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第一章「いきなり冒険者」

 第48.5話 004「アンナと白竜族 ③」

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 オレたちは別の場所へと移動した。
 集会などを行う広場なのか、やはり岩場をくり抜いた場所だが高さがあり、かなり広い。
 アンナや他の白竜族の者たちが見守る中で、オレとゲルガは対峙する。

「オレの名はゲルガ、白竜族の長の息子にして白竜族最強の戦士!」

 自分で最強とか言ってるし。
 ふーん。どれどれ。

 ゲルガ 拳闘士LV40

 まあ、威張っているだけのことはある。強さだけで言えば聖騎士と互角といったところか。
 オレはLV50。レベルだけでも単純に圧勝できる。

「ノゾミ様、ゲルガは体術の達人。お気をつけて」

「ああ、分かってる」

 油断してしまうところだった。これは真剣試合。相手はこちらを殺す気でいるのだ。
 ところで……そもそとなんでここまでして戦う必要があるのか。極端な話、逃げれば勝ちではないのか。

「お兄ちゃん頑張ってね。勝ったらいっぱいサービスしてあげるね」

 ぶっちゃけ過ぎのマヤ。

「……勝ちましたら……その……ご褒美といいますか……ノゾミ様の望むがままに……」

 恥じらいながらのアンナ。

「やる! 絶対に勝つ!」

 ふん。男って単純!

オレは気合を入れてゲルガに対峙する。

「くそ! アンナ様とあんなに親しげに……許すまじ!」

 ゲルガ激怒。気迫が増し、殺気が膨らむ。
 あれ、これって逆効果!?

「では、両者始め!」

 老婆の声が高らかに響き渡った。
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