上 下
30 / 369

ルナリーを捜せ!②

しおりを挟む
「居たか?!」

「2年フロアーは居なかった」

「3年フロアーも居ない」

ルイスとクライスとジョージは合流していた。

後は1年フロアーと他の階か。時間足りるか。焦りが出てくる。


「ルイスー!クライス!ジョージ!居ませんかー?」

キャサリンの声が聞こえた。

「下だ。合流しよう!」

皆は階段を駆け下りる。

はぁ、はぁ、はぁ。

「あっ。3人共!」

キャサリンも王子も走って来たのだろう。息が荒い。

「校内だと思います。」

王子は先程のキャサリンとの話を2人に聞かせる。


「それ正解です!!」

ホールからカインとエミリアがやって来た。

2人も肩で息をしている。ふぅーと深呼吸している。

「ガードナーが、、はぁはぁ。、吐きましたよ」

カインはニヤっと笑う。

「場所は不明。犯人はガードナー家の警護人、校内の何処か」

簡潔に説明してくれた。


「警護人か。クソ!。人気のねぇ階か。上だな。」

「上ですね。今日は多分誰も行きません」

よし!!全員で捜す!


「ジョージは無理しないでゆっくり着いて来てねー!」

キャサリンが叫びながら駆け上がる。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「あー。疲れた。縄は解けねーし。」

しかし、何置いてんだろーな。こんだけ蹴ってビクともしないとは。後1時間切ってる気がする。

急がねーと!

ふぅ。ルナリーは勢いを付けてドアに飛び蹴りを食らわせる。


ドン!!!動かねー!


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「待て!何か音がした」

誰も居ない5階。耳を澄ます。


タン


「こっちだ!!」

「ルナリー!!!」

5階奥。普段も滅多に訪れない。


ガラッ!!ドアを勢いよく開ける。


物理教室。ドアを開けた瞬間解りやすいくらい教室奥の扉前に6人掛けの机が置いてある。2段重ねてきっちりドアを塞いでいた。


「ルナリー!」

「あー!此処だ!此処!!」


男性5人がかりでも重い。

「待ってろよー!」


「気をつけて!ジョージのとこ支えるわ」

キャサリンも必死で抱える。


「あとひとーつ!」

皆で抱える。上から下ろすよりは楽だ。


バン!蹴りと共にドアが開いた。

「ごめんー」

両手を縛られたルナリーがヘロヘロと出てきた。

急いで縄を解いてやる。赤くなって痛々しい。

「ルナリー!」

「良かった無事で」


「ごめん。本当にごめん」

謝るルナリーを皆が抱き締める。

「ごめんね。時間がかかって」「本当にすみません」

「頼む謝るな。私が悪いのに」

ルイスは安堵と共にぎゅっときつく抱き締めて来た

「バカ!何、捕まってんだよ」

「ごめん。ありがとう」

凄く心地いい。


「時間!」

後15分だ!

「走るぞ!!」

見つかった喜びも束の間。集合時間が迫っていた。


「今日、歌えるのかな」

「もう疲労しかない」

本当に皆に申し訳ない。どうにかして恩返しをせねば。

「ごめんな。ごめんな。私、頑張るから!」

バタバタ走りながら謝る


5分前。大ホール到着

「エントリー者はこちらです」

教員に案内される。

「間に合ったぁ」


ガードナー令嬢が面白くなさそうな顔をしているのが見えたが今は放置!

歌う順番はクジ引きであった。

「王子頼む。王子なら誰も文句言わない」

私は王子の肩をポンと叩く。王子はプレッシャーを感じている様な顔をしてクジを引く。

「5番!ラスト!」

王子が此方を笑顔で振り返った。

良かった少し休める。


控え室に通され取り敢えず腰掛ける。

「これだけ走ったらウォーミングアップは完璧よね」

キャサリンが笑う。その笑顔に救われる気がした。此奴本当に優しいよな。

発声と楽器の音出し。確かに身体が温まりまくっているので声は良く出てる。後は疲労だな。最後まで持てよ身体。


波乱のコンクール開幕!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています

平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。 生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。 絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。 しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。 貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。 そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい? あんまり内容覚えてないけど… 悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった! さぁ、お嬢様。 私のゴットハンドを堪能してくださいませ? ******************** 初投稿です。 転生侍女シリーズ第一弾。 短編全4話で、投稿予約済みです。

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

処理中です...