207 / 324
第5巻第3章 過去の世界へ
エリーvsマヤ1
しおりを挟む
エリーがマヤたちの宿に泊まって、朝に帰っていった日の夕方のこと。
「マヤ!」
マヤたちが宿の部屋でその日集めた情報を整理していると、エリーがノックもなくドアを勢いよく開けて部屋に入ってきた。
「うわっ!? びっくりしたあ……」
「できたわ!」
「いやちょっとは驚いた私に謝罪とかは……まあいいや、何ができたの?」
興奮気味に鼻息を荒くするエリーに、マヤは文句を言うのを途中で諦める。
今のエリーに何を言っても無駄だろうと思ったので、エリーの要件を聞くことにしたのだ。
「よくぞ聞いてくれたわ。できたのよ、6つの魔法の並列発動が!」
「へえ、すごいじゃん! ていうか昨日の今日でできるものなの?」
質問されたシャルルは、わかりやすく困った表情をする。
「私に聞かれても困る。私はマヤと違って普通の魔法も使えるが、冒険者として修得しておかないと困るような基礎的な魔法が使えるというだけだからな」
そう言って首を振るシャルルの動きに合わせて、その顔の下で片方だけでその顔くらいありそうな大きな2つの膨らみが左右に揺れる。
今日は先にお風呂に入ってきたので、シャルルはさらしを外し、さらには今日の昼にマヤが見繕った女性物の下着をつけ、女性物の寝間着に身を包んでいる。
「普通は一朝一夕でどうにかなるものじゃないわ。そもそも魔法2つの並列発動ですらできずに挫折する魔法使いのほうが多いんだから」
「そういうものなんだ。ちなみにエリーは元々いくつまで並列発動できてたの?」
「3つよ。さっきも言ったみたいに、魔法2つの並列発動でも挫折する魔法使いのほうが多いの。3つできるだけでも十分すごいんだからね? 本当なのよ? 本当なんだけど……」
エリーは今日も大事そうに胸に抱えているオリガの魔法入門に目を落とす。
「この本を読むと、魔法6つまでの並列発動は努力次第で誰でもできる、みたいなことが書いてあるのよね……」
「あはは、まあそれを書いた人も当然のように6つ並列発動しているしね」
「やっぱりそうなのね。でも確かに私もできるようになったし……私の認識が間違っていたのかしら?」
「いやー、どうだろう? その本って、実はダークエルフの作者が、エルフ向けに書いたやつなんだけど、特に優秀なエルフの魔法使いに読ませたら誰も最後まで読みきれなかったんだよね。難しすぎるー、ってみんな読むのやめちゃって」
「そうなの? こんなに面白いのに……」
「だからその本を夢中になって読めるエリーみたいな魔法好きのエルフにとっては魔法6つの並列発動くらいは努力次第でできるようになる、ってことなんじゃないかな」
「なるほど、確かにそれは一理あるかもしれないわ。言われてみれば、あまりにも細かく解説しすぎてて全然入門書じゃないし」
「ね? 言った通りでしょう? まあでも、エリーがその本を気に入ってくれたみたいで良かったよ」
「ええ、とってもに気に入ったわ。それでマヤ、1つお願いがあるんだけど……」
オリガの魔法入門を胸に抱いてもじもじし始めたエリーに、マヤは首を傾げる。
今さらノックもなしに部屋に入ってきたことを謝ろうと思ったのだろうか。
わざわざ指摘したりはしないが、マヤたちは奴隷王の調査をしているため、念のため話を始める前に部屋の鍵はかけている。
そして当然、この宿の鍵にも初歩的な鍵開けの魔法を無効化する魔法は付与されている。
しかし、エリーは難なく、というかおそらく無意識に鍵にかけられた無効化の魔法を無視できるほどの高度な鍵開けの魔法を使って鍵を開けて入ってきた。
お陰でマヤは、自身に強化魔法を付与して高速で動き、エリーがドアノブに手をかけてからドアを開くまでの一瞬で、奴隷王に関する調査をまとめた書類をひとまず収納袋に突っ込んで隠す羽目になった。
なので、今更どうでもいいことだが、エリーは入ってきた時の驚きは完全に演技だったりする。
「ん? 何かな?」
「この本、私に売ってくれないかしら?」
「ああ、そんなことね。別にいいよ、っていうかあげるよ」
「いいの!?」
「うん。どうせ余ってる本だし。その本の作者も内容をわかってくれて、夢中で読んでくれる人がいて嬉しいと思うよ」
「ありがとう! 一生大切にするわ!」
「うん、大切にしてあげて」
「もちろん! それでねマヤ、もう一つお願いがあるんだけど……」
「今度は何かな? やっぱり作者に会わせてほしいって言うのはなしだよ?」
「そんなことお願いしないわ! そもそも、あの後帰ってからもこの本を読んでたんだけど、この本の作者様は私なんかとはレベルが違いすぎて、会うなんて恐れ多くて無理よ」
「そんなにすごいの……? まあでも作者に会おうって気持ちがなくなってくれたらなら私としては助かるからいいけど。でもそれじゃあお願いって何?」
「そのね、私と戦ってみてほしいの」
「エリーと? 私が?」
「うん。今朝シャルルさんから、マヤはとっても強いって聞いたわ」
「あー、たしかにそんな話してたね」
それは今朝エリーが帰る前、宿の食堂での朝食の時の話だ。
話の流れでエリーが「シャルルさんの方が強そうだけど、実際シャルルさんとマヤだったらどっちが強いの?」という質問をシャルルにしたのだ。
それに対してシャルルは「断然マヤの方が強い。魔物使いとして力だけでも剣士である私を圧倒できるだろうが、剣でもマヤは私を圧倒している」と答えたのだ。
もちろん何でもかんでも答えていたわけではなく、エリーを巻き込んでしまわないためにも、奴隷王について調べていることなどは一切話さないようにしている。
今朝のシャルルの回答にしても、答える前に一瞬マヤにアイコンタクトで了解を取った上で答えたものだ。
「だからね、今の私がどれくらい強いか知りたいの。胸を貸してくれないかしら?」
「なるほど……魔法を6つ並列発動できる魔法使いとの勝負か、確かに面白そうだね。でも、2つだけ約束して」
「何かしら?」
「1つは相手に再生不能な怪我を負わせたり、殺したりしないこと。もう1つは、もし私がこてんぱんにやられちゃったら、その時はエリーの治癒魔法で治してくれること」
「わかったわ。うふふっ、それにして2つ目は面白い条件ね。勝負の前から負けたときの治癒魔法をよりにもよってその勝負の相手にお願いしてくる人なんて初めて見たわ」
「あはは、それだけ自信がないってことで。それに、私たちのパーティって高度な治癒魔法を使える人いないしね」
一応シャルルは治癒魔法も使えるが、シャルルの治癒魔法は最低限のものなので、小さな傷を治したり、大きな怪我の止血ができる程度の効果しかない。
「あら、なかなか謙虚なのね。さて、それじゃあさっそくやりましょう」
「今から? もう暗いよ?」
「大丈夫よ、私たちが戦う範囲くらいなら明るくできる魔道具を持ってきたわ」
「準備万端じゃん……」
端から断られることなど考えていなかったとしか思えない準備の良さに、マヤは苦笑する。
「さあ、行くわよ!」
言うなり飛び出してしまったエリーに、マヤは大急ぎで寝間着から戦闘ができる格好に着替えると、さっさと宿を出て外で待っていたエリーを追いかけたのだった。
「マヤ!」
マヤたちが宿の部屋でその日集めた情報を整理していると、エリーがノックもなくドアを勢いよく開けて部屋に入ってきた。
「うわっ!? びっくりしたあ……」
「できたわ!」
「いやちょっとは驚いた私に謝罪とかは……まあいいや、何ができたの?」
興奮気味に鼻息を荒くするエリーに、マヤは文句を言うのを途中で諦める。
今のエリーに何を言っても無駄だろうと思ったので、エリーの要件を聞くことにしたのだ。
「よくぞ聞いてくれたわ。できたのよ、6つの魔法の並列発動が!」
「へえ、すごいじゃん! ていうか昨日の今日でできるものなの?」
質問されたシャルルは、わかりやすく困った表情をする。
「私に聞かれても困る。私はマヤと違って普通の魔法も使えるが、冒険者として修得しておかないと困るような基礎的な魔法が使えるというだけだからな」
そう言って首を振るシャルルの動きに合わせて、その顔の下で片方だけでその顔くらいありそうな大きな2つの膨らみが左右に揺れる。
今日は先にお風呂に入ってきたので、シャルルはさらしを外し、さらには今日の昼にマヤが見繕った女性物の下着をつけ、女性物の寝間着に身を包んでいる。
「普通は一朝一夕でどうにかなるものじゃないわ。そもそも魔法2つの並列発動ですらできずに挫折する魔法使いのほうが多いんだから」
「そういうものなんだ。ちなみにエリーは元々いくつまで並列発動できてたの?」
「3つよ。さっきも言ったみたいに、魔法2つの並列発動でも挫折する魔法使いのほうが多いの。3つできるだけでも十分すごいんだからね? 本当なのよ? 本当なんだけど……」
エリーは今日も大事そうに胸に抱えているオリガの魔法入門に目を落とす。
「この本を読むと、魔法6つまでの並列発動は努力次第で誰でもできる、みたいなことが書いてあるのよね……」
「あはは、まあそれを書いた人も当然のように6つ並列発動しているしね」
「やっぱりそうなのね。でも確かに私もできるようになったし……私の認識が間違っていたのかしら?」
「いやー、どうだろう? その本って、実はダークエルフの作者が、エルフ向けに書いたやつなんだけど、特に優秀なエルフの魔法使いに読ませたら誰も最後まで読みきれなかったんだよね。難しすぎるー、ってみんな読むのやめちゃって」
「そうなの? こんなに面白いのに……」
「だからその本を夢中になって読めるエリーみたいな魔法好きのエルフにとっては魔法6つの並列発動くらいは努力次第でできるようになる、ってことなんじゃないかな」
「なるほど、確かにそれは一理あるかもしれないわ。言われてみれば、あまりにも細かく解説しすぎてて全然入門書じゃないし」
「ね? 言った通りでしょう? まあでも、エリーがその本を気に入ってくれたみたいで良かったよ」
「ええ、とってもに気に入ったわ。それでマヤ、1つお願いがあるんだけど……」
オリガの魔法入門を胸に抱いてもじもじし始めたエリーに、マヤは首を傾げる。
今さらノックもなしに部屋に入ってきたことを謝ろうと思ったのだろうか。
わざわざ指摘したりはしないが、マヤたちは奴隷王の調査をしているため、念のため話を始める前に部屋の鍵はかけている。
そして当然、この宿の鍵にも初歩的な鍵開けの魔法を無効化する魔法は付与されている。
しかし、エリーは難なく、というかおそらく無意識に鍵にかけられた無効化の魔法を無視できるほどの高度な鍵開けの魔法を使って鍵を開けて入ってきた。
お陰でマヤは、自身に強化魔法を付与して高速で動き、エリーがドアノブに手をかけてからドアを開くまでの一瞬で、奴隷王に関する調査をまとめた書類をひとまず収納袋に突っ込んで隠す羽目になった。
なので、今更どうでもいいことだが、エリーは入ってきた時の驚きは完全に演技だったりする。
「ん? 何かな?」
「この本、私に売ってくれないかしら?」
「ああ、そんなことね。別にいいよ、っていうかあげるよ」
「いいの!?」
「うん。どうせ余ってる本だし。その本の作者も内容をわかってくれて、夢中で読んでくれる人がいて嬉しいと思うよ」
「ありがとう! 一生大切にするわ!」
「うん、大切にしてあげて」
「もちろん! それでねマヤ、もう一つお願いがあるんだけど……」
「今度は何かな? やっぱり作者に会わせてほしいって言うのはなしだよ?」
「そんなことお願いしないわ! そもそも、あの後帰ってからもこの本を読んでたんだけど、この本の作者様は私なんかとはレベルが違いすぎて、会うなんて恐れ多くて無理よ」
「そんなにすごいの……? まあでも作者に会おうって気持ちがなくなってくれたらなら私としては助かるからいいけど。でもそれじゃあお願いって何?」
「そのね、私と戦ってみてほしいの」
「エリーと? 私が?」
「うん。今朝シャルルさんから、マヤはとっても強いって聞いたわ」
「あー、たしかにそんな話してたね」
それは今朝エリーが帰る前、宿の食堂での朝食の時の話だ。
話の流れでエリーが「シャルルさんの方が強そうだけど、実際シャルルさんとマヤだったらどっちが強いの?」という質問をシャルルにしたのだ。
それに対してシャルルは「断然マヤの方が強い。魔物使いとして力だけでも剣士である私を圧倒できるだろうが、剣でもマヤは私を圧倒している」と答えたのだ。
もちろん何でもかんでも答えていたわけではなく、エリーを巻き込んでしまわないためにも、奴隷王について調べていることなどは一切話さないようにしている。
今朝のシャルルの回答にしても、答える前に一瞬マヤにアイコンタクトで了解を取った上で答えたものだ。
「だからね、今の私がどれくらい強いか知りたいの。胸を貸してくれないかしら?」
「なるほど……魔法を6つ並列発動できる魔法使いとの勝負か、確かに面白そうだね。でも、2つだけ約束して」
「何かしら?」
「1つは相手に再生不能な怪我を負わせたり、殺したりしないこと。もう1つは、もし私がこてんぱんにやられちゃったら、その時はエリーの治癒魔法で治してくれること」
「わかったわ。うふふっ、それにして2つ目は面白い条件ね。勝負の前から負けたときの治癒魔法をよりにもよってその勝負の相手にお願いしてくる人なんて初めて見たわ」
「あはは、それだけ自信がないってことで。それに、私たちのパーティって高度な治癒魔法を使える人いないしね」
一応シャルルは治癒魔法も使えるが、シャルルの治癒魔法は最低限のものなので、小さな傷を治したり、大きな怪我の止血ができる程度の効果しかない。
「あら、なかなか謙虚なのね。さて、それじゃあさっそくやりましょう」
「今から? もう暗いよ?」
「大丈夫よ、私たちが戦う範囲くらいなら明るくできる魔道具を持ってきたわ」
「準備万端じゃん……」
端から断られることなど考えていなかったとしか思えない準備の良さに、マヤは苦笑する。
「さあ、行くわよ!」
言うなり飛び出してしまったエリーに、マヤは大急ぎで寝間着から戦闘ができる格好に着替えると、さっさと宿を出て外で待っていたエリーを追いかけたのだった。
0
お気に入りに追加
561
あなたにおすすめの小説

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。


【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる