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5:凱歌

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 王城は広い。西の丘陵地隊全体が王城で、兵舎を含めた大小の区画と建物があり、宮殿もいくつかある。
 そのうち、国王一家の住まう宮殿を王宮と呼ぶ。
 わたくしは王宮の奥の応接室に入った。
 そう。
 あの日、婚約破棄を言い渡されたあの部屋だ。

「みなさまお久しぶりです。ご健勝でなにより」

 わたくしはソファに腰を下ろした。背後にはウーゴ師、ジークムンド卿、クリームヒルト卿がさっと控えて立った。

 目の前では、国王夫妻と王太子夫妻が床に両膝をついている。もちろん自主的にそうしているのではなくて、屈強な騎士たちに押さえつけられての姿勢だ。不本意なことは明白で、四人とも顔色が悪い。

 応接室のソファはわたくしが座っているこれひとつだけ。テーブルも運び出させたから、ちょっとした謁見室のようだ。

「貴様、よくも王都まで……っ!」
 勢いよく顔を上げたボニファツ殿下が大声を上げた。

 武装は解除されたからだろうけれど、鎧下に直接、よれたサーコートを身につけた格好は『王子様』らしくない。髪はボサボサだし、髭も浮いている。目の下には大きなクマがあるし、なにより怒りで歪んだ表情がいけない。
 いつもキラキラピカピカしていた『攻略対象者』の面影は見当たらない。

「わたくしは約束を守りましたわ。自分の『領地』からは一歩もでておりませんもの。……この城ももう、エンダベルトですわ」

 きちんと結い上げた髪と耳飾りを少しだけ揺らして、扇を持ち上げる。少しだけ体を捻るとドレスに美しいひだができて、生地の光沢がより生きる。
 貴婦人らしい優美な所作なんて、本当に久しぶり。でも、身に染み込んだものでもある。
 わたくしは微笑みのまま、王太子の隣で鬱陶しく啜り泣いている王太子妃に視線を流した。

 女性騎士に肩をおさえつけられている格好のまま、ゲルダも顔を上げた。

「あらまあ……」

 うっかり口から声が出てしまった。無作法だけれど、抑えきれなかった。
 化粧を落とせないまま何度も泣いたからだろう。ゲルダは顔中ドロドロに汚れていて、その上さらに涙をダラダラ流しているのだ。

 普段着にしては豪奢な刺繍入りのドレスはフォンストルム絹だと一眼でわかる素晴らしい代物。籠城戦の最中にこんなものを着ているなんてどういう神経なのかなと思うけれども、『ヒロイン』はそういうものなのかもしれない。

 だから尚更、顔面の悲惨さに驚いた。

「お姉様、ひどいっ! そんなに、わたしたちが、憎いの?」
 しゃくりあげながらゲルダが言った。
「でっちあげのどうでもいいような罪で北の辺境地へ囚人馬車で送られて、憎まなかったとでも思ってるの? ご丁寧に何度も刺客まで送り込んできておいて。常識で考えて?」

 思わず丁寧に言い聞かせてしまった。

「それは、お姉様がっ……!」
「わたくしが『悪役令嬢』だから、と言いたいわけよね。『ヒロイン』さん。『恋よ! 花よ!』だったかしらね」
「そ……そうよ! わたしが王子様と結婚して幸せになる、それが真実のハッピーエンドよ! あんたはもう終わってるの! なのに、何でこんな酷いことを……っ!」
「ハッピーエンドおめでとうって伝えたでしょう。お前は王太子妃になったじゃない。わたくしを踏みつけにして」
「だってわたしがヒロインだもの! それがこの世界の正義なんだからっ!」

 乙女ゲームだかなんだか知らないけれど、他人を蹴落としてのしあがる可憐なヒロインなんて、ちょっと想像できない。
 だったら正面切って武力と知略で勝負するほうがわたくしの好みだ。

「『クリーグキングダム』。『恋よ! 花よ!』ではないの」
「……は?」
「たしか、開発会社が同じよね。広告を見たことがあるわ」

 だから国の名前や魔法の扱い、世界観が同じなのだ。地続きのゲームとでも言えばいいのか。
 乙女ゲームも戦争ストラテジーゲームもパラメータで遊ぶも。育成対象が恋心か領地かの差があるだけだ。

「ゲルダ、なんの、何の話をしているのだ……? 大丈夫か……?」
 首を捻り、傍に膝をついている妻を見遣って王太子が言った。気遣わしげな声は、間違いなくゲルダを案じている。
 敗北して、敵軍の将の前に引き据えられた有様なのに大したものだ。
 うっかりボニファツ殿下を見直してしまったじゃない。

 けど『ヒロイン』は傍若無人。王太子には返事もせず、毅然とわたくしを睨みつけてきた。

「だったら! あんたのゲームもエンディングってことよねっ?」
 ゲルダは身を捩って叫んだ。
「はやく! 早く終わりなさいよ! じゃなきゃリセットよ! 今度こそあんたを殺してやるっ!」
 叫びながら女性騎士を振り払い、わたくしの足元まで這いよってきた。必死の形相で泣き喚く、髪を振り乱した女だ。
 ……ふつうにこわい。

「たしかにここでエンディングね」
 化け物じみた『ヒロイン』を見、答えてやった。
 ゲルダがほっとしたように笑った。

「おめでとうお姉様っ! さあ! ほら! わたしの王国を返してっ! わたしの幸せな日々を返してよ! あんたにも素敵なお相手を見つけるし、領地だって陛下にお願いするからっ!」
 今度こそ殺すって言ったのはついさっきなのに、もう言うことが変わった。
 自分の都合に現実を合わせようとしてくる、絶対に信用してはいけないタイプの人間だ。

 バカな女。
 恋愛に夢中な自分の価値観が世界の真理と思い込んでいるところがどうしようもなく愚かだ。

 わたくしは最高に優雅に微笑んであげた。 

「チュートリアルが終わったところね」
「え……? ちゅーとり、ある……?」
「ええ、チュートリアル。乙女ゲームの言い方は知らないけれど、ここから始まるの」

 そう。楽しみにしていた通り、王城陥落後に基本情報のパネルに項目が増えた。今後はスパイを使った寝返り工作『調略』や、民を扇動して反乱を起こさせる『宣撫』が使えるようになるし、魔法軸開発のポイントも大きく加算されていた。

「そ……んな……」
「良かった。お前でも、チュートリアルの意味くらいはわかるのね」

 わたくしのドレスの膝に縋りついていたゲルダの目から光が消えた。そのまま床に崩れて倒れる。
 もちろん支えてなどやらない。

 助けようとしたのだろうか。前に出ようとした王太子が床に押さえつけられた。
 わたくしがゲルダを爪先で蹴りやると、すぐに護衛騎士が引き取り引きずって元の位置に戻してくれた。
 この間、国王夫妻は何も言わない。

 王太子の婚約者だった頃から、かなりの数の人々に会ったけれど、国王夫妻ほどNPCという言葉がしっくりする者はいなかった。まるで心がないからっぽの人形のようだ。
 強制力のための『装置』ということなのか、どうなのか。

 ストラテジーゲーム『クリーグキングダム』では余程のネームドキャラでない限り、自動生成で都度作られていた。アイゼン国王も王太子も、同じ顔・同じ能力・同じ名前で二度登場することはない。
 国王は乙女ゲームでは固定の、ネームドの扱いだったのかもしれない。

 わたくしは扇を畳み、ちらりとウーゴ師を見た。
 国王一家の扱いについては、ウーゴ師や将軍たちとも相談してある。

「さて。アイゼン国王フィリップ・ユリアン・アイゼンとその妻マルグレト・シュテファニエ・アイゼン。あなた方には王都アイゼンへの火球攻撃の責任をとっていただかなくてはなりません。無辜の民への直接攻撃は許されることではありません」

 ここで初めて、マルグレト王妃がわたくしを見た。
 ガラス玉みたいな大きな瞳には恐怖しかない。正直、わたくしはほっとした。人形じゃない反応だからね。
 たしか元は侯爵家の令嬢、戦のない時代に生まれて王家に嫁し、国王に従ってきただけの女。
 だが、アイゼン王国王妃の敬称は『陛下』だ。国王に万一のことがあった場合、国王代理を務めることができる、国王と対等の者なのだ。黙っていたからといって責任を逃れることはできない。

「毒杯が妥当。……それがわたくしどもエンダベルトの見解です」
 わたくしの言葉に王妃が息を飲み、縋り付くように夫を見た。もちろんふたりとも押さえつけられている状態だ。
 国王は俯いたままだ。

「とはいえ、お二方はわたくしにとっても親類。王太子の婚約者として何度もお席も共にしてまいりました。毒杯を贈るのはあまりにも……ねぇ」

 目を細めて、笑む。
 乙女ゲームの『悪役令嬢』というのはこういう感じじゃないかしら、と、思い描きつつ、小首を傾げてもみた。

 特に反応はない。
 つまらない。
 ゲルダは放心したままだから、仕方がないか。

「選択肢はふたつ。毒杯をとるか、わたくしを王太女と認めて養子とする、か」

 ボニファツ殿下が思い切り息を飲み、こちらを見た。
 まさか、まだ自分が王太子のままでいられると思っていたわけではないよね? と、訊いてみたくなるような絶望顔だ。

「わたくしの王位継承権は第九位。ボニファツ殿下、アンゼルマ王女殿下、王弟フレーべ公ヴィーラント殿下、そのお子様方、わたくしの伯母でもあるフレーべ公爵夫人サブリナ殿下、そして父、その次です」

 父カールが先に毒を飲んだことを国王一家は知らないから伏せたままなのでこのまま。
 伯母と父は先の王弟殿下の子だ。
 もちろん、成人していない王女殿下と王弟殿下のお子様方を抜けば継承順位はもう少し繰り上がる。

「無駄な死は望みませんが、仕方がないということは……ありますわね」

 国王に伝えた言葉を意訳すれば、養子として認めなければわたくしよりも上位の継承権を持つ者すべてを殺しますよ、となる。

 その場合、わたくしは王位簒奪者となってしまう。幸いにもわたくしは王位に比較的近い位置にいる。今後の外交や国内貴族たちの恭順具合を考えると、国王は殺すより生かしたほうが都合がいいのだ。現時点では、だが。

 意味はちゃんと伝わったようで、国王が震えながら頷いた。
 民には火球を撃ちこめても、自分の肉親には情があるらしい。

「結構」

 言い残し、わたくしは立ち上がった。
 書類仕事は優秀な軍師や文官が片付けてくれる。ここでわたくしの、アイゼン王国での仕事はおしまいだ。



 戦争ストラテジーゲームのエンディングはわりとあっさりしている。
 そうね、今なら差し詰め。正装し、真新しい王冠をいただいた新女王の後ろ姿にキャプションが重なるくらいではないかしら。


アイゼン王国歴214年、王太女ハイデマリー・アデーレの即位によりアイゼン王国は滅亡、エンダベルト王国が成立した ――――――――――。


 なんてところかしら。


 さあ、次だ。
 いよいよ本格開幕する『クリーグキングダム』、アイゼン王国を平定したわたくしには『ヴェストリオーア戦役編』が待っている。
 大陸北西部を舞台に五カ国で覇権を争うのだ。魔法軸の開発もしなくてはいけないし、雇用も増やしたい。公開求人は……一回だけならいいわよね?


 やるべきことはたくさんある。
 あぁ、楽しみよ!
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