【短編未満集】かけらばこ

ドラゴンの食事 かけら（２）

どうしましょう！
パトラッシュがっ！
パトラッシュがっ！

「だめっ、パトラッシュ、だめだったら！
人の姿で外に出るなら、何か着てぇぇぇぇっ！」

ドラゴンなので、パトラッシュは基本全裸です。
人の姿になると目のやり場に困りますが、少なくとも僕の貧弱な身体よりずっとカッコいいです。
でも、そのまま外に出たらだめぇぇぇぇぇっ！

結局、パトラッシュに合う服なんて持ってなかったので、僕の一番丈の長いローブをかぶせました。
それでも膝が見えていて、短すぎます。
そして、それだけです。
僕のズボンは入るはずもないし、し、下着もそうだし、もし入っても貸したくないし…

「それで、どっちだ？」

なんとパトラッシュは僕を右腕一本で抱き上げ、歩き出しました！

「あのっ、下してください。
僕、歩けますからっ！」

パトラッシュはちらりとこちらを見ただけで、無言で部屋の外に出ました。
もう仕方ありません。
僕は往来で突き刺さる好奇の視線にさらされながら、パトラッシュに指示して登録所に行きました。

僕が目を回して倒れたからなんです。
パトラッシュは自分の食事を中断して、僕を休ませてくれたようです。
なんて優しいコなんだろう。
倒れた理由を聞かれ、僕は恥を忍んでお金がなくて食べ物が買えないことを話しました。
それが大変だったんですよ。
パトラッシュにはお金がなんなのか知らないわけですから、その仕組みについて話さなくちゃいけなくて。

ようやくなんとか、この状況をわかってもらったかと思うと、お金の稼ぎ方を聞かれました。

「いつもは登録所に行って、依頼を探すんです。
顔見知りの小さな怪我治しは本人と直接交渉ですけど。
僕にできることは小さなモンスターを退治することくらいですかね」

「モンスター退治？」

街と街の間にはたくさんのモンスターが出現します。
たまに街はずれに出てきて、子どもや小さくて弱い人を襲う







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