上 下
158 / 369

琉球へ

しおりを挟む
「何かあっという間だったね。」

「もうラストの琉球ですか。」

SLも大阪へ着き駅構内へ向かう。

「結構、大荷物になりましたね。楽器。」

「私設兵の皆様、すみません。」

特に亊と小太鼓が大きくて申し訳ない感じだ。

駅構内には夏目さんが待っていてくれた。此方に気づいて手を振ってくれている。


『夏目様!お久しぶりです!』

『皆さんお久しぶりです。京は如何でした?』

と聞かれたので飛行場へ向かうバスの中で観世さんの話や御所での怖い出来事を話して聞かせた。

『お公家さんの扱いは難しいですからねえ。ご無事で良かったですよ。』

としみじみと仰った。


そしてこれから向かう琉球の話を聞いた。日本の歴史とは少し異なるが大まかな流れは同じで琉球国は薩摩藩の進行等を経てプラゲ国と統合したそうだ。

元々、琉球は海外貿易を行っていたそうで今でも独自ルートを持っているらしい。住民は琉球の方言と英語を話すそうだ。そこら辺は違うなあ。


飛行場に着いて飛行船へ向かう時に会長とルイスと歩いて居るとちょっと話しながら行きたいとキャサリンに呼び止められた。

「どうした?」

「琉球。私、着いたら泣くかも。」

キャサリンがポツリと言った。

「何か思い出があるの?」

キャサリンは小さく頷く。沖縄に生まれ中学校2年生まで楽しく生活していた。しかし、突然親の都合で東京に転校。転校先でイジメに会いその後は引き篭った前世。

「沖縄にずっと帰りたかったんだ。」


「そうだったのか。こっちに来て思い出したの?」

「うん。昨晩に夢でね。」

今まで解らなかった名前やイジメの原因や死因が解ったんだよね。そう言って俯いた。辛そうだな。もう既に泣きそうな顔してるし。

「前世が辛かった分、今世が楽しい。」

会長が笑いながら言った。

「私はブラック企業に勤めて過労死だよ?」

サラっと言える会長の発言が凄い。


「今はイジメられてないし素敵な王子も居るし!」

「幸せになる為に生まれ変わったんだろ?」

キャサリンはうん!と大きく頷いて笑った。


「通訳いらないなあ。」

「ダメでしょ!バレるって!」

じゃあ!沖縄の歌を沢山歌っていきたい!!

会長が是が非にでもと!言った。

「会長、好きなんですか?」

「もう、めちゃくちゃ好き!今までノネット・クライムで歌いたくて仕方なかったのをずっと我慢してきたんだよ!」

独特な歌い方がバレるのを敬遠してたそうだ。

「特にねルナリーに歌って欲しい歌があるのよ。」

琉球で歌を学ぶ!そして前世で好きだった歌を歌う。

楽しみになってきた。


飛行船に乗り込むとカインがスタンバイして居た。

「姐さん、ルイス。こんなに頻繁に飛行船に乗ると僕、死にそう。」

私達は逆に笑えて仕方ないんだよ。

「だから狡いって!カインだけってさあ!」

クライスが面白くなさそうにむっつりしていた。


『レイノースさんとバートリーさんは何故揉めてるんですか?』

夏目さんが不思議そうに見ている。

王子と大司教さんが上手く説明して納得してくれた。

『そうですか。面白そうですねえ。』

ボードウェン国に来た時にそう言えば少しブラック発言してたもんなあ。


飛行船が飛び立つ。カインが叫ぶ。

夏目さんは嬉しそうに

『レイノースさん。恥ずかしくないのですか?』

睨んだりはしていない。見下した様な目付き。

『大の男が飛行船を怖がる何てお子様です。』

夏目さんは通常時のカインに似ているな。

「でーもーこーわーいーー!!!」

ぷッダメでした。面白すぎる。夏目さん笑いながら喜んでいる。


「やっぱり姐さん助けて!」

仕方ないのでルイスと頑張った。


琉球へは2時間くらい。落ち着いたカインはぐったりしている。


そもそも九州と繋がっているのかなあ。

光国さんに見せて貰った地図はそうだった。


『夏目さん。琉球って。陸続き何ですか?』

変な事聞くなあと思われそうだけど。

『あー。それ僕も気になって居たんですよ。薩摩藩の隣が琉球何ですか?』

ルイスも上手く話に乗ってくれた。


『えーとですね。陸続きです。正確には干潮時に陸続きになります。』

と言うと?満潮時は1部海に沈んで島国状態になりますね。と言っていた。益々、解らんぞ。

『じゃあ、人が住めない地域があると言う事ですか?』

キャサリンも凄く気になる様だ。


『そうですね。満潮時に沈みますからね。』

多分、日本の沖縄部分が沈まない地域なのかなあ。


今、干潮時ですよ!外を見てみると空の上からだから凄く細い道に見えるが繋がってる!!

不思議ー!


そして琉球が見えてきた。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから

gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

処理中です...