ヤンキー乙女ゲームの主人公になる！虐め？上等！夜露死苦！

予選

国立音楽コンクール声楽部門。


国内の声楽家達の最大級のコンクールの1つだ。


ソプラノ予選参加人数61人。

予選通過は20人だ。


全パートの参加者を入れると200人を超える。


60人を聞く審査員も大変だ。私は52番。申請遅かったからなあ。

緊張がずっと続くのでさっさと済ませたいんだが。


予選は参加者とピアニストしか会場に入れない。


お陰様で沢山練習したので予選だけは行けると思っていたが流石、国のトップクラス達。

上手い！！

甲乙付け難い。


しかし4時間も待つのは長い。ナタリーさんも待ってるだけでお疲れの様で申し訳ない。ほとんど会話も出来ないし。

やーっと声出しの控え室に通された。


「あー。喉締まりまくり。」

身体をガッツリストレッチし発声。

飛んで跳ねて。

休み過ぎて寝た身体を起こす様に動く。

順番が不利だとスミスさんが言ってたが本当だったなあ。

「大丈夫よ。声出てるわ。」

ナタリーさんに励まされ気合いが入る。

必ず勝つ！


舞台に案内された。


「52番。ルナリー・ウェールズです。宜しく御願い致します。」

審査員も疲れ気味だ。でもすっきり目覚めさせてやるぜー！


トゥーランドットのアリア。氷のような心の美しい姫。


高らかにそして力強い声で。


4時間待ちの鬱憤を晴らすかのように歌い上げた。


61人の審査が終わり結果が発表された。


「、、、40番、52番」


ナタリーさんと握手を交わした。


「予選通過！！よっしゃ！」


本選は明日だ。

「おめでとう！明日勝つわよ！」

ナタリーさんの目にも闘志が見える。


予選会場を出ると皆とスミスさんが待っていてくれた。


「通ったー！！」

ガッツポーズをすると皆がわっ！！と寄ってきて抱きついた。

「やっぱ通ったかー！」

ルイスが頭をぐちゃぐちゃに撫でて来た。

「明日は皆で応援ですね！」

「姐さん！頑張って！！」


必ず金賞取る！！益々気合いが入る。

「スミスさん！」

予選通過はスミスさんのお力のお陰です。頭を深く下げた。


「良くやった！」

スミスさんはニヤリと微笑まれおめでとうと言ってくれた。


明日、本選。