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第一章「勇者=男 私=女」
第000話「プロローグ ①目覚め」
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オレは森の中で目を覚ました。
見慣れない植物、時折聞こえる奇怪な動物の鳴き声。
そこはオレの記憶にあるどの森とも異なっていた。
――あれ?
おぼろげながらの記憶の断片。
――オレは……
確か学校に行くために家を出たはずだ。
その証拠に手には鞄がある。制服が……って、なんだか服が大きくなって……いや、これってオレが縮んでないか?
「まったく……どうなっているんだ……」
思わずひとり呟いて気づく。オレってこんなに声高かったか?
そう……まるで女の子のような……
――ちょっと待て!
オレは立ち上がる。制服がだぼだぼだった。
この下半身の違和感。ほんのちょっとだが胸が重いような感覚。
――まさかアレなのか!?
オレは自分の身体を触りまくった。
――めちゃくちゃ柔らかい!
いや、そんなことに感心している場合じゃない。
――なんだこれ、なんだこれ!?
半ばパニックになりながら立ち上がる。
水を被れば女の子とか――こんな感覚なのか?
とりあえず周囲の状況を確認しなければ。
ベルトを締め直し、ズボンの裾を曲げると何とか歩けるようになった。革靴が少しだけ大きいが歩けないということはない。
カポカポと変な音を立てながらオレは森の中をさ迷い歩いた。
――考えろオレ!
いきなりのサバイバル空間。
手持ちにあるのはカバン――中身は教科書と筆記用具のみ。
そうだ【無人島物●】を思い出せ。
オレはあの過酷な環境でもグッドエンディングを迎えられたじゃないか。
あの経験は無駄じゃない。
――まずは、水の確保だ。
オレの中の魂がそう囁く。
大丈夫。オレなら生き残れる。
この過酷な環境も、オレの知識で乗り切れるはずだ。
◆ ◆ ◆ ◆
【無人島物語】
シミュレーションゲーム。
1996年発売。
PCのゲームの移植版。
六人の仲間と共に無人島を脱出するのが目的だが、それだけでは真のエンディングにはたどり着けない。
マルチエンディングとなっており、何度もプリする楽しみがあった。
【水を被ると女の子】
高橋留美子の漫画作品「らんま1/2」の主人公――早乙女乱馬のこと。彼は幼い頃から父親に連れられて武者修行の旅を続け、中国に修行に行った際に呪泉郷の「娘溺泉」に落ちたことで水をかぶると女になり、湯をかぶると男に戻る体質となった。面白いので是非一読!
見慣れない植物、時折聞こえる奇怪な動物の鳴き声。
そこはオレの記憶にあるどの森とも異なっていた。
――あれ?
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その証拠に手には鞄がある。制服が……って、なんだか服が大きくなって……いや、これってオレが縮んでないか?
「まったく……どうなっているんだ……」
思わずひとり呟いて気づく。オレってこんなに声高かったか?
そう……まるで女の子のような……
――ちょっと待て!
オレは立ち上がる。制服がだぼだぼだった。
この下半身の違和感。ほんのちょっとだが胸が重いような感覚。
――まさかアレなのか!?
オレは自分の身体を触りまくった。
――めちゃくちゃ柔らかい!
いや、そんなことに感心している場合じゃない。
――なんだこれ、なんだこれ!?
半ばパニックになりながら立ち上がる。
水を被れば女の子とか――こんな感覚なのか?
とりあえず周囲の状況を確認しなければ。
ベルトを締め直し、ズボンの裾を曲げると何とか歩けるようになった。革靴が少しだけ大きいが歩けないということはない。
カポカポと変な音を立てながらオレは森の中をさ迷い歩いた。
――考えろオレ!
いきなりのサバイバル空間。
手持ちにあるのはカバン――中身は教科書と筆記用具のみ。
そうだ【無人島物●】を思い出せ。
オレはあの過酷な環境でもグッドエンディングを迎えられたじゃないか。
あの経験は無駄じゃない。
――まずは、水の確保だ。
オレの中の魂がそう囁く。
大丈夫。オレなら生き残れる。
この過酷な環境も、オレの知識で乗り切れるはずだ。
◆ ◆ ◆ ◆
【無人島物語】
シミュレーションゲーム。
1996年発売。
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