ヤンキー乙女ゲームの主人公になる！虐め？上等！夜露死苦！

ジョージ！？

練習も進みなかなか纏まりが出てきた夏休みも終盤。

今日はジョージが来ていない。

誰も連絡は受けていないが体調不良かなー？と言う意見で練習を開始した。


丁度、お昼頃だった。

レッスンルームにバタバタと2人の男性が入って来た。

「失礼します。私、アンダーソン家の秘書でございます。」

男性は一礼した。

「ジョージ様は、、やはりいらっしゃいませんか？」

男性は私達を見渡し苦渋の表情を浮かべる


「ジョージに何かあったんですか！？」

ルイスが秘書に詰め寄る。


「いえ、その、、」

秘書は必死で誤魔化そうとしている。


「話してくれ！何があったんだ」

王子にも詰め寄られ秘書は唇をグッと噛み締めた。


「これを。」

秘書は手紙を王子に差し出す。

「今朝、ジョージ様を校門前までお送りしたのですが・・。」

秘書は項垂れる


手紙には

ジョージ・アンダーソンは預かった

返して欲しければ、、、


「誘拐！？？？」

私達は叫ぶ


「はい。警察には知らせるなと」

「犯人の目星は付いてんのか？」

私は秘書に聞く

身代金額は結構なお値段だ。日本円にしたら3000万くらいかな。

受け渡し場所は埠頭の倉庫


「恨みを買う覚えはございませんが。1つ心当たりは・・。」

秘書は不確定なのでごにょごにょと言っている


「誰だ？！」

ルイスが秘書の肩を掴む。ジョージとルイスは幼少期から仲が良いらしい。

「クライブ病院・・・・。」


「クライブ病院！？」

アンダーソン病院と並んで街でもかなり大きな病院だ。


「クライブ病院は最近、経営難でして。アンダーソン病院に患者を取られた等と難癖を付けて来ておりました。最近もうちの病院の医師が車に引かれそうになる事故がありまして」

「クライブ病院の仕業なのか？！」


「ハッキリと断言出来ませんが車種がクライブ家のご長男の物かと」

車も少ないこの街に稀に見る高級車だったそうだ。


「警察には知らせるんですか？」

「出来ません！ジョージ様に何かあったら」

秘書は涙目だった。


「クライブ病院。クライブ病院。。俺が行こう」

「ルイス？何か思い当たる所があるの？！」


「ああ。多分な」

「私も行く！」

助けなければ！


「はあ？女を連れて行けるか！」

ルイスは一喝する

「舐めんな。喧嘩上等だ」

ルイスを睨みつける。


「まあまあ、行っても良いけど制服じゃダメだよ」

王子が宥めて来る。

「ルイスは言っても聞かないからね。ルナリーさんもそうみたいだし」

王家管轄のこの学院の制服で問題行動は起こして欲しくないそうだ。

「キャサリン、衣装探してきて」

何かを察した様にキャサリンがレッスンルームを出ていく


「警察がダメなら僕も私設兵を動かしますよ。勿論、私服でね」

王子が腹黒そうな笑みを浮かべた。

「じゃうちの警護人も何人か捜索に出そう」

とクライスが。

「揉み消して欲しい事態になればうちをご利用下さい」

とカインが言った。


権力者達すげぇな。


「お待たせしました！これに着替えて下さい！」

「あとこれも！顔がバレない様に！！」

キャサリンから渡された服は

フィガロの結婚より。フィガロと庭師の衣装だった。ついでに仮面舞踏会の仮面。


「これ着るのかよ！？！！」

ルイスと、私は思わずハモった。