【セックス＆マジック】 魔法の発達した未開拓惑星に到着しました！スキル【魅了】で女の子たちをくわしく調査♡します

第四章「カルネアデス編」

第184話「カルネアデスの世界 ④」

　タニアの運転で車は進む。そもそもなんで魔法世界出身のタニアが車の運転ができるのか不思議だった。
　そう質問してみると。

「この世界には何度も来ているからね。練習とかもしたし」

　そんなに頻繁に来れるものなのかはなはだ不思議だったが、タニアがそういうのであればそうなのだろう。
　しかし、一体どうやって車の練習をしたというのか。

「いやあ、最初は何が何だかわからなくてしょっちゅうぶつけていたりしたんだよね」

　しれっととんでもないことを言う。まあ、自動車学校に通ってましたということなないだろう。

「車が一台も通っていないですね」

　アンナが緊張した声で呟く。
　いつ襲われるのか分からない状況だ。このまま学校に無事に到着できるかどうかもわからない。

「ノゾミン、ちょっと提案なんだけど」

「なんだ？」

「ショッピングセンターに向かっていいかな？」

「ショッピングセンター？」

「ほら、何の準備もないまま飛び出してきただろ。だから色々と準備したいんだよ」

　乙女には色々と準備が必要なのさとタニアは意味深なことを言った。この世界は現実の世界ではない――だが、それでもお腹はすくし色々と制約もある。
　マヤは魔法を使えない。
　オレが魔法を使えたことにひどく驚いていた感じではあった。

「タニア……お前は魔法か使えるのか？」

「もちろんだよ」

　なぬ。ならばあんなに苦労して逃げなくても実はよかったんじゃないのか。迎撃して撃破してしまえばよかったんじゃないのか。
　まあ、おかげでオレも魔法を使えることが分かったので結果オーライではあるが。

「う～ん。魔法を使えるけど戦えるかどうかは疑問だね」

　タニアにしては弱気な発言だった。

「何度もいうけど、この世界はカルネアデスの中の世界なんだ。正直、いつ魔法が使えなくなっても不思議じゃない」

「……というと？」

「魔法が使えること自体がこの世界にとってのイレギュラーなんだ」

　そもそもこの世界は魔法という概念が存在しない。その中で具現化される奇跡の力――魔法――はこの世界にとってバグそのものだ。

「マザーがいつまでもこの状態を静観しているとは思えないね。だから、ボクたちは魔法以外の力で対抗できるようにならないといけないんだ」

「じゃあ、どうするっていうんだ？」

「だから、ちょっとショッピングに行くんだよ」

　タニアはにやりと笑う。
　その笑顔の意味を知るのはそれからしばらくしての事だった。