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032. サクラ散リ、ソシテ(5)
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たこ焼きをお腹いっぱい食べ、レネさんと藤堂に車で送ってもらって、俺たちはティグさんの家に戻ってきた。
玄関のドアを閉めると、俺はもうたまらなくなっていた。
先に入ったティグさんの肘を掴み、驚いて止まったのをいいことに俺はティグさんの首に腕を巻きつけ、キスをした。
だあああああっ、身長差ぁぁぁぁぁっ!
なんで20cmも違うんだ、くっそっ!
目一杯背伸びして、ぐいぐいと首に絡めた腕で引き寄せる。
ティグさんは片手にハンガーにかかったスーツを持っているので、身動きができないみたい。
俺はむちむちとキスを続ける。
が、俺の足も限界。
背伸び、きっつ。
というわけで唇が離れちゃったんだけど、ティグさんがはぁはぁしながら俺を見てる。
「突然どうしたの、靖友くん」
「だってさ」
うりゃっ、また背伸びだ。
ちうちうとキスしながら答える。
「ん…ティグさん、スーツ着てもめっちゃセクシーだし、んっ。
…ぁ、シャツにジーンズでも似合う、し」
ティグさんは普段、頭からすぽっとかぶる服が多い。
Tシャツみたいなの。
でも今はレネさんのシャツを着てる。
見慣れなくて、ちょっと感じが変わって、それも似合っている。
基本、フォーマルな格好が似合う人だ。
「でも、それレネさんの服」
俺の服、小さくて着られないでしょ。
「なんか、俺、初めてですよ」
ちゅっちゅっ
「レネさんと服に嫉妬しちゃった」
「え?!」
「脱いで」
俺は一旦背伸びをやめて、シャツのボタンをはずしにかかる。
「靖友くん?!」
「ん?」
「嫉妬、って」
「そうですよ。俺もびっくりです。
まだまだ修行が足りません」
そうこうしているうちに、ボタン全部はずれた!
よし!
「はい、腕抜いて」
スーツを持っていないほうの腕からうながす。
「ちょっ」
おたおたしているティグさんに「早く」と言うとティグさんは素直に腕を動かしてくれた。
俺は嬉しくなって、またちゅっとキスをした。
「このまま全部脱いで、しよ」
「ええっ?!」
「だめ?」
「いや、だめじゃないけど」
「やったー!はい、じゃあ今度はこっちの腕」
俺はハンガーを持つ。
「靖友くん、あの、あれから誰かと……した?」
「ん、なにを?
まさか、えっち?
えー、しませんよー。
信用ないなぁ、俺、ティグさんだけですよー」
「手慣れてて」
「これで2回目。
ティグさん、これ、ここにかけていい?」
俺は棚にハンガーをひょいとかけて、ティグさんをぎゅっと抱きしめた。
今度はティグさんもぎゅうぎゅうと抱きしめてくれる。
俺はジーンズのフロントボタンにも手をかけた。
「や、本当?本当にするの?」
あ、いけませんかね?
ただいま、日曜日の午後2時前。
本日快晴で、めっちゃ明るいですが。
「うん、したい。
初えっちから何か月だよ、もう」
俺はティグさんをぎゅうぎゅうしたままベッドルームに行こうとする。
「シャワーは…」
「なくても、ん、いいですぅ」
キスもする。
「だけど、たこ焼きくさいし、俺、多分ソース味だし」
「ぎゃははははは、じゃ、俺、ソースと青のり味!」
「シャワー浴びたい」
「んもう、仕方ないなぁ。
一緒に入ろ」
「んへ?!」
ティグさんがヘンな声を上げるから、俺はげらげら笑って2人でバスルームに行った。
脱衣所でティグさんのスイッチも入ったのか、俺たちはキスしながら、お互いの服を脱がし始めた。
俺のジーンズのフロントボタンを外したのはティグさんで、下着ごとずるっと脱がせてきたのもティグさん。
俺は露わになったティグさんのむちむちおっぱいを揉みながら、されるがままになっていた。
俺が終わったら、今度はティグさんの番。
するっとティグさんのボトムスを抜き取ると、腰をしゅるっとなでたら、ティグさんが「ひゃっ」って声を上げた。
ふふふ、感度良好。
シャワー浴びて、キスしながらボディソープで洗いっこして。
身体が密着したら、欲情しているティグさんのが俺のちょうど腹に当たって。
よかった。
「靖友くんじゃたたない」って言われたらどうしようかと思った。
そうしたら、ティグさんの太腿に当たってた俺のに、ティグさんが手を伸ばしてきた。
「ぎゃっ、待って待って!
イっちゃう!」
俺が腰を引くと、ティグさんはホールドして離さなかった。
「一度出しとく?」
耳元で囁かれるハスキーボイス。
「え、でも」
「長く持つかも」
あ、そっか。
今も余裕がないんだよね。
この間みたいに、すぐにバクハツしたら大変だもんな。
「じゃあ、お願いします?」
「OK」
ティグさんはこめかみにキスをしてくれると、手で緩やかに扱き始めた。
「うっ、ぐっ、んんっ」
うわっ、風呂場だから声が響く。
自分の声なのにエロく聞こえる。
やだやだやだ。
ティグさんの声ならまだしも、自分のエロ声をエコー状態で聞くのは、ちょっと。
が、ティグさんから逃れられるはずもなく、あえなくイかされました……
「き、気持ちよか…った」
「そう。よかった」
ティグさんは笑いながら、俺を見た。
綺麗な目。
そして欲情している目。
あんなにソースだ青のりだ、と言っていたのに、めっちゃキスしてましたが。
シャワーから上がって2人で仲良く全裸で歯磨き。
なんとティグさんが俺の歯ブラシとコップも用意してくれていました。
嬉しい!と言うと、ティグさんも嬉しそうにしていた。
そしてそのまま全裸でベッドルームに行き、ついにベッドへ……というところで、俺、思い出しましたよ!
「あ、タオルケットを敷くんでしたっけ?」
「う、うん」
「どれです?」
あんなに液体まみれになるとは思わなかったから、きちんとしておかなくちゃね。
ティグさんが出してくれた薄い水色のタオルケットをベッドに敷いて、えいっと上がってみる。
うーん、気持ちいい。
ティグさんも上がってきて、俺たちは裸でまた抱き合う。
キスして、揉んで、つまんで、なでて。
今回はほぐすのも最初からさせていただきました。
や、だって、したいじゃん。
してさしあげたいじゃん。
できればでろでろにしてあげたいじゃん。
ティグさんのご指導の下、ローションを使って「も、いいからっ。入れて」とぐずぐずの顔で言っていただけるまでになりました。
「ん、手がべたべただからスキン、つけてくれますか」
ちゅっとキスしてお願いすると、ふらふらになりながらティグさんがスキンをつけてくれることになりました。
今回はティグさんが買ってくれてたやつ。
俺のは玄関におきっぱのバッグの中だ。
「口でつける?」
「そんなえろいのされたら、すぐにイっちゃうから、また今度にして!」
やーだー、もう!
経験値の差がありすぎるっ!
想像もできない。
そんなのしたら、出るっ!
ティグさんは「やっぱりおっきい」と言いながら、くるくるとスキンをかぶせてくれた。
俺はティグさんを押し倒す。
上に乗っかる。
「どうしよう、俺、すっげー嬉しい。
好き、ティグさん、すっげー好き」
「俺も好き。
俺も嬉しい。
にやにやが止まらないくらい、どうしようもなく、好き」
ふへへへへ。
お互いに笑いながらキスして、そして挿入。
一旦、奥まで。
ティグさんの身体が跳ねて、反応する。
身体中がピンクになってて、かわいい。
それから、ここ、かな?
「あっ、ぐっ、や」
ほら、やっぱり。
「靖友く、あ、んっ」
ふふふふふ、アドバイスに従い、1度出しておくと余裕が生まれますね。
「ここ、やっぱ、いい?」
さっき、ほぐしているときになんとなく。
「奥じゃなくて、浅いところ。ここ。いい?」
「や。あ。………ふっ。やす…もく……」
ゆっくり腰を動かし、浅いところをぬぽぬぽとこする。
涙目になりながら、ティグさんが反応する。
もしかして。もしかすると。ここが噂の前立腺、ですかね?
「気持ち、いい?」
「ん、気持ち、いい。靖友くん、きも、ち、いい」
「俺、もっ」
「好きっ」
うぐっ?!
「好きっ、好きっ、好きっ。靖友くん、好きっ」
がああああああ。
動かすたびに好き好き言うティグさん、食べちゃいたい。
「俺も、好きっ!ティグさん、大好きっ!」
う?
あ?
ばかばかばかっ、あ!
で、出るかと思った。
ティグさんの中はすごくうねって熱くなって、反応して、めっちゃ気持ちいい!
「靖友くん、お、くも…」
「はいはい。
つかまっててよ、ティグさん」
「んっ」
ずっとずっとずっと。
あなたとこうしたかったです、ティグさん。
好きなときに「好き!」って言ってもらって、会いたいときに会えて。
よかった、ティグさんと一緒に暮らせるようになってよかった。
リクエスト通り、奥も長いストロークで、ゆっくりめにぬわぁんぬわぁんと突く。
でも、だんだん余裕がなくなって、前みたいにぱちゅんぱちゅんと短くリズミカルに腰を振ってしまう。
「やばっ、ティグさんの中、やばい」
「んっ、んっ、んっ」
「あー、もう。なんなの。
めっちゃ幸せ!」
「靖友く、イくっ」
**
3回ヤって、気がついたら外はうっすら暗くなってきてた。
今回は俺ががおーってなった。
ティグさんの身体、気持ちよすぎる。
これまでティグさんは、ちょっと遠慮していた。
年上だからとか、我儘言っちゃだめだとか、どこか我慢してた。
元カレのせいなのかもしれない。
俺、それをなしにしてあげたかった。
まだまだ、だとは思う。
だけど、できるだけそうさせてあげたい。
そして俺もティグさんに甘えてる。
あまり気にしていたつもりはないけれど、「お兄ちゃんだから」となにかしらのプレッシャーは常にかかっていた。
なんか、こんなに自由にのびのびしているの、初めてかもしれない。
意外だなぁ。
さすがにくたびれてベッドの上でごろごろしながら、そんなことをぼんやり考えてた。
まだ身体はべとべと。
ティグさんもうつ伏せで寝てる。
無理させちゃったかな。
そっと近づいて、うなじにちゅっとキスをする。
「……ん」
気だるそうなティグさんの声が漏れる。
「大丈夫?
俺、ひどすぎたかな」
「ううん」
ティグさんがこっちを向いてにやにやしている。
「幸せすぎて、浸ってる」
「ん、俺も」
と、カッコよく言ってたら。
ぎゅるるるる~
え?!
このタイミングで?!
ティグさんはくすくすと笑ってる。
「もうお腹空いたの?
あんなにたこ焼き食べたのに」
ぎゃあっ、恥ずかしい!
やめてよー、俺の腹の虫~!
全然、カッコよくないじゃないのー!
「そうみたいですね」
「なにか作ろうか」
「ううん、ティグさんも疲れてるし」
「じゃ、カップラーメン食べる?」
「え、そんなの、ここにあるの?!」
「あるよ。
意外?」
「うん、なんだか健康そうなものばっかりかと思ってた」
「ラーメンもよく食べに行ったじゃない」
「あ、そっか」
俺たちはベッドから出ると、シャワーを浴び、べとべとになったタオルケットや使ったバスタオルなどを洗濯機に突っ込み、スイッチを入れた。
そうしながらお湯を沸かす。
「どれ食べる?」
「わー、いっぱいある!」
「仕事中、レネと食べるときがあるからね」
「なるほど」
俺はとんこつときつねうどんにした。
ティグさんはシーフードと醤油。
めんどくさくて、キッチンに並んで立ち食いした。
ずぞぞ~と麺をすするティグさんを横目で見る。
「ん、なに?」
んー、とね。
「なんか、いいな、っと思って」
「うん」
「これからもこういう時間が過ごせたらいいな」
「うん、嬉しいな」
えへへ。
俺は食べづらいのに、ティグさんにぐいっとくっついた。
ティグさんもぎゅうっと肩に力を入れる。
「帰らなくてもいいのも、いいな」
「うん」
ティグさんは嬉しそうにうなずき、顔をちょっと赤くしてた。
***
それから高校の担任への挨拶から始まって、住民票を移してからの大学への手続き。
ティグさんは元カレとの思い出の品の整理。
引っ越しは、ティグさんの友達が軽トラを出してくれて、レネさんと藤堂も来てくれてさっくり終わった。
藤堂はというと、「いいな、ティグと靖友くん!僕もレネと一緒に暮らしたい」と言い出した。
すっごい考えて親に話をせねばとなり、それにレネさんも一緒に行くこととなり、藤堂かーちゃんに都合を聞く電話をしたら。
「もう、やっとなのー?
いつ言うか、って待ちくたびれちゃったわよう。
さっさとレネさんと一緒に暮らしなさい」
と、話し合いなしで呆気なく許可が出た。
さすがだ、藤堂のかーちゃん!
それで、藤堂の引っ越しも俺と同じように軽トラでさくっと終わってしまった。
お互いに家具や大型家電がないからラクだった。
ティグさんはちょっとつらそうだった。
あの人、「残るものを持たない」のは、捨てられなくて手元に残してしまうからだった。
俺は自分の部屋がなくてもいいよ、と言った。
1度も入ったことのない4階を倉庫状態として使っている。
相当量があるんだと思う。
「ご両親と約束したから」と、ティグさんは俺の部屋を作るために、大切にしていたものと格闘していた。
会うと寝不足と泣き腫らした目をしていて、レークスではずっと厨房にいた。
そんなに無理しなくてもいいのに、と思って言ってはみたけれど。
「今がチャンスなんだ。
俺、いろいろ引きずられやすいから、思い切って手放すのがいいと思う。
アイツのことも解放してやらないと」
そう言って、一部屋を空っぽにするとエアコンとミント色のカーテンをつけてくれた。
俺はそこを自分の部屋にすることにした。
諸々の作業が終わって、3月末、とーちゃん、かーちゃん、そしてかすみにも挨拶をし、やっとティグさんの家での生活が始まることになった。
どこか緊張してしまい、「よ、よろしくお願いします」と頭は下げたけど、挙動不審になっていた。
ティグさんも「そこまで緊張しなくても」と笑っていた。
夜はティグさんのベッドで一緒に寝る。
「お泊り」じゃなくて、本当に帰らなくてもいいんだ。
明日も明後日もその次の日も、そのあともずーーっと、帰らなくてもいいんだ。
感動した!
ベッドの中できゃっきゃっとはしゃいでいたけど、ティグさんに抱きしめられ、甘くキスされると気持ちよくてうとうととなってしまう。
なんだか駆け抜けたもんな、この半月。
これが始まりなんだけど、ひと区切りついたし、気抜けた。
それにティグさん気持ちいい。
ほんとに、気持ちい…
好き、だなぁ…
明日、も、…キスする…ね……
「あれ、靖友くん、寝ちゃった?」
……ん、俺、寝ちゃうよ……
ひたいにぽすんと短い毛。
そしてひげの感触がくすぐったい。
ん、なに。ティグさん、でこちゅー…?
「Thank you, Motochika.
You're my treasure!」
(ありがとう、元親。
君は僕の宝物!)
おしまい
***
あとがき
ブログ ETOCORIA https://etocoria.blogspot.com/2019/03/atogaki-myt.html
玄関のドアを閉めると、俺はもうたまらなくなっていた。
先に入ったティグさんの肘を掴み、驚いて止まったのをいいことに俺はティグさんの首に腕を巻きつけ、キスをした。
だあああああっ、身長差ぁぁぁぁぁっ!
なんで20cmも違うんだ、くっそっ!
目一杯背伸びして、ぐいぐいと首に絡めた腕で引き寄せる。
ティグさんは片手にハンガーにかかったスーツを持っているので、身動きができないみたい。
俺はむちむちとキスを続ける。
が、俺の足も限界。
背伸び、きっつ。
というわけで唇が離れちゃったんだけど、ティグさんがはぁはぁしながら俺を見てる。
「突然どうしたの、靖友くん」
「だってさ」
うりゃっ、また背伸びだ。
ちうちうとキスしながら答える。
「ん…ティグさん、スーツ着てもめっちゃセクシーだし、んっ。
…ぁ、シャツにジーンズでも似合う、し」
ティグさんは普段、頭からすぽっとかぶる服が多い。
Tシャツみたいなの。
でも今はレネさんのシャツを着てる。
見慣れなくて、ちょっと感じが変わって、それも似合っている。
基本、フォーマルな格好が似合う人だ。
「でも、それレネさんの服」
俺の服、小さくて着られないでしょ。
「なんか、俺、初めてですよ」
ちゅっちゅっ
「レネさんと服に嫉妬しちゃった」
「え?!」
「脱いで」
俺は一旦背伸びをやめて、シャツのボタンをはずしにかかる。
「靖友くん?!」
「ん?」
「嫉妬、って」
「そうですよ。俺もびっくりです。
まだまだ修行が足りません」
そうこうしているうちに、ボタン全部はずれた!
よし!
「はい、腕抜いて」
スーツを持っていないほうの腕からうながす。
「ちょっ」
おたおたしているティグさんに「早く」と言うとティグさんは素直に腕を動かしてくれた。
俺は嬉しくなって、またちゅっとキスをした。
「このまま全部脱いで、しよ」
「ええっ?!」
「だめ?」
「いや、だめじゃないけど」
「やったー!はい、じゃあ今度はこっちの腕」
俺はハンガーを持つ。
「靖友くん、あの、あれから誰かと……した?」
「ん、なにを?
まさか、えっち?
えー、しませんよー。
信用ないなぁ、俺、ティグさんだけですよー」
「手慣れてて」
「これで2回目。
ティグさん、これ、ここにかけていい?」
俺は棚にハンガーをひょいとかけて、ティグさんをぎゅっと抱きしめた。
今度はティグさんもぎゅうぎゅうと抱きしめてくれる。
俺はジーンズのフロントボタンにも手をかけた。
「や、本当?本当にするの?」
あ、いけませんかね?
ただいま、日曜日の午後2時前。
本日快晴で、めっちゃ明るいですが。
「うん、したい。
初えっちから何か月だよ、もう」
俺はティグさんをぎゅうぎゅうしたままベッドルームに行こうとする。
「シャワーは…」
「なくても、ん、いいですぅ」
キスもする。
「だけど、たこ焼きくさいし、俺、多分ソース味だし」
「ぎゃははははは、じゃ、俺、ソースと青のり味!」
「シャワー浴びたい」
「んもう、仕方ないなぁ。
一緒に入ろ」
「んへ?!」
ティグさんがヘンな声を上げるから、俺はげらげら笑って2人でバスルームに行った。
脱衣所でティグさんのスイッチも入ったのか、俺たちはキスしながら、お互いの服を脱がし始めた。
俺のジーンズのフロントボタンを外したのはティグさんで、下着ごとずるっと脱がせてきたのもティグさん。
俺は露わになったティグさんのむちむちおっぱいを揉みながら、されるがままになっていた。
俺が終わったら、今度はティグさんの番。
するっとティグさんのボトムスを抜き取ると、腰をしゅるっとなでたら、ティグさんが「ひゃっ」って声を上げた。
ふふふ、感度良好。
シャワー浴びて、キスしながらボディソープで洗いっこして。
身体が密着したら、欲情しているティグさんのが俺のちょうど腹に当たって。
よかった。
「靖友くんじゃたたない」って言われたらどうしようかと思った。
そうしたら、ティグさんの太腿に当たってた俺のに、ティグさんが手を伸ばしてきた。
「ぎゃっ、待って待って!
イっちゃう!」
俺が腰を引くと、ティグさんはホールドして離さなかった。
「一度出しとく?」
耳元で囁かれるハスキーボイス。
「え、でも」
「長く持つかも」
あ、そっか。
今も余裕がないんだよね。
この間みたいに、すぐにバクハツしたら大変だもんな。
「じゃあ、お願いします?」
「OK」
ティグさんはこめかみにキスをしてくれると、手で緩やかに扱き始めた。
「うっ、ぐっ、んんっ」
うわっ、風呂場だから声が響く。
自分の声なのにエロく聞こえる。
やだやだやだ。
ティグさんの声ならまだしも、自分のエロ声をエコー状態で聞くのは、ちょっと。
が、ティグさんから逃れられるはずもなく、あえなくイかされました……
「き、気持ちよか…った」
「そう。よかった」
ティグさんは笑いながら、俺を見た。
綺麗な目。
そして欲情している目。
あんなにソースだ青のりだ、と言っていたのに、めっちゃキスしてましたが。
シャワーから上がって2人で仲良く全裸で歯磨き。
なんとティグさんが俺の歯ブラシとコップも用意してくれていました。
嬉しい!と言うと、ティグさんも嬉しそうにしていた。
そしてそのまま全裸でベッドルームに行き、ついにベッドへ……というところで、俺、思い出しましたよ!
「あ、タオルケットを敷くんでしたっけ?」
「う、うん」
「どれです?」
あんなに液体まみれになるとは思わなかったから、きちんとしておかなくちゃね。
ティグさんが出してくれた薄い水色のタオルケットをベッドに敷いて、えいっと上がってみる。
うーん、気持ちいい。
ティグさんも上がってきて、俺たちは裸でまた抱き合う。
キスして、揉んで、つまんで、なでて。
今回はほぐすのも最初からさせていただきました。
や、だって、したいじゃん。
してさしあげたいじゃん。
できればでろでろにしてあげたいじゃん。
ティグさんのご指導の下、ローションを使って「も、いいからっ。入れて」とぐずぐずの顔で言っていただけるまでになりました。
「ん、手がべたべただからスキン、つけてくれますか」
ちゅっとキスしてお願いすると、ふらふらになりながらティグさんがスキンをつけてくれることになりました。
今回はティグさんが買ってくれてたやつ。
俺のは玄関におきっぱのバッグの中だ。
「口でつける?」
「そんなえろいのされたら、すぐにイっちゃうから、また今度にして!」
やーだー、もう!
経験値の差がありすぎるっ!
想像もできない。
そんなのしたら、出るっ!
ティグさんは「やっぱりおっきい」と言いながら、くるくるとスキンをかぶせてくれた。
俺はティグさんを押し倒す。
上に乗っかる。
「どうしよう、俺、すっげー嬉しい。
好き、ティグさん、すっげー好き」
「俺も好き。
俺も嬉しい。
にやにやが止まらないくらい、どうしようもなく、好き」
ふへへへへ。
お互いに笑いながらキスして、そして挿入。
一旦、奥まで。
ティグさんの身体が跳ねて、反応する。
身体中がピンクになってて、かわいい。
それから、ここ、かな?
「あっ、ぐっ、や」
ほら、やっぱり。
「靖友く、あ、んっ」
ふふふふふ、アドバイスに従い、1度出しておくと余裕が生まれますね。
「ここ、やっぱ、いい?」
さっき、ほぐしているときになんとなく。
「奥じゃなくて、浅いところ。ここ。いい?」
「や。あ。………ふっ。やす…もく……」
ゆっくり腰を動かし、浅いところをぬぽぬぽとこする。
涙目になりながら、ティグさんが反応する。
もしかして。もしかすると。ここが噂の前立腺、ですかね?
「気持ち、いい?」
「ん、気持ち、いい。靖友くん、きも、ち、いい」
「俺、もっ」
「好きっ」
うぐっ?!
「好きっ、好きっ、好きっ。靖友くん、好きっ」
がああああああ。
動かすたびに好き好き言うティグさん、食べちゃいたい。
「俺も、好きっ!ティグさん、大好きっ!」
う?
あ?
ばかばかばかっ、あ!
で、出るかと思った。
ティグさんの中はすごくうねって熱くなって、反応して、めっちゃ気持ちいい!
「靖友くん、お、くも…」
「はいはい。
つかまっててよ、ティグさん」
「んっ」
ずっとずっとずっと。
あなたとこうしたかったです、ティグさん。
好きなときに「好き!」って言ってもらって、会いたいときに会えて。
よかった、ティグさんと一緒に暮らせるようになってよかった。
リクエスト通り、奥も長いストロークで、ゆっくりめにぬわぁんぬわぁんと突く。
でも、だんだん余裕がなくなって、前みたいにぱちゅんぱちゅんと短くリズミカルに腰を振ってしまう。
「やばっ、ティグさんの中、やばい」
「んっ、んっ、んっ」
「あー、もう。なんなの。
めっちゃ幸せ!」
「靖友く、イくっ」
**
3回ヤって、気がついたら外はうっすら暗くなってきてた。
今回は俺ががおーってなった。
ティグさんの身体、気持ちよすぎる。
これまでティグさんは、ちょっと遠慮していた。
年上だからとか、我儘言っちゃだめだとか、どこか我慢してた。
元カレのせいなのかもしれない。
俺、それをなしにしてあげたかった。
まだまだ、だとは思う。
だけど、できるだけそうさせてあげたい。
そして俺もティグさんに甘えてる。
あまり気にしていたつもりはないけれど、「お兄ちゃんだから」となにかしらのプレッシャーは常にかかっていた。
なんか、こんなに自由にのびのびしているの、初めてかもしれない。
意外だなぁ。
さすがにくたびれてベッドの上でごろごろしながら、そんなことをぼんやり考えてた。
まだ身体はべとべと。
ティグさんもうつ伏せで寝てる。
無理させちゃったかな。
そっと近づいて、うなじにちゅっとキスをする。
「……ん」
気だるそうなティグさんの声が漏れる。
「大丈夫?
俺、ひどすぎたかな」
「ううん」
ティグさんがこっちを向いてにやにやしている。
「幸せすぎて、浸ってる」
「ん、俺も」
と、カッコよく言ってたら。
ぎゅるるるる~
え?!
このタイミングで?!
ティグさんはくすくすと笑ってる。
「もうお腹空いたの?
あんなにたこ焼き食べたのに」
ぎゃあっ、恥ずかしい!
やめてよー、俺の腹の虫~!
全然、カッコよくないじゃないのー!
「そうみたいですね」
「なにか作ろうか」
「ううん、ティグさんも疲れてるし」
「じゃ、カップラーメン食べる?」
「え、そんなの、ここにあるの?!」
「あるよ。
意外?」
「うん、なんだか健康そうなものばっかりかと思ってた」
「ラーメンもよく食べに行ったじゃない」
「あ、そっか」
俺たちはベッドから出ると、シャワーを浴び、べとべとになったタオルケットや使ったバスタオルなどを洗濯機に突っ込み、スイッチを入れた。
そうしながらお湯を沸かす。
「どれ食べる?」
「わー、いっぱいある!」
「仕事中、レネと食べるときがあるからね」
「なるほど」
俺はとんこつときつねうどんにした。
ティグさんはシーフードと醤油。
めんどくさくて、キッチンに並んで立ち食いした。
ずぞぞ~と麺をすするティグさんを横目で見る。
「ん、なに?」
んー、とね。
「なんか、いいな、っと思って」
「うん」
「これからもこういう時間が過ごせたらいいな」
「うん、嬉しいな」
えへへ。
俺は食べづらいのに、ティグさんにぐいっとくっついた。
ティグさんもぎゅうっと肩に力を入れる。
「帰らなくてもいいのも、いいな」
「うん」
ティグさんは嬉しそうにうなずき、顔をちょっと赤くしてた。
***
それから高校の担任への挨拶から始まって、住民票を移してからの大学への手続き。
ティグさんは元カレとの思い出の品の整理。
引っ越しは、ティグさんの友達が軽トラを出してくれて、レネさんと藤堂も来てくれてさっくり終わった。
藤堂はというと、「いいな、ティグと靖友くん!僕もレネと一緒に暮らしたい」と言い出した。
すっごい考えて親に話をせねばとなり、それにレネさんも一緒に行くこととなり、藤堂かーちゃんに都合を聞く電話をしたら。
「もう、やっとなのー?
いつ言うか、って待ちくたびれちゃったわよう。
さっさとレネさんと一緒に暮らしなさい」
と、話し合いなしで呆気なく許可が出た。
さすがだ、藤堂のかーちゃん!
それで、藤堂の引っ越しも俺と同じように軽トラでさくっと終わってしまった。
お互いに家具や大型家電がないからラクだった。
ティグさんはちょっとつらそうだった。
あの人、「残るものを持たない」のは、捨てられなくて手元に残してしまうからだった。
俺は自分の部屋がなくてもいいよ、と言った。
1度も入ったことのない4階を倉庫状態として使っている。
相当量があるんだと思う。
「ご両親と約束したから」と、ティグさんは俺の部屋を作るために、大切にしていたものと格闘していた。
会うと寝不足と泣き腫らした目をしていて、レークスではずっと厨房にいた。
そんなに無理しなくてもいいのに、と思って言ってはみたけれど。
「今がチャンスなんだ。
俺、いろいろ引きずられやすいから、思い切って手放すのがいいと思う。
アイツのことも解放してやらないと」
そう言って、一部屋を空っぽにするとエアコンとミント色のカーテンをつけてくれた。
俺はそこを自分の部屋にすることにした。
諸々の作業が終わって、3月末、とーちゃん、かーちゃん、そしてかすみにも挨拶をし、やっとティグさんの家での生活が始まることになった。
どこか緊張してしまい、「よ、よろしくお願いします」と頭は下げたけど、挙動不審になっていた。
ティグさんも「そこまで緊張しなくても」と笑っていた。
夜はティグさんのベッドで一緒に寝る。
「お泊り」じゃなくて、本当に帰らなくてもいいんだ。
明日も明後日もその次の日も、そのあともずーーっと、帰らなくてもいいんだ。
感動した!
ベッドの中できゃっきゃっとはしゃいでいたけど、ティグさんに抱きしめられ、甘くキスされると気持ちよくてうとうととなってしまう。
なんだか駆け抜けたもんな、この半月。
これが始まりなんだけど、ひと区切りついたし、気抜けた。
それにティグさん気持ちいい。
ほんとに、気持ちい…
好き、だなぁ…
明日、も、…キスする…ね……
「あれ、靖友くん、寝ちゃった?」
……ん、俺、寝ちゃうよ……
ひたいにぽすんと短い毛。
そしてひげの感触がくすぐったい。
ん、なに。ティグさん、でこちゅー…?
「Thank you, Motochika.
You're my treasure!」
(ありがとう、元親。
君は僕の宝物!)
おしまい
***
あとがき
ブログ ETOCORIA https://etocoria.blogspot.com/2019/03/atogaki-myt.html
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