお礼を言って首里城へ戻る。
「さっきルナリーが言ってたけど。」
王子が決意したように話しだした。
「ボードウェン国は災害支援とかでプラゲ国と同盟結ぶ様に王様に話して見ようかなあ。輸出入も勿論するけど。」
「ジェファーソンに賛成!」
会長が手を挙げる。勿論、私も!
ボードウェン国って下水道とかの建設がプラゲ国より進んでいる。
「支援とかよりも技術提供も良いかもね。」
カインもそういう事を言いたいんだろう。今後も末永く仲良くして行きたいもんだ。
しかし、この異世界は平和そのものなのだが。本当に戦争とか起きないと良いな。プラゲ国に来て考えさせられる事が多い。
首里城へ戻ると夜に花火大会が開かれると言われた。
夏の風物詩!
ボードウェン国では見られなかった花火が見られるとはラッキーだ。花火を知らない皆は解らないけど何か楽しそうだとウキウキしている。
花火と言えば浴衣だ。
まだプラゲ国に来て此方の着物とか着てなかったが夏目さんに頼んで見ることにした。無理を言って申し訳ないが快く用意してくれた。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる