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銀狐の章
第070話「第一次鍋大戦 ②」
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「お主様が鍋奉行じゃと!」
「ニャンと!ならば儂がアク代官をするのニャ!」
挙手しようとする手をシェンががっしりとつかんだ。
「何かな野良狐?」
「それは我様のセリフじゃ」
両者にらみ合ったまま動かない。
「ここは先輩を立てて、アク代官の役を譲るのじゃ」
「それとこれは関係ないのニャ」
「これは……愛の共同作業なのじゃ」
「「「愛の……共同作業!?」」」
シェンの言葉に三人が反応する。
いや、鍋だよね。
普通にみんなで楽しく鍋を囲んで食べましょうって話だよね。
「鍋にはそんな深い意味合いが……」
光、信じるな。鍋をつつくのにそれ以外に意味はない。深い意味も浅い意味もない。
「そうね……二人で色々としゃぶしゃぶ♡出来ちゃうものね」
なんだよ色々としゃぶしゃぶ♡って。
「鍋を制する者は世界を制す……アク代官に儂はなる!」
どこかの海賊王みたいなセリフを吐きやがったぞこの神猫は!
――面倒くさい。
「じゃあ、アク代官はニャンにお願いしようかな」
「なんじゃと!?お主様という奴は……焦らしなのか……これが【焦らしぷれい】というやつなのか!」
いや、普通の鍋を食べたいだけなのだが……
そう言っている間にお鍋がいい感じにぐつぐつと心地いい音を立て始める。
アク代官は初めニャンに任せていたが、ニャンは飽きっぽい性格らしく五分も続けることができなかった。というのも、オタマではなく悪を手で取ろうとしてしまうのだ。
「ぐぬぬ、どうしても手が出てしまうのニャ」
猫としての本能なのか、ゆらゆらと動く物についつい手が出てしまうのだという。
あんな危なっかしい奴にアク代官は務まらない。
結局、アク代官は交代制になった。
□■□■□■□■用語解説□■□■□■□■
【愛の共同作業】
夫婦二人のはじめての共同作業はケーキ入刀だと言われている。深い意味はない……深い意味などない。
【アク代官に……儂はなる!】
人気漫画『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィの台詞「海賊王に俺はなる」これは「オレは海賊王になる」の「かき混ぜ文」、何故か人を引き付ける意味合いを持つ。
「ニャンと!ならば儂がアク代官をするのニャ!」
挙手しようとする手をシェンががっしりとつかんだ。
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「それは我様のセリフじゃ」
両者にらみ合ったまま動かない。
「ここは先輩を立てて、アク代官の役を譲るのじゃ」
「それとこれは関係ないのニャ」
「これは……愛の共同作業なのじゃ」
「「「愛の……共同作業!?」」」
シェンの言葉に三人が反応する。
いや、鍋だよね。
普通にみんなで楽しく鍋を囲んで食べましょうって話だよね。
「鍋にはそんな深い意味合いが……」
光、信じるな。鍋をつつくのにそれ以外に意味はない。深い意味も浅い意味もない。
「そうね……二人で色々としゃぶしゃぶ♡出来ちゃうものね」
なんだよ色々としゃぶしゃぶ♡って。
「鍋を制する者は世界を制す……アク代官に儂はなる!」
どこかの海賊王みたいなセリフを吐きやがったぞこの神猫は!
――面倒くさい。
「じゃあ、アク代官はニャンにお願いしようかな」
「なんじゃと!?お主様という奴は……焦らしなのか……これが【焦らしぷれい】というやつなのか!」
いや、普通の鍋を食べたいだけなのだが……
そう言っている間にお鍋がいい感じにぐつぐつと心地いい音を立て始める。
アク代官は初めニャンに任せていたが、ニャンは飽きっぽい性格らしく五分も続けることができなかった。というのも、オタマではなく悪を手で取ろうとしてしまうのだ。
「ぐぬぬ、どうしても手が出てしまうのニャ」
猫としての本能なのか、ゆらゆらと動く物についつい手が出てしまうのだという。
あんな危なっかしい奴にアク代官は務まらない。
結局、アク代官は交代制になった。
□■□■□■□■用語解説□■□■□■□■
【愛の共同作業】
夫婦二人のはじめての共同作業はケーキ入刀だと言われている。深い意味はない……深い意味などない。
【アク代官に……儂はなる!】
人気漫画『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィの台詞「海賊王に俺はなる」これは「オレは海賊王になる」の「かき混ぜ文」、何故か人を引き付ける意味合いを持つ。
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