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第四章「カルネアデス編」
第94.5話 045メザイヤ編「黒き殺戮者 ②」
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「ノゾミ殿……今、なんとおっしゃいました?」
おや、耳でも遠くなったのか。
ダンベル副団長は目を瞬かせながらオレを見つめていた。
アマンダ団長も口をあんぐりと開けたまま固まっている。
「だから……ヤムダを倒したのはオレだ」
「黒竜族の?」
「そう」
「あの殺し屋ヤムダを?」
「そうそう」
「しかも、先ほどまでその妹【黒き殺戮者】ヨルダと戦って……しかも勝ったと?」
「そうそうそう」
応接室がしんと静まり返っている。
「あの……ノゾミ殿……ノゾミ殿を疑うわけではないのですが……」
挙動不審なダンベル副団長。
隣にいるミネルバも半信半疑だ。
オレは正直に言っただけなのに疑われるなんて。
だが、それはそうだろ。今まで恐怖の対象だった者を倒した者が目の前にいるとか――どんな冗談だよ。
「証拠か……これならどうだ?」
オレは「内密にな」と言いながら右腕を伸ばす。
「竜人化!」
ぶわっと腕が膨らみ黒々とした鱗を持つ竜の腕。
「なっ!?」
アマンダ団長。
「えっ!? うそ!?」
ミネルバ。
「おいおいおいおいおいおいおいおい!」
ダンベル副団長。
三者三様の反応。
「これは黒竜族の腕だ」
「そんなことは分かっている!!!!!」
アマンダ団長は驚きに目を見開いたまま硬直している。
「お前は……いったい何者?」
「え……っと、冒険者見習い?」
「んなわけあるか!」
アマンダ団長が本気でキレた。
まったく、怒りっぽいなぁ、カルシウムが足りんのではないかね。白いものなら用意できるがいかがかな――なんちって。
「詳しくは言えないが、オレは倒した者の能力を奪うことができる」
オレの説明に三人はまたもや絶句する。
まあ、倒さなくても能力を獲得することはできるけどね。
女性限定だけど!女性限定だけど!!
「そんな魔法があるのか!?」
ミネルバはハッとしたようにオレを見る。そういえば彼女にはオレが複数の属性魔法を使えるところを見せてしまっていた。
「いや、魔法ではないんだけどね」
「魔法使いではないけど……ノゾミは火魔法と暗黒魔法を使っていましたよね」
「それだけじゃない。風魔法も使える」
ミネルバの前では火魔法と暗黒魔法――睡魔と魅了を使っている。火魔法、風魔法を使うのはダンベル副団長との戦いで皆に見せている。
「さ、三属性!?」
ミネルバはもう泣きそうな顔だ。
「それって……もはや伝説級じゃないか!」
アマンダ団長がわなわなと震えている。
いや、光魔法も土魔法も使えるんだけど。今言うととんでもないことになるので黙っておこう。
「魔法も使えて、黒竜族の力も使えるとは……」
もはや言葉を失ってしまった三人。
どうしよう。気まずい雰囲気だ。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃないか」
「「「どうでもよくない!」」」
オレは三人に同時に怒られた。
おや、耳でも遠くなったのか。
ダンベル副団長は目を瞬かせながらオレを見つめていた。
アマンダ団長も口をあんぐりと開けたまま固まっている。
「だから……ヤムダを倒したのはオレだ」
「黒竜族の?」
「そう」
「あの殺し屋ヤムダを?」
「そうそう」
「しかも、先ほどまでその妹【黒き殺戮者】ヨルダと戦って……しかも勝ったと?」
「そうそうそう」
応接室がしんと静まり返っている。
「あの……ノゾミ殿……ノゾミ殿を疑うわけではないのですが……」
挙動不審なダンベル副団長。
隣にいるミネルバも半信半疑だ。
オレは正直に言っただけなのに疑われるなんて。
だが、それはそうだろ。今まで恐怖の対象だった者を倒した者が目の前にいるとか――どんな冗談だよ。
「証拠か……これならどうだ?」
オレは「内密にな」と言いながら右腕を伸ばす。
「竜人化!」
ぶわっと腕が膨らみ黒々とした鱗を持つ竜の腕。
「なっ!?」
アマンダ団長。
「えっ!? うそ!?」
ミネルバ。
「おいおいおいおいおいおいおいおい!」
ダンベル副団長。
三者三様の反応。
「これは黒竜族の腕だ」
「そんなことは分かっている!!!!!」
アマンダ団長は驚きに目を見開いたまま硬直している。
「お前は……いったい何者?」
「え……っと、冒険者見習い?」
「んなわけあるか!」
アマンダ団長が本気でキレた。
まったく、怒りっぽいなぁ、カルシウムが足りんのではないかね。白いものなら用意できるがいかがかな――なんちって。
「詳しくは言えないが、オレは倒した者の能力を奪うことができる」
オレの説明に三人はまたもや絶句する。
まあ、倒さなくても能力を獲得することはできるけどね。
女性限定だけど!女性限定だけど!!
「そんな魔法があるのか!?」
ミネルバはハッとしたようにオレを見る。そういえば彼女にはオレが複数の属性魔法を使えるところを見せてしまっていた。
「いや、魔法ではないんだけどね」
「魔法使いではないけど……ノゾミは火魔法と暗黒魔法を使っていましたよね」
「それだけじゃない。風魔法も使える」
ミネルバの前では火魔法と暗黒魔法――睡魔と魅了を使っている。火魔法、風魔法を使うのはダンベル副団長との戦いで皆に見せている。
「さ、三属性!?」
ミネルバはもう泣きそうな顔だ。
「それって……もはや伝説級じゃないか!」
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いや、光魔法も土魔法も使えるんだけど。今言うととんでもないことになるので黙っておこう。
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もはや言葉を失ってしまった三人。
どうしよう。気まずい雰囲気だ。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃないか」
「「「どうでもよくない!」」」
オレは三人に同時に怒られた。
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