死んだら異世界に連れて行かれた件

第1日目

2話目 ここはヴァルキューレ王国

まあ、叫んでいても仕方ない。ここは日本ではないならあの憧れていた“異世界”ということにしよう。よくある王道のパターンはここで凄い力でも会得していてチート無双したりする展開だが･･･特に変わったところもなく、ここにくる前と同じ感じだが･･･くる前と同じ？ならバックの中に､､､あった、携帯あった。期待していないけど開いてみる。案の定圏外。
「役に立たねえ。」
携帯をしまって使えるものがないか漁ってみる。
「教科書くらいしか入れてねえ」
教科書は正直見たくないので捨てる。慈悲なんぞない。残ったものはバックと念のための携帯くらいだ。
「王道だと適当に街の人に話しかけに行くはずだっけ？このパターンで通じてくれればいいけど･･･」
パターンが通じると信じて路地の出口に歩を進める。
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長いな･･･かれこれ10分くらいは歩いた気がするぞ？迷路的な感じか？そうだとしたら昔誰かが言ったとかいう左手を壁につけて歩くか。
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「やっと出れた～もうすでに疲れたけど、」
路地のような迷路？を抜けると、ザ・異世界といわんばかりの風景が広がっていた。
「けも耳が生えた人から屈強な熊みたいな人まで！異世界バンザーイ！」
気分が晴れ、適当な人に話しかけてみる。
「すみません、ここはどこですかね？」
気になっていたことを問うと、その女性は、
「あなた、何を言っているの？ここはヴァルキューレ王国よ。常識でしょう？」
と答えが返ってきた。日本語は通じるんだな。その女の人は、続けてこう言った。
「あなた、どこから来たの？相当常識が無いようだけど、どこか辺境の地から来たの？」
と、顔をのぞき込んでくる。
「私は、日本という世界から来ました。」
と胸を張って言った。