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第5話
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必死で手洗いし、アイロンをかけたハンカチを持って次の日、俺は遠藤さんと会った。
遠藤さんの車に乗り込むと、言ってた通り、海に向かった。
曇っていて冷たい風が吹いている。
正月早々のせいか、人気はない。
「さっびー!!」と俺が叫びながら車から降りると、遠藤さんも首をすくめてワインレッドのマフラーに顔を埋めていた。
さすがに今日は、俺もダウンのジャンパーを着ている。
でも、寒い。
遠藤さんは構わず歩き出し、どんどん波打ち際に近づいていく。
俺も砂に足を取られながら、追いかける。
波がかからないぎりぎりのところまで行くと、遠藤さんは止まった。
俺も横に立って、海を見た。
海は青黒かった。
空は灰色でどんよりしている。
全然、正月のめでたさはない。
なんでこんなところに来たがったんだろう?
そう思っていたら、遠藤さんが手を口元に添えた。
?
「猪野塚のばっか野郎ーーーーーーーー!!!」
?!
遠藤さんは叫んだ。
「猪野塚のばかーーーーーーーー!!!」
温和そうに見えた大人の遠藤さんの突然の行動に驚いた。
「え、遠藤さん…?」
「なに?」と遠藤さんはこちらを向いた。
「山本くんもやりなよ。気持ちいいよ」
遠藤さんはまた海に向かい叫んだ。
「風邪でドタキャンするならーーーー、もっと前にしろーーーーーーー!!!」
あ。
もしかして。
「社長さん?」
「そう。あの先輩、すっごく身勝手なんだ。
だから中途半端な時期に引き抜きしやがって。
帰省する、と言ってたのに正月にこっちを案内するから、と言って自分は風邪。
ひどいと思わない?
叫ばないとやってられないよ」
遠藤さんはまた叫んだ。
そして海を見たまま言った。
「山本くんは叫ばないの?」
「俺?」
「うん。
僕、もうちょっと叫ぶよ」
遠藤さんはにやっと笑って、大声を張り上げている。
大人なのに?
黙っていたら優しそうな男の人なのに?
腹が立ったからって、海に向かって叫んでいるの、この人?
俺は海を見た。
波の音が大きく響いている。
それに負けじと遠藤さんは叫んでいる。
もう言葉はなくて「うおーーーー!」とか「わあーーーーー!」とかになってる。
「山本くんもーーーーーー、叫べよーーーーーーー!
叫びたいことーーーーー、ないのかーーーーーー!」
!
ぐおっと腹の中からこみ上げる想い。
俺、この腹にどれだけの言葉を飲み込んできた?
どれだけの感情と怒りと悲しいと寂しいを飲み込んできた?
飲み込んで飲み込んで飲み込んで。
吐きそうなほど飲み込んで飲み込んで飲み込んで。
腹の中、冷たくなって。
なのに思い出すのは、暑い放課後の教室で。
抱きしめられた腕の力強さで。
張り裂けそうになる胸の痛みで。
会いたくて会いたくて会いたくて。
会えなくて。
息、できなくて。
「翔ちゃんのばかーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
もがくように叫んでいた。
「翔ちゃんのばかーーーばかーーーーーばかーーーーーーー!!!」
ばか!
「翔ちゃんのばかーーーーーーーーーーー!ばかーーーーーーーーーーー!!」
一度叫んでしまうと止まらなくなって。
「ばかーーーーーーーーーーーー!ばかーーーーーーーーーーーー!」
叫んで叫んで叫んで。
いつのまにか涙があふれてて。
でも止められなくて。
叫んでいて。
鼻水も出て。
止められなくて。
とにかく叫んで叫んで叫んで。
会いたくて会いたくてどうしようもなくて。
飲み込んだ言葉全部吐き出すように叫んで。
でも全然腹の中、カラにならなくて。
声が出なくなって。
そして、ふわりと柔らかい感触。
よく知った匂い。
うちの洗濯物の匂い……?
遠藤さんが、俺が今日返したばかりのハンカチを顔に押し当てていた。
俺は遠藤さんにされるがまま、また涙を拭われ、手首をつかまれ車に戻った。
遠藤さんはごそごそとし、チタンのカップを2つ取り出すとサーモスから熱々の液体を注いだ。
香ばしいコーヒーと甘いミルクの匂い。
「来る途中で買ってきたんだ。
マイボトル持参だといつでも熱々が飲めるよ」
差し出されたカップを受け取り飲むと、思ってた以上に身体が冷たくなっていた。
なんだか、俺は叫び過ぎて泣き過ぎて、軽く酸欠になったのか疲れたのか、ぼんやりとしてあまりものが考えられなくなっていた。
飲み終わると遠藤さんは、「正月二日からやってるナポリタンがうまい喫茶店を見つけたんだ」と言って車を出し、二人でナポリタンを食べた。
その夜、俺は久々に深く眠ったと思う。
なんだか気持ちよく疲れて、何も考えずに夜の10時過ぎにはベッドに入ってしまった。
俺はまた汚した遠藤さんのハンカチを持ち帰っていた。
そうして、月に1~2回、遠藤さんと会うようになった。
映画見たり、カフェでしゃべったり、買い物したり。
友達とするようなことを遠藤さんともした。
遠藤さんはこの街が初めてで、小さなことでも案内したり教えてあげたりすると、「すごいねー!」と聞いてくれた。
面白かったのは、遠藤さんと一緒に住宅街をあてもなく散歩することだった。
遠藤さんは少し、仕事モードが入りながら散歩をする。
そして時々、言う。
「もし、ここに公園を作るとしたらどうする?」
「この街にあとなにがあったら便利だと思う?」
最初は戸惑っていたけど、遠藤さんはもののとらえ方と共に一つの家だけではなく、街全体を考えながら建物を考えたり、あったらいいなと思う公共施設を考えていく。
遠藤さんの考えを聞くのは面白かった。
いいカフェがあったら、ふらりと入ってみる。
2人とも甘いものも結構いけるので、ケーキやホットサンドを食べてみたりもした。
***
金曜日の夜。
社会人になっても人づきあいはうまくならず、俺は飲みの誘いを断り、さっさと家に帰って、夕食の支度をした。
マサが帰ってきた。
俺は自分の部屋で電気もつけずにぼんやりとしていた。
「なーお、ただいま」
「おかえり」
ドアをノックして、俺が返事をしたのを合図にマサが部屋に入ってきた。
すぐに明かりをつけることなく、マサは後ろから抱きしめてきた。
俺の状況をすぐに変えようとしない。
それがとてもありがたかった。
「ねぇ、直」
「ん?」
「最近、直が落ち込んでいるのは『隣の翔ちゃん』のせい?」
俺は身体を固くした。
「翔ちゃん、って“あの”翔ちゃん?」
俺はうなずいた。
「そうか」
マサは大きな息を吐き出しながらそう言った。
俺はマサの腕にぎゅっとしがみついた。
ここに引っ越してきて、もう一か月以上が経っていた。
マサは無理矢理聞き出すことはしない。
初めて会った時初詣で泣いていたときも、次の日海で叫んだときも泣いた理由も翔ちゃんが誰かも、まったく聞かなかった。
いつでも俺が話すまで待ってくれる。
「ごめん、すぐに話せなくて。
突然のことで、実はまだパニックになってて、冷静になれない」
「いいよ、直。
ここに直が帰ってきてくれるのが、僕は嬉しい」
マサは俺の肩に顔を埋めた。
それに寄り添うように、俺は首を傾ける。
マサが隣の翔ちゃんのことを知ったのは、俺と同じように二人が別れの挨拶をしているときに名前を呼んだからだった。
隠していたのに、俺のひどい落ち込みようはマサには隠しきれていなかった。
何度も心配される言葉を聞いた。
俺はうまく説明できなかった。
それより、マサに翔ちゃんと再会したことを上手く話せそうになかった。
せっかくマサの部屋に一緒に住むようになったのに、それが悪いことだとマサに思ってほしくなかった。
「直、キスしていい?」
「なんだよ、いつもは聞かないくせに」
「ちょっと自信なくしちゃったかな?」
「キスしていいよ」
俺はマサの頬に手をやった。
マサはぐいっと俺を抱き込み、キスをした。
「もう一回いい?」
「マサが気が済むまでして」
「いいの?
めちゃくちゃにするかもしれないよ」
「俺もマサとキスしたいから。
おかえり、マサ」
何度も交わす慣れたキス。
マサとキスするのは好き。
幸せな気分になる。
暗闇の中、俺たちは気が済むまでキスをする。
遠藤さんの車に乗り込むと、言ってた通り、海に向かった。
曇っていて冷たい風が吹いている。
正月早々のせいか、人気はない。
「さっびー!!」と俺が叫びながら車から降りると、遠藤さんも首をすくめてワインレッドのマフラーに顔を埋めていた。
さすがに今日は、俺もダウンのジャンパーを着ている。
でも、寒い。
遠藤さんは構わず歩き出し、どんどん波打ち際に近づいていく。
俺も砂に足を取られながら、追いかける。
波がかからないぎりぎりのところまで行くと、遠藤さんは止まった。
俺も横に立って、海を見た。
海は青黒かった。
空は灰色でどんよりしている。
全然、正月のめでたさはない。
なんでこんなところに来たがったんだろう?
そう思っていたら、遠藤さんが手を口元に添えた。
?
「猪野塚のばっか野郎ーーーーーーーー!!!」
?!
遠藤さんは叫んだ。
「猪野塚のばかーーーーーーーー!!!」
温和そうに見えた大人の遠藤さんの突然の行動に驚いた。
「え、遠藤さん…?」
「なに?」と遠藤さんはこちらを向いた。
「山本くんもやりなよ。気持ちいいよ」
遠藤さんはまた海に向かい叫んだ。
「風邪でドタキャンするならーーーー、もっと前にしろーーーーーーー!!!」
あ。
もしかして。
「社長さん?」
「そう。あの先輩、すっごく身勝手なんだ。
だから中途半端な時期に引き抜きしやがって。
帰省する、と言ってたのに正月にこっちを案内するから、と言って自分は風邪。
ひどいと思わない?
叫ばないとやってられないよ」
遠藤さんはまた叫んだ。
そして海を見たまま言った。
「山本くんは叫ばないの?」
「俺?」
「うん。
僕、もうちょっと叫ぶよ」
遠藤さんはにやっと笑って、大声を張り上げている。
大人なのに?
黙っていたら優しそうな男の人なのに?
腹が立ったからって、海に向かって叫んでいるの、この人?
俺は海を見た。
波の音が大きく響いている。
それに負けじと遠藤さんは叫んでいる。
もう言葉はなくて「うおーーーー!」とか「わあーーーーー!」とかになってる。
「山本くんもーーーーーー、叫べよーーーーーーー!
叫びたいことーーーーー、ないのかーーーーーー!」
!
ぐおっと腹の中からこみ上げる想い。
俺、この腹にどれだけの言葉を飲み込んできた?
どれだけの感情と怒りと悲しいと寂しいを飲み込んできた?
飲み込んで飲み込んで飲み込んで。
吐きそうなほど飲み込んで飲み込んで飲み込んで。
腹の中、冷たくなって。
なのに思い出すのは、暑い放課後の教室で。
抱きしめられた腕の力強さで。
張り裂けそうになる胸の痛みで。
会いたくて会いたくて会いたくて。
会えなくて。
息、できなくて。
「翔ちゃんのばかーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
もがくように叫んでいた。
「翔ちゃんのばかーーーばかーーーーーばかーーーーーーー!!!」
ばか!
「翔ちゃんのばかーーーーーーーーーーー!ばかーーーーーーーーーーー!!」
一度叫んでしまうと止まらなくなって。
「ばかーーーーーーーーーーーー!ばかーーーーーーーーーーーー!」
叫んで叫んで叫んで。
いつのまにか涙があふれてて。
でも止められなくて。
叫んでいて。
鼻水も出て。
止められなくて。
とにかく叫んで叫んで叫んで。
会いたくて会いたくてどうしようもなくて。
飲み込んだ言葉全部吐き出すように叫んで。
でも全然腹の中、カラにならなくて。
声が出なくなって。
そして、ふわりと柔らかい感触。
よく知った匂い。
うちの洗濯物の匂い……?
遠藤さんが、俺が今日返したばかりのハンカチを顔に押し当てていた。
俺は遠藤さんにされるがまま、また涙を拭われ、手首をつかまれ車に戻った。
遠藤さんはごそごそとし、チタンのカップを2つ取り出すとサーモスから熱々の液体を注いだ。
香ばしいコーヒーと甘いミルクの匂い。
「来る途中で買ってきたんだ。
マイボトル持参だといつでも熱々が飲めるよ」
差し出されたカップを受け取り飲むと、思ってた以上に身体が冷たくなっていた。
なんだか、俺は叫び過ぎて泣き過ぎて、軽く酸欠になったのか疲れたのか、ぼんやりとしてあまりものが考えられなくなっていた。
飲み終わると遠藤さんは、「正月二日からやってるナポリタンがうまい喫茶店を見つけたんだ」と言って車を出し、二人でナポリタンを食べた。
その夜、俺は久々に深く眠ったと思う。
なんだか気持ちよく疲れて、何も考えずに夜の10時過ぎにはベッドに入ってしまった。
俺はまた汚した遠藤さんのハンカチを持ち帰っていた。
そうして、月に1~2回、遠藤さんと会うようになった。
映画見たり、カフェでしゃべったり、買い物したり。
友達とするようなことを遠藤さんともした。
遠藤さんはこの街が初めてで、小さなことでも案内したり教えてあげたりすると、「すごいねー!」と聞いてくれた。
面白かったのは、遠藤さんと一緒に住宅街をあてもなく散歩することだった。
遠藤さんは少し、仕事モードが入りながら散歩をする。
そして時々、言う。
「もし、ここに公園を作るとしたらどうする?」
「この街にあとなにがあったら便利だと思う?」
最初は戸惑っていたけど、遠藤さんはもののとらえ方と共に一つの家だけではなく、街全体を考えながら建物を考えたり、あったらいいなと思う公共施設を考えていく。
遠藤さんの考えを聞くのは面白かった。
いいカフェがあったら、ふらりと入ってみる。
2人とも甘いものも結構いけるので、ケーキやホットサンドを食べてみたりもした。
***
金曜日の夜。
社会人になっても人づきあいはうまくならず、俺は飲みの誘いを断り、さっさと家に帰って、夕食の支度をした。
マサが帰ってきた。
俺は自分の部屋で電気もつけずにぼんやりとしていた。
「なーお、ただいま」
「おかえり」
ドアをノックして、俺が返事をしたのを合図にマサが部屋に入ってきた。
すぐに明かりをつけることなく、マサは後ろから抱きしめてきた。
俺の状況をすぐに変えようとしない。
それがとてもありがたかった。
「ねぇ、直」
「ん?」
「最近、直が落ち込んでいるのは『隣の翔ちゃん』のせい?」
俺は身体を固くした。
「翔ちゃん、って“あの”翔ちゃん?」
俺はうなずいた。
「そうか」
マサは大きな息を吐き出しながらそう言った。
俺はマサの腕にぎゅっとしがみついた。
ここに引っ越してきて、もう一か月以上が経っていた。
マサは無理矢理聞き出すことはしない。
初めて会った時初詣で泣いていたときも、次の日海で叫んだときも泣いた理由も翔ちゃんが誰かも、まったく聞かなかった。
いつでも俺が話すまで待ってくれる。
「ごめん、すぐに話せなくて。
突然のことで、実はまだパニックになってて、冷静になれない」
「いいよ、直。
ここに直が帰ってきてくれるのが、僕は嬉しい」
マサは俺の肩に顔を埋めた。
それに寄り添うように、俺は首を傾ける。
マサが隣の翔ちゃんのことを知ったのは、俺と同じように二人が別れの挨拶をしているときに名前を呼んだからだった。
隠していたのに、俺のひどい落ち込みようはマサには隠しきれていなかった。
何度も心配される言葉を聞いた。
俺はうまく説明できなかった。
それより、マサに翔ちゃんと再会したことを上手く話せそうになかった。
せっかくマサの部屋に一緒に住むようになったのに、それが悪いことだとマサに思ってほしくなかった。
「直、キスしていい?」
「なんだよ、いつもは聞かないくせに」
「ちょっと自信なくしちゃったかな?」
「キスしていいよ」
俺はマサの頬に手をやった。
マサはぐいっと俺を抱き込み、キスをした。
「もう一回いい?」
「マサが気が済むまでして」
「いいの?
めちゃくちゃにするかもしれないよ」
「俺もマサとキスしたいから。
おかえり、マサ」
何度も交わす慣れたキス。
マサとキスするのは好き。
幸せな気分になる。
暗闇の中、俺たちは気が済むまでキスをする。
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