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3-4.文系少女、おねしょ対策される

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 体を揺すられる感覚がする。目を開くとお母さんが私の体を揺すっていた。

「あれ、お母さんお帰り」
「ただいま由香。気分はどうなの?」

 あれからは良くも悪くもなっていない。でも、あまり動きたくはない感じはする。

「良さそうだったら体を拭いて着替えさせようと思っているのだけど」
「うん」

 額に手が当てられる。冷たくて気持ちいい。

「まだ熱があるわね……動けそうなら起きれる?」

 お母さんに支えられてベッドから起き上がる。お母さんは私の着ている服を脱がして、ブラジャーを外して、パンツを見た。

「また汚しちゃってるの?」

 え? おねしょ? 流石にそこまでは失敗していないはず。そう思いながら母親の指差す方を見ると、おちびりで少し黄色くなったパンツが目に入る。

「え、あ、それは…」

「別に良いわよ。 …トイレに行く?」
「行きたい…」

 おねしょはしていないとわかったけど、おしっこに行きたい。

 部屋を出るってなると、せっかく脱がしてくれたブラジャーと服をまた着させてくれた。

 リビングには既にお父さんの姿がない。

「お父さんは?」
「休みを取った筈なのに急な仕事が入っちゃってね…ほらトイレの前で待ってるから行ってきなさい」

 ここまで良くしてくれるけど、やっぱり両親は仕事人間で、すぐに外に出ていくんだ…


「出たの?」
「うん」

 またお母さんに支えられて部屋に戻って服を脱がされた。


「由香、ちゃんと拭いたの?」
「え?」
「また濡れてるわよ」
「や、やだぁ」

 お母さんの目の前で、しかもパンツ自体を見られているのに残尿は相変わらず出てしまった。

「今日はよく失敗する日ね…」

「このままじゃおねしょもしちゃうんじゃないの?」
「……」

 からかう顔。でも私は何も返せなかった。

「でも安心しなさい」
「?」

 ブラジャーと上のパジャマだけを着せられてお母さんが部屋の隅に離れていく。下半身を守るものが何も無い…
 向かった先にあったのは、何か大きな黒い袋と、青いシートみたいなもの。
 お母さんは青いシートを手に持つと、ベッドの薄い掛け布団をどけて、丁度私の下半身位の場所に引いた。

「何それ?」
「防水シートよ」
「防水シート?」

 何それ。

「ほらこれ」

 渡された袋にはおねしょシートとの文字が書かれていた。文字と実物を見て思い出す。確か病院に入院した甥っ子のベッドにも同じような物が引かれていた気がする。あんな小さな子と私の扱いが同じなの?

「おねしょシート? お母さん、流石におねしょはしないよ」
「保険よ、保険。今日の由香はあまり我慢が出来なさそうだから、ひょっとしたらやっちゃうかもしれないじゃない。ほら横になって」
「え? でも」

 まだ下は何も履いていない。でもお母さんに勧められて横になった。

「これをやるのも久しぶりね」

 と言いだしてお母さんが黒い袋から持ってきたのは、高学年対応と書かれたおむつだった。しかも老人に使われるような履くだけの形ではなく、赤ちゃんのCMでよく見るテープで止める形をしている。

「ほら、足を開いてお尻を上げて」
「ちょ、ちょっと待ってお母さん。流石におむつはやりすぎだって」


「でも由香、病院でおもらししたじゃない」
「……」
「それに、これ」

 さっきまで履いていた綿のパンツ。白いから余計に黄色く染まった場所が目立ち、さっき濡らした場所が黒く染みてる。

「ベッドを汚さないって保証出来るの?」
「そ、それは…」
「良いから履きなさい。使わなければただのパンツと変わらないわよ」

 反論材料は何も無かった。私は言われるがまま下半身を上げると、下におむつが引かれた。

 「もう良いわよ」

 下半身を下ろす。紙が少しゴワゴワする感覚がする。

「ちょっと足を開くわよ」
「え?」

 足がお母さんに開かれるのを力を入れて阻止する。

「どうしたんの?」
「は、恥ずかしい!」
「あのね、お母さんがどれだけ見てきたと思うのよ」

「あ、ちょっと!」

 油断した隙に足が開かれ、いわゆるM字にさせられた。開かれた女性器がお母さんに見られる。

 でも見慣れていたのは事実みたいで、開かれた女性器を特に気にすることもなく股の間におむつが通されてテープで固定される。

 パンツとは違った締め付けに、何処か暖かい感じが下半身を包み込んだ。足を閉じようとしているのに、股の間を通っている物が邪魔をして勝手にガニ股になってしまう。

「これでいいわね」
「パジャマは着せてくれないの?」
「これって夜用だから分厚くて着れないわよ」

 じゃあこのままってこと? ガニ股でおむつを丸出しにして、下には出たおしっこが染みないように青色のおねしょシートを引かれて? もうおねしょすることが確実かのような姿で?

「…流石にあれだから掛け布団は掛けようね」

 掛け布団で何とか、おむつとおねしょシートは隠れた。

「ちなみにこれってトイレに行きたくなったらどうするの?」
「その時は呼んで頂戴。何とか明日まで休みが取れそうだから、夜は居れるはずよ」

 私が不安そうな顔をしていると、お母さんは明るい声で返してくる。

「そんな心配そうな顔をしなくていいわよ。これは保険で、使わなければ使わないで良いのだから」

 お母さんは氷枕を持ってくるからちょっと待ってて、といって部屋を後にする。

 掛け布団を上げて下半身を見た。普段履いてるパンツとは比べ物にならない程分厚くて、モコモコしている。股の間はものすごく分厚くなっていて、そこに向かって黄色い線が伸びているのが見えた。

 扉が開く音。慌てて布団を元に戻したけど、お母さんには見られていたみたいだ。手には氷枕を持っている。

「心配?」
「うん…だってこれから、おっ…おねしょするみたいな格好、こんなの赤ちゃんとかみたい。もう卒業したのに…」
「濡れる心配をしないためのものなのよ。何度も言うけど、使わなければ良いのだから」

 頭にひんやりとした感覚が広がる。あれ、意外と気持ちいい。頭はひんやりとするし、下半身は何だか完璧に守られている気がする。




「あ、そう言えば咲が見舞いに来るって言ってたんだった…」

 お母さんの顔が青くなる。

「え? そういうのは早めに言いなさいよ!」
「どうしたのお母さん」

「あなたその格好で会おうとしているの!?」

 ベッドに目立つ青色のおねしょシーツが引かれて、下半身はおむつ丸出しで足を閉じることも出来ない。とても人に見せられる姿ではなかった。

「えっと…」
「会うって言った以上、顔を合わせないのは不自然だし、寝たままだと布団がズレた時に見えちゃうじゃない」

 お母さんは暫くなにか考えているようだった。

「咲ちゃんが来たら起こすから」
「うん」
「それまでは休んでなさい」
「でも、もう流石に眠くないんだけど…」
「しょうが無いわね…」

 ベッドの横に座ると、お母さんは私の胸に手をおいて一定感覚で優しく叩き始める。そういえば小さい頃もこうしてもらっていたっけ…

 一定のリズムは私を眠りの世界へと心地良く誘った。
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