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6. 神の島(1)
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あれは最悪な出来事だった。
部屋に帰ると恋人の克彦がキレイな男の子と全裸で僕のベッドでセックスしてた。
僕の予想外の帰宅に、克彦は不機嫌になり男の子は萎えたようで手早く服を着て「またね」とこれ見よがしに克彦にキスをして出て行った。
克彦は精液の臭いを漂わせたまま、煙草に火を点けた。
僕の部屋では煙草は吸わない、って約束だったのに。
僕は沸騰しそうになる血をなんとか抑えつけ、克彦にどういうことかと聞いた。
克彦は「べつにいいだろ。1番好きなのは彬(あきら)なんだから」とうやむやにし、さっきの男の子との情事の臭いが残る僕のベッドに引きずり込もうとする。
もう限界だ。
「出て行け!」
怒りに任せて大声で叫んだ。
「出て行けっ!
合鍵を置いて、今すぐ出て行けっ!
あなたとは別れる!
もう二度と顔も見たくない!」
まだ夜の10時になってない頃だ。
隣から苦情が来るかもしれない。
それでも構わず、僕は叫び続けた。
克彦は僕をなだめようとしたが、これまでと違って僕が素直に従わなかったに逆ギレして、
「おまえみたいなめんどくさい奴、もううんざりなんだよ!」
と言い捨てて、鍵をテーブルに投げつけ出て行った。
残された僕は急に吐き気がこみ上げてきて、トイレで吐いた。
胃液しか出なくなっても吐き続けた。
ふらついたが、あのベッドで寝る気にもなれず、部屋から出て駅の近くのビジネスホテルで一晩過ごした。
翌日、セットしていた部屋のアラームが鳴った。
水さえも受けつけず、体調はサイアク。
もちろん眠れるはずもなかった。
僕はふらつきながら、ホテルをチェックアウトして仕方なく仕事に向かった。
乗り換えた駅の通路に、秋の行楽シーズンのポスターが貼ってあった。
紅葉やコスモスが揺れ、温泉の湯気は立ち、秋の味覚がいっぱいのものが多かった。
その中でひときわ、僕の関心を捕らえたものがあった。
穏やかな波がキラキラ光る海の中に立つ朱い大鳥居。
爽やかな風に揺れる真っ赤に紅葉した艶やかなもみじ。
草を食んでいたが、ふと僕に気づきつぶらな瞳でこちらを見た鹿。
ただのポスターのはずが、一瞬その中に僕は入り込み、実際にそこにいて頬をなでる潮風まで感じたような感覚を持った。
『神の島・宮島』
と大きな字で印刷されていた。
その紅葉の朱か。
それとも神秘的な大鳥居か。
とにかくそのポスターが僕を離さなかった。
気がつけば、僕は会社に有休を取りたいと電話をしていた。
いつになく強引にまとまった休みをもぎ取ると、スマホの電源を落とした。
そのままJRの駅に向かい、新幹線の切符を買った。
手の中にあるのは「東京発広島行き」の青い切符。
こんなに衝動的に動いたことってあったっけ?
ちょっと自分が信じられない。
ホームから無事に新幹線に乗り込み、指定していた自分の席に座るとほっとしたのか僕はうつらうつらし始めた。
克彦の浮気は昨日が初めてではなかった。
男気があって遊び慣れていてなにをやらせてもスマートで、セクシーな克彦はモテる。
行きつけのバーに克彦が現れるようになり、そんな噂を聞くようになった。
実際、遠くから見ているだけだったけど、克彦と他の男とのやり取りはうっとりするほど素敵だった。
あんな言葉、僕の耳元で囁かれたら、どうにかなってしまうかもしれない。
克彦がバーに来るたびに、僕の心拍数は上がるようになった。
だから「彬、俺の恋人になって」と艶やかな声で囁かれるだなんて思ってもなかった。
最初は僕のそばに来てお酒を飲んでいるだけだったのが、だんだん話しかけてくるようになり、ある時、カクテルをおごってもらった。
そんなことをしているうちに、気づけば彼の腕の中にいることも増え、そして甘く囁かれたのだった。
引っ込み思案の僕にとって、克彦は初めての恋人だった。
いろんなところに連れて行かれ、これまで経験したことのないことをたくさんした。
どれも面白かった。
僕も克彦のようになれるような気がしていた。
克彦のセックスも、これまでの体験とは全然違っていた。
とにかく僕の気持ちいいところを攻めに攻めて、おかしくなるほどだった。
あまりにもつらいので、やめてほしいと言うと、克彦はますます僕をよがらせ、泣かせ、焦らし、どうしようもなくなって、涙と唾液と先走りでぐちゃぐちゃになった僕がやっと「…早く、挿れて……僕を犯して……めちゃくちゃにして…」とねだるまでイカせてくれなかった。
あんなにモテる克彦だから、初めて浮気されたときには悲しくなったけど、僕は自分も責めた。
僕に魅力がないからだ、と思った。
わかったのはかかってきた電話だった。
セックスのあと、2人でベッドでだらけていると克彦のスマホが鳴り、その会話で僕が気づいた。
ショックがひどくてどうしようもなくて、「これで終わりだ」とも思ったけれど、克彦と別れることもできず、結局泣いてなりふり構わず克彦にすがった。
克彦は僕に「俺のほうこそごめん。彬だけだから」と言い、甘く抱きしめると髪にキスをした。
その後のセックスはこれ以上ないくらい優しかった。
しかし、それから僕たちの関係は少しずつ変わっていった。
僕がメールや電話をしてもなかなか連絡が取れないし、僕が誘っても「仕事が忙しい」とデートをすることはなくなった。
ただ、克彦が「やっと時間ができたんだ」と突然連絡を寄越し、指定されたホテルで抱かれることが増えた。
僕は忙しい合間を縫って克彦が時間を作ってくれている、と思い、嬉しくなった。
そうして、合鍵を渡した。
いつでも、克彦が僕に会いたいときに会えるように。
克彦はたまに合鍵で僕の部屋に入り、激しく僕を抱いた。
セックスのあと、「今日、ちょっとイヤなことがあって。彬に甘えてしまった」と話した。
それもまた僕を嬉しがらせるには十分だった。
2度目の浮気は「用事がある」と僕の誘いを断ったのに、克彦が別の男の子とデートしているのを見かけてしまってわかった。
「知り合いのコだよ」
と克彦は話していたけれど、あのバーでそのコの友達という子が、克彦とそのコの惚気話を延々と聞かされてまいった、と声高にしていた。
それっきり僕はそのバーに行くことを止めた。
浮気されるのは、僕に魅力がないせいだ。
またそう思った僕は、それ以上言及することはなかった。
3度目の浮気は、克彦につけられていた情事の痕でわかった。
夜中に合鍵で僕の部屋に来て僕のベッドにもぐり込み、服を脱いだ時見えた背中にくっきりとついていた爪痕とキスマークは言い訳のしようがなかった。
僕が萎え、その痕のことを指摘すると、克彦は「ちっ」と小さく舌打ちをした。
その晩、僕は抱かれるのを拒んだ。
しかし、「彬しかいないんだ。彬がそばにいなくてどうしようもなくなって抱いたんだ」と克彦は言った。
本当に克彦はくたびれていた。
疲れているのに興奮が冷めない自分を鎮めるために僕のところに来たのだ、と言った。
そんな情けない姿を見せる克彦に、僕はうっかり「克彦が癒せるのは僕だけだ」と思ってしまった。
そして、今回が4度目。
部屋に帰ると恋人の克彦がキレイな男の子と全裸で僕のベッドでセックスしてた。
僕の予想外の帰宅に、克彦は不機嫌になり男の子は萎えたようで手早く服を着て「またね」とこれ見よがしに克彦にキスをして出て行った。
克彦は精液の臭いを漂わせたまま、煙草に火を点けた。
僕の部屋では煙草は吸わない、って約束だったのに。
僕は沸騰しそうになる血をなんとか抑えつけ、克彦にどういうことかと聞いた。
克彦は「べつにいいだろ。1番好きなのは彬(あきら)なんだから」とうやむやにし、さっきの男の子との情事の臭いが残る僕のベッドに引きずり込もうとする。
もう限界だ。
「出て行け!」
怒りに任せて大声で叫んだ。
「出て行けっ!
合鍵を置いて、今すぐ出て行けっ!
あなたとは別れる!
もう二度と顔も見たくない!」
まだ夜の10時になってない頃だ。
隣から苦情が来るかもしれない。
それでも構わず、僕は叫び続けた。
克彦は僕をなだめようとしたが、これまでと違って僕が素直に従わなかったに逆ギレして、
「おまえみたいなめんどくさい奴、もううんざりなんだよ!」
と言い捨てて、鍵をテーブルに投げつけ出て行った。
残された僕は急に吐き気がこみ上げてきて、トイレで吐いた。
胃液しか出なくなっても吐き続けた。
ふらついたが、あのベッドで寝る気にもなれず、部屋から出て駅の近くのビジネスホテルで一晩過ごした。
翌日、セットしていた部屋のアラームが鳴った。
水さえも受けつけず、体調はサイアク。
もちろん眠れるはずもなかった。
僕はふらつきながら、ホテルをチェックアウトして仕方なく仕事に向かった。
乗り換えた駅の通路に、秋の行楽シーズンのポスターが貼ってあった。
紅葉やコスモスが揺れ、温泉の湯気は立ち、秋の味覚がいっぱいのものが多かった。
その中でひときわ、僕の関心を捕らえたものがあった。
穏やかな波がキラキラ光る海の中に立つ朱い大鳥居。
爽やかな風に揺れる真っ赤に紅葉した艶やかなもみじ。
草を食んでいたが、ふと僕に気づきつぶらな瞳でこちらを見た鹿。
ただのポスターのはずが、一瞬その中に僕は入り込み、実際にそこにいて頬をなでる潮風まで感じたような感覚を持った。
『神の島・宮島』
と大きな字で印刷されていた。
その紅葉の朱か。
それとも神秘的な大鳥居か。
とにかくそのポスターが僕を離さなかった。
気がつけば、僕は会社に有休を取りたいと電話をしていた。
いつになく強引にまとまった休みをもぎ取ると、スマホの電源を落とした。
そのままJRの駅に向かい、新幹線の切符を買った。
手の中にあるのは「東京発広島行き」の青い切符。
こんなに衝動的に動いたことってあったっけ?
ちょっと自分が信じられない。
ホームから無事に新幹線に乗り込み、指定していた自分の席に座るとほっとしたのか僕はうつらうつらし始めた。
克彦の浮気は昨日が初めてではなかった。
男気があって遊び慣れていてなにをやらせてもスマートで、セクシーな克彦はモテる。
行きつけのバーに克彦が現れるようになり、そんな噂を聞くようになった。
実際、遠くから見ているだけだったけど、克彦と他の男とのやり取りはうっとりするほど素敵だった。
あんな言葉、僕の耳元で囁かれたら、どうにかなってしまうかもしれない。
克彦がバーに来るたびに、僕の心拍数は上がるようになった。
だから「彬、俺の恋人になって」と艶やかな声で囁かれるだなんて思ってもなかった。
最初は僕のそばに来てお酒を飲んでいるだけだったのが、だんだん話しかけてくるようになり、ある時、カクテルをおごってもらった。
そんなことをしているうちに、気づけば彼の腕の中にいることも増え、そして甘く囁かれたのだった。
引っ込み思案の僕にとって、克彦は初めての恋人だった。
いろんなところに連れて行かれ、これまで経験したことのないことをたくさんした。
どれも面白かった。
僕も克彦のようになれるような気がしていた。
克彦のセックスも、これまでの体験とは全然違っていた。
とにかく僕の気持ちいいところを攻めに攻めて、おかしくなるほどだった。
あまりにもつらいので、やめてほしいと言うと、克彦はますます僕をよがらせ、泣かせ、焦らし、どうしようもなくなって、涙と唾液と先走りでぐちゃぐちゃになった僕がやっと「…早く、挿れて……僕を犯して……めちゃくちゃにして…」とねだるまでイカせてくれなかった。
あんなにモテる克彦だから、初めて浮気されたときには悲しくなったけど、僕は自分も責めた。
僕に魅力がないからだ、と思った。
わかったのはかかってきた電話だった。
セックスのあと、2人でベッドでだらけていると克彦のスマホが鳴り、その会話で僕が気づいた。
ショックがひどくてどうしようもなくて、「これで終わりだ」とも思ったけれど、克彦と別れることもできず、結局泣いてなりふり構わず克彦にすがった。
克彦は僕に「俺のほうこそごめん。彬だけだから」と言い、甘く抱きしめると髪にキスをした。
その後のセックスはこれ以上ないくらい優しかった。
しかし、それから僕たちの関係は少しずつ変わっていった。
僕がメールや電話をしてもなかなか連絡が取れないし、僕が誘っても「仕事が忙しい」とデートをすることはなくなった。
ただ、克彦が「やっと時間ができたんだ」と突然連絡を寄越し、指定されたホテルで抱かれることが増えた。
僕は忙しい合間を縫って克彦が時間を作ってくれている、と思い、嬉しくなった。
そうして、合鍵を渡した。
いつでも、克彦が僕に会いたいときに会えるように。
克彦はたまに合鍵で僕の部屋に入り、激しく僕を抱いた。
セックスのあと、「今日、ちょっとイヤなことがあって。彬に甘えてしまった」と話した。
それもまた僕を嬉しがらせるには十分だった。
2度目の浮気は「用事がある」と僕の誘いを断ったのに、克彦が別の男の子とデートしているのを見かけてしまってわかった。
「知り合いのコだよ」
と克彦は話していたけれど、あのバーでそのコの友達という子が、克彦とそのコの惚気話を延々と聞かされてまいった、と声高にしていた。
それっきり僕はそのバーに行くことを止めた。
浮気されるのは、僕に魅力がないせいだ。
またそう思った僕は、それ以上言及することはなかった。
3度目の浮気は、克彦につけられていた情事の痕でわかった。
夜中に合鍵で僕の部屋に来て僕のベッドにもぐり込み、服を脱いだ時見えた背中にくっきりとついていた爪痕とキスマークは言い訳のしようがなかった。
僕が萎え、その痕のことを指摘すると、克彦は「ちっ」と小さく舌打ちをした。
その晩、僕は抱かれるのを拒んだ。
しかし、「彬しかいないんだ。彬がそばにいなくてどうしようもなくなって抱いたんだ」と克彦は言った。
本当に克彦はくたびれていた。
疲れているのに興奮が冷めない自分を鎮めるために僕のところに来たのだ、と言った。
そんな情けない姿を見せる克彦に、僕はうっかり「克彦が癒せるのは僕だけだ」と思ってしまった。
そして、今回が4度目。
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