ヤンキー乙女ゲームの主人公になる！虐め？上等！夜露死苦！

ルイス・マッケンジー

財閥の御曹司の次男として産まれた。

何不自由なく育ち。小さい頃から音楽を嗜み。ヴァイオリンを極めつつある。

友人も同じ様な財閥の息子や医者の息子に王子。

幸せ過ぎる環境。



でも、何か心にポッカリと穴が空いている。


婚約者が出来た。見た目はソコソコ。社長令嬢。

気が合わない訳ではない。


でも、何か違う。


大変申し訳ないが婚約破棄をさせてもらった。

何故だろうな。解らない。女に興味が湧かない。


でも、ゲイでは無い。


14歳になった。いい加減に婚約者を決めろと親が煩い。


「俺は心に決めた人が居るんです！」


何故だろう。そう叫ぶ自分が居た。


親はそのうち紹介しなさいと言って一先ず引いてくれた。


アリア音楽学院に入学。

入学祝いにモーターサイクルを買って貰った。

前から何故かそそられて仕方なくて欲しくて堪らなかった。


エンジンをかける。ブロロロっと言う重低音と振動。


これだ！これだ！俺の求めて来た走り！


脳裏を白い特攻服を纏った女が過ぎる

俺のこの世で1番愛する人


全然それ以上思い出せないけど今はモーターサイクルが俺の命！




夏休み前にレッスンルームで練習をしていると視線を感じた。

女か！？財閥の金持ちで婚約者無し。良い鴨の様な俺には鬱陶しいくらい女が寄ってくる。

興味が湧かない。


何時もの様にガン飛ばしてやった。普通の女はそれで二度と近付かない。

ガン飛ばし返して来やがった。根性あるじゃねえか。


何だかんだと言いくるめられて文化祭コンクールにも出場する事になるし。めんどくせえ。


ルナリーとか言う庶民は何故か心をザワつかせる。

言葉使いは俺と似てるし。ガン飛ばして来るし。


モーターサイクルに興奮して乗せろと言いやがる。

嫌だったが妥協して後ろに乗せる。振り落としてやりたくなったが。まあ、ビビるだろ。そう思っていたのに。。。


乗りなれてる。そう思った。

まさかな？うん。聞くに聞けない。


此奴、歌は本当に上手い。聞き惚れる声をしている。

何だろうな。歌声と口調のギャップ。


心の中ではルナリーは前世、元ヤンは確定だ。

そんな事は聞けないが。。

良い女だな。時々ふとそう思う。

いやいや、俺には心に決めた女がいるんだ。もう二度と会えないけれど。。。一生独身を貫こうかと思っている。


ルナリーはジョージ捜索まで着いて来ると言いやがる。護れるか？何とかしねぇと。困った奴だと思っていた。



そして。。




今、彼女は確かに言った。

「紅夜叉特攻隊長」

だと。


脳裏に白い特攻服を纏った彼女が微笑んだ。


また会えたね！と。