15 / 24
14:勇者の、マヨネーズマリネ……とは?
しおりを挟む小舟二艘をマヨネーズでいっぱいにするのは結構大変だった。さすがに疲労で目が回った。
でも、わたしにだって意地ってものがある。なんとかギリギリ、マヨネーズを出し切った。
「さあ! どうぞ!」
小舟の片方には三人組が運んできてくれたこの家の息子さん(推定)を寝かし入れてマヨまみれに塗ってから、もう片方をおじいさんにすすめた。
おじいさんはボロボロのマントを脱ぎ捨てて、自分で小舟に入って寝転がった。さらに、自主的にマヨネーズを頭や顔にも塗りたくった。
ちゃんとわたしのやることを見ていたらしい。
「マヨネーズがなくなるまで休んでいてください。様子は見にきますし、何かあったらマイケルに言ってください」
「……わかりました」
おじいさんはいつも何か言う前に、ビミョーな間を取る。奥歯に物が挟まったようなっていうのかな。言いたいことがあれば全部言えばいいのに。
それとも歯がなくてしゃべるのに時間がかかるのか?
わからん。
マイケルはさっきと変わらず見張り役だ。わたしは三人組と一緒に外に出た。
「おう、聖女サマ、大丈夫か?」
「顔色悪いっすね」
デニスとヤニが気遣ってくれて、ホセは「ほら、まず食って」と、焚き火で炙ってあった干し肉の串刺しをくれた。
ありがたいので、お礼を言って受け取った。
わたしは火から少し離れた石の上に座り込んだ。
しんどい。きつい。だるい。体が重い。
悪酔いに近い気もする。
小舟二艘分のマヨネーズって、何キロくらいあるんだろう。
まとめて出してる途中で産出量アップのファンファーレも聞こえた。
マヨネーズの主原料は卵と油だけど、わたし産のマヨネーズは百パーセントわたし由来だ。血? 肉? どっちにしろ、キロ単位で削ったらしんどいに決まってる。間違いなくシャイロックさんもびっくりだ。
わたしは身体中から集めた息を溜めて吐き出して得た動力で炙ったお肉にかじりついた。
「ん」
肉だ。牛肉かな。
よく焼いてあった鶏肉と白身魚の味の区別ができなかったアホ舌なので自信ないけど、たぶんそう。この世界で牛、というか、魔物以外の動物を見てないけど、きっと類する肉はあるんだろう。翻訳機能が『牛』ってするやつ。
とりあえず、めちゃくちゃ固い。あと、味が濃い。ストロング。肉の硬さと相待って、The塩 Tueeeee!!! という主張を痛いほど感じる。
うん、口が痛い。口の中の粘膜に優しくない。
あ。そうだ、マヨネーズつけよ。
火を見たまま、さっきマヨネーズトーストを作るのに使ったマヨ壺を手に取った。ひと掬い取って、肉につけて、齧る。
ブチっと食いちぎって、ムッチムッチと噛む。塩味がマヨネーズで緩和されて、ちょうどいい。
腰につけたままの瓢箪から、水を出して飲む。
マヨを付けて肉。肉を飲み込んで水。
何回か繰り返して、わたしは視線に気がついた。
火の側に座り込んだ三人組がわたしをじっと見つめていた。
「な……なに?」
「いやあ、なかなか豪快な食いっぷりだなーと」
「場末の酒場でやさぐれてるおっさんみてーだなーと」
「それ、付けて食ってもうまいんすか?」
「食べてみるといいよ。美味しいから」
ド失礼発言は無視して、最後のところだけ答えてあげた。ほんとに疲れちゃって、愛想笑いする気にもならないんだから仕方なかろーもん。
と。
いつの間にか、足元にケウケゲンがいた。足首に触れるフワフワの感触に瞬間癒される。ほんのちょっとだけど、気持ちが落ち着いた。
ケウケゲンはマヨネーズの入った壺を抱え込むみたいな位置に座り込んで、木匙を持っている。
壺とケウケゲンの大きさはほとんどかわらない。
ん? 木匙を持っている?
「ケーちゃん、手が生えてきたの?」
よく見たら、ケウケゲンの真っ黒な毛の隙間から小さな細い腕っぽいものが二本、出ている。右手(仮)に木匙、左手(仮)で壺を押さえていて、中身を掬っては口に運んでいる。手っていうか、触手かもしれない。結構伸びている。
ヒョイパクヒョイパクとオノマトペを付けたいくらいの勢いだ。
最初は生き物判定も難しかったのに、どういうことなんだ、これ。
「マヨネーズ、もっと食べる?」
「……けふ」
「今はいいってこと?」
「けふ」
見ると、ケウケゲンの抱えている壺にはまだマヨネーズが半分以上残っている。それでもいい感じのペースだから、長くは持たないかもしれない。
「なくなったら足してあげるね」
「けふ」
けふ、はたぶん返事だと思うんだけど。
ケウケゲンとも言葉が通じたらいいのにな。ゴブリン語もケウケゲンには通じないみたいだし、難しいかもなぁ。
はぁ。しんどい。肉体疲労。
「聖女サン、ほんとに大丈夫か?」
「……ちょっと疲れたみたい。マヨ、出しすぎたのかも」
「魔術師サマだって魔法使ったあとはそんなふうだったし、まあ、休んでろ。火の番は俺らでするし、そのへんの空き家でベッド借りりゃいいだろ」
ぐったりしてると、デニスが言ってくれた。
世紀末冒険者だけど、親切ではある。干し肉もくれたし。
「いや、まだリゾット作ってないし。村のひとたちに配らないと。あとマイケルのごはんも」
「手伝ってやっから。とりあえず、飯食って休憩だ」
ヤニとホセも一緒に座り込んだので、四人とケウケゲンで食事タイムだ。
「そういえば、あなたたちはおじいさんとは付き合い長いの?」
荷物持ちにしていたと教えてもらったけど、元から仲間だったとは限らないし。とりあえず、聞けそうなタイミングだと思ったから口に出してみた。
「半年くらい前か。メンシスの近くで拾ったんだ。よな、ヤニ」
「そうそう。ギルドで頼まれた仕事でさ。魔界まで行ったときだ」
ホセとヤニが嫌そうな顔をして言う。相当キツイ仕事だったんだなぁ。
っていうか、魔界って行けるのか。
「メンシスってのは昔の王都だ。俺がガキの頃には賑やかな街だったが魔界に沈んじまった」
「その近くにある街の邸宅から、残してきた宝石箱を運んできて欲しいっていうのが依頼だったんだけどな。……まー、ひっどい目にあったんだぜ」
「で、その仕事の帰り道、じいさんが倒れてたから拾ってやったんだよ」
苦労話九割、おじいさんを拾ったくだりは一割。世紀末冒険者らしい冒険譚はごはんのお供には面白かった。
三人の話で理解したのは、魔界は身近な危険だということと黒の病はほぼこの国にいる人たち全員が罹患していて、症状の現れ方に差があるだけということ。
で、変色した肌が一定以上になると、軍隊を追い出される決まりらしい。
冷たく思えるけど、黒の病の最終形態がゾンビ状態で仲間を襲うことなんだったら、仕方がないのかもしれない。
食事の後、ホセは推定村長さん宅で小舟の見張り番をマイケルと交代してくれた。デニスとヤニはを意識のあった村のひとたちにマヨネーズリゾットを食べさせに行ってくれた。
わたしはもう動く気力もなかったから、正直ありがたかった。
「セイジョサマ、元気ナイ」
「元気……ナイかもなー」
わたしは項垂れてから、マイケルを見上げた。
マイケルの黒々とした瞳に焚き火が映り込んでいる。もうすっかり日が暮れてしまった。
「マイケルは元気?」
「マヨネ、食べる。まいける、元気」
「そっか、良かった。今日もたくさん手伝ってくれてありがとう」
「アリガト」
マイケルはケウケゲンの反対側に座り込んだ。挟まれたわたしは両手にカワイイだ。ちょっと気持ちが上向いた。
肉体疲労は心の疲労もつれてくる。
今、わたしに必要なのは睡眠だ。
空いている理由は考えたくないけど、使えそうなベッドはあった。とりあえず、最初に入った家の女のひとの隣を借りようと決めた。他の村人は全員男性だったからさ。
あのひとが起きてたら、許可も取れそうな気がするしね。
「あーお風呂入りたい」
あと、ブラとパンツが欲しい。
「おふろ、何?」
「お風呂はお湯だよ。お湯につかるの。えーっと、ジャブン。わかる?」
「?」
マイケルが首を傾げた。
できのわるいパントマイムでは伝わらなかった。我は無力なり。
「……おい、聖女サン」
がっくり項垂れたわたしの上から声が降ってきた。デニスだ。
「ひとり死んでたよ。石垣の家のヤツだ」
申し訳なさそうに言われた言葉が、一瞬理解できなかった。死んだ。つまり、さっきマヨネーズを食べて貰った誰かが亡くなったということか。
「なんで……? マヨネーズで浄化できるんじゃなかったの?」
「黒の病はマシになってたよ。けど、弱ってたんだろうな。この村の様子じゃ、飲まず食わずだったろうしなあ」
言って、デニスはハリウッド映画のヒーローみたいに両手を肩の高さくらいにあげて、わたしから視線を逸らして笑った。
「魔物にならないで死ねたんだ。あんたのマヨネーズはホンモノだ」
慰めてくれているのはわかった。でも苦しい。
名前も知らない、ただ一回、マヨネーズを食べてもらっただけのひとだ。
でも。
わたしはその場で脱力した。
つかれてるんだ。体と心が。そこに、人の死というのはとても重い。
鼻の奥がツンと痛くなってきた。
泣きそうだ。泣きたくないのに目頭が熱い。
亡くなったひとのことを悼んでいるんじゃないのも悲しい。わたしは、本当に聖女で、命を救えるような気がしていたのが恥ずかしいのだ。
「セイジョサマ! セイジョサマ!」
マイケルが慌てて寄り添ってくれた。ケウケゲンが首のあたりでポインポイン跳ねているのも、たぶん心配してくれている(んだと思いたい)。
「……お葬式、どうするんですか」
わたしは自分の膝に顔を埋めたままで言った。
「家の裏にでも埋めてやろう。この村もそう長くは持たないだろうけどな」
魔界の瘴気がどんどん広がっているという話だ。瘴気に飲まれたら、魔界になって、魔物の巣になる。
そういうことか。
で、気がついた。
「魔界になっちゃうと、農作物もダメなんですよね?」
「木も草も、そのへんでうろついてる獣も鳥も全部魔界のモノになっちまうからな」
「どんどん魔界が広がってるなら、この国は滅んでしまうんじゃ……?」
「そーだよ。あんた、今更、何をって、そうか」
デニスは呆れているのを隠しもしない。さすが世紀末冒険者は大胆だ。
「聖女サマってのはそりゃあ遠い異郷からお越しになるってのは本当のことだったんだな」
「そういう宗教の教えがあるの?」
「シュウキョーが何かはわからんが、神官サマはそう言ってたぜ」
神官サマには心当たりがある。最初に見かけた高齢者たちだな。
魔界がどんどん広がって、黒の病が蔓延って、どんどん国が蝕まれていくのを食い止めたい。
なるほどなぁ。クマ王子、焦ってたのはそういうことだったのか。全員が黒の病に罹ってるってことは、あの王子自身も病を抱えてるということになる。
なんとなくだけど、納得しかけていた時だ。
タッタラタッタターン
『特別浄化が完了しました! レシピ:勇者のマヨネーズマリネを入手しました!』
いつものファンファーレとメッセージが聞こえた。
「勇者のマヨネーズマリネ……とは?」
なんだそれ。
激辛とかトンデモ麻辣とかで、食べた者が勇者と呼ばれるような、そういうすごいマリネ?
混乱していると、推定村長さん宅からホセが走り出てきた。手には火の入ったカンテラを持っている。
「大変だ! じいさんが、じいさんがっ!」
わたしとデニスに向かってホセが叫んだ。
わたしは咄嗟にケウケゲンを抱き抱えて、マイケルとデニスと一緒に走り出した。
果たして。
マヨネーズがすっかり消えた小舟の中に男のひとが各一名。ひとりは眠っていて、もうひとりは座り込んでいる。
黒い髪とエメラルドグリーンの瞳。はっきりした目鼻立ちをしていて、普通にハンサムだ。目が丸いから少年っぽく見えるけど、体つきはがっしり骨太な印象で、年上のような気もする。二十代前半ってとこかなぁ。
そのひとは呆然とした様子で、自分の両手や腕を確かめていた。
「……あんた、じいさん、だよな?」
わたしの背後に立っていたデニスが言った。
そうだ。小舟に寝ていたのはおじいさんだ。ヨボヨボの超後期高齢者。髪の毛も歯もなかったシワシワのおじいさん。
目の前の若い男の人は身につけているものは間違いなく、おじいさんのボロボロの服だ。
つまり。
「勇者のマヨネーズマリネって、料理じゃないじゃん」
我慢しきれず、わたしは口の中で呟いた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
あまたある産声の中で‼~『氏名・使命』を奪われた最凶の男は、過去を追い求めない~
最十 レイ
ファンタジー
「お前の『氏名・使命』を貰う」
力を得た代償に己の名前とすべき事を奪われ、転生を果たした名も無き男。
自分は誰なのか? 自分のすべき事は何だったのか? 苦悩する……なんて事はなく、忘れているのをいいことに持前のポジティブさと破天荒さと卑怯さで、時に楽しく、時に女の子にちょっかいをだしながら、思いのまま生きようとする。
そんな性格だから、ちょっと女の子に騙されたり、ちょっと監獄に送られたり、脱獄しようとしてまた捕まったり、挙句の果てに死刑にされそうになったり⁈
身体は変形と再生を繰り返し、死さえも失った男は、生まれ持った拳でシリアスをぶっ飛ばし、己が信念のもとにキメるところはきっちりキメて突き進む。
そんな『自由』でなければ勝ち取れない、名も無き男の生き様が今始まる!
※この作品はカクヨムでも投稿中です。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります
真理亜
ファンタジー
有栖佑樹はアラフォーの会社員、結城亜理須は女子高生、ある日豪雨に見舞われた二人は偶然にも大きな木の下で雨宿りする。
その木に落雷があり、ショックで気を失う。気がついた時、二人は見知らぬ山の中にいた。ここはどこだろう?
と考えていたら、突如猪が襲ってきた。危ない! 咄嗟に亜理須を庇う佑樹。だがいつまで待っても衝撃は襲ってこない。
なんと猪は佑樹達の手前で壁に当たったように気絶していた。実は佑樹の絶対防御が発動していたのだ。
そんな事とは気付かず、当て所もなく山の中を歩く二人は、やがて空腹で動けなくなる。そんな時、亜理須がバイトしていたマッグのハンバーガーを食べたいとイメージする。
すると、なんと亜理須のイメージしたものが現れた。これは亜理須のイメージ転送が発動したのだ。それに気付いた佑樹は、亜理須の住んでいた家をイメージしてもらい、まずは衣食住の確保に成功する。
ホッとしたのもつかの間、今度は佑樹の体に変化が起きて...
異世界に飛ばされたオッサンと女子高生のお話。
☆誤って消してしまった作品を再掲しています。ブックマークをして下さっていた皆さん、大変申し訳ございません。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ハズレギフト『キノコマスター』は実は最強のギフトでした~これって聖剣ですか? いえ、これは聖剣ではありません。キノコです~
びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
孤児院生まれのノースは、十歳の時、教会でハズレギフト『キノコマスター』を授かってしまう。
他の孤児院生まれのルームメイトたちは『剣聖』や『魔法士』『鍛冶師』といった優遇スキルを授かったのに、なんで僕だけ……。
孤児院のルームメイトが国に士官されていくのを横目に、僕は冒険者として生きていく事を決意した。
しかし、冒険者ギルドに向かおうとするも、孤児院生活が長く、どこにあるのかわからない。とりあえず街に向かって出発するも街に行くどころか森で迷う始末。仕方がなく野宿することにした。
それにしてもお腹がすいたと、森の中を探し、偶々見つけたキノコを手に取った時『キノコマスター』のギフトが発動。
ギフトのレベルが上る度に、作る事のできるキノコが増えていって……。
気付けば、ステータス上昇効果のあるキノコや不老長寿の効果のあるキノコまで……。
「こ、これは聖剣……なんでこんな所に……」
「いえ、違います。それは聖剣っぽい形のキノコです」
ハズレギフト『キノコマスター』を駆使して、主人公ノースが成り上がる異世界ファンタジーが今始まる。
毎日朝7時更新となります!
よろしくお願い致します。
物語としては、次の通り進んでいきます。
1話~19話 ノース自分の能力を知る。
20話~31話 辺境の街「アベコベ」
32話~ ようやく辺境の街に主人公が向かう
勇者(俺)いらなくね?
弱力粉
ファンタジー
異世界で俺強えええとハーレムを目指す勇者だった... が、能力が発動しなかったり、物理的にハーレムを禁じられたりと、何事も思ったように行かない。
一般人以下の身体能力しか持ち合わせていない事に気づく勇者だったが、それでも魔王討伐に駆り出される。
個性的なパーティーメンバーたちに振り回されながら、それでも勇者としての務めを果たそうとする。これは、そんな最弱勇者の物語。
賢者の兄にありふれた魔術師と呼ばれ宮廷を追放されたけど、禁忌の冴眼を手に入れたので最強の冒険者となります
遥 かずら
ファンタジー
ルカスはバルディン帝国の宮廷魔術師として地方で魔物を討伐する日々を送っていた。
ある日討伐任務を終え城に戻ったルカスに対し、賢者である兄リュクルゴスはわざと怒らせることを言い放つ。リュクルゴスは皇帝直属の自分に反抗するのは皇帝への反逆だとして、ルカスに呪いの宝石を渡し宮廷から追放してしまう。
しかし呪いの宝石は、実は万能の力を得られる冴眼だった。
――冴眼の力を手にしたルカスはその力を以て、世界最強の冒険者を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる