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第四章「カルネアデス編」
第228.5話 014「if-story アンナ ①」
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風が舞う。
風はやがて大きなうねりとなって中空に大きな球を作り出す。
風の中心には炎があった。荒れ狂う大きな奔流となって渦巻いている。
オレは神経を研ぎ澄ませ目の前で起こる奇跡を見つめていた。
やがて炎は消え、風のうねりも霧散していく。
「ふう」
緊張の糸が切れたのかアンナは大きく息を吐いた。
「お疲れさん」
コップに注いだ麦茶を渡すとアンナは「ありがとうございます」とコップを受け取ってくれた。
カルネアデスの世界での魔法の具現化。
未だ初級の魔法しかできていない。
本来であればさらに強力な魔法を行使することができた。
アンナは白竜族の巫女、そもそもの魔法属性は光だ。今彼女が挑戦していたのは風と火の合成魔法。
オレの場合は風魔法の雷撃と火魔法の合成魔法――ファイアボルトを好んで使っている。
なぜかって? いや、だって魔法の響きがカッコイイから!
威力も申し分ない。冷気系の魔法はちょっと苦手だ。それは温度を下げるよりも上げる方がより精密な作業を必要とするからだ。
それにマザーが監視するカルネアデス内において魔法を使うことはそれなりにリスクを伴う。だが、どれだけの魔法を使うことができるのか知ることも大切だった。
「ノゾミ様」
「ん?」
なんだ改まって、ちょっと身構えてしまうじゃないか。
「お昼からのご予定をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
何を改まって……まさか。
お昼から夜までフルコース……とかか!
「べべべ、別に――暇だけどぉ、お金にも少し余裕があるけどぉ」
フリータイムでイヤイヤ、いっそのことお泊りしてもいいかもしれない。
「よかった」
アンナは安心したように手を握ってきた。
「一人で行こうかどうか迷っていたんです」
――ん? 一人で行く?
なんか話がかみ合わない。
彼女を見るとどことなく、というかかなり嬉しそうだ。
昼からオレとアンナは出かけることになった。
風はやがて大きなうねりとなって中空に大きな球を作り出す。
風の中心には炎があった。荒れ狂う大きな奔流となって渦巻いている。
オレは神経を研ぎ澄ませ目の前で起こる奇跡を見つめていた。
やがて炎は消え、風のうねりも霧散していく。
「ふう」
緊張の糸が切れたのかアンナは大きく息を吐いた。
「お疲れさん」
コップに注いだ麦茶を渡すとアンナは「ありがとうございます」とコップを受け取ってくれた。
カルネアデスの世界での魔法の具現化。
未だ初級の魔法しかできていない。
本来であればさらに強力な魔法を行使することができた。
アンナは白竜族の巫女、そもそもの魔法属性は光だ。今彼女が挑戦していたのは風と火の合成魔法。
オレの場合は風魔法の雷撃と火魔法の合成魔法――ファイアボルトを好んで使っている。
なぜかって? いや、だって魔法の響きがカッコイイから!
威力も申し分ない。冷気系の魔法はちょっと苦手だ。それは温度を下げるよりも上げる方がより精密な作業を必要とするからだ。
それにマザーが監視するカルネアデス内において魔法を使うことはそれなりにリスクを伴う。だが、どれだけの魔法を使うことができるのか知ることも大切だった。
「ノゾミ様」
「ん?」
なんだ改まって、ちょっと身構えてしまうじゃないか。
「お昼からのご予定をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
何を改まって……まさか。
お昼から夜までフルコース……とかか!
「べべべ、別に――暇だけどぉ、お金にも少し余裕があるけどぉ」
フリータイムでイヤイヤ、いっそのことお泊りしてもいいかもしれない。
「よかった」
アンナは安心したように手を握ってきた。
「一人で行こうかどうか迷っていたんです」
――ん? 一人で行く?
なんか話がかみ合わない。
彼女を見るとどことなく、というかかなり嬉しそうだ。
昼からオレとアンナは出かけることになった。
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