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12 ついに現れた、夢の中のあなた…?!
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入学3日目にして、サラは登校不能状態に陥っていた。
「お姉様…やっぱり学園なんて行く必要ないですよ。ネプが貴族のいろははもちろん、それ以外のことだってぜーんぶ教えてあげますから」
神様曰く”ヤンデレ系のシスコン”であるサーネプチューンによって、寮の部屋に閉じ込められているのだ。
とはいえ、物理的にドアをぶち破ることさえできれば登校できる。
種付け相手を決めるためにも学校に行かなければならないと理解しているサラは、ネプチューンの隙をついて外に飛び出すタイミングをうかがっていた。
「ネプ君あのね、私が思うに健全な成長のために放牧は欠かせないと思うんです」
「放牧…?お姉様は時々、よくわからないことをおっしゃいますね」
強い競走馬を作るには、広々とした放牧地と栄養に富む良質なブルーグラスが不可欠だ。
青い空と緑の丘、牧歌的な2つの要素が競馬で勝てる馬を生み出すことにつながる。
何が言いたいのかというと、学校に行かなければならないことを除いても、部屋の中に閉じ込められてしまうのはサラにとって窮屈で耐えがたいものであるということだ。
「ネプ君…私、ストレスでゆう癖が始まりそうです」
「ゆ…ゆう癖?」
ゆう癖というのは馬房などで身体をゆする癖のことである。
別名ふなゆすりとも言い、脚の怪我につながることもあるため悪癖であるとされている。
『ちょっとサラ!ゆう癖始まりそうというかすでに揺れてるから!人間であること忘れないで!』
「神様…見ているのであれば私をここから出してください!」
『ん~これもイベントの1つなんだよね~』
神様の声はのんきなものだった。
「意味不明なことを口走りながら謎のダンスをするお姉様も可憐です」
ダンスではなくゆう癖である。
でもまあ、きっとこの場合はダンスと思ってくれていた方がいいのだろう。
『まあ心配しなくても、そろそろ外に出られると思うよ』
ちょうどそのタイミングで、ノックの音が聞こえた。
『お、来たかな?』
サーネプチューンは「誰ですか僕とお姉様の二人きりの時間を邪魔する人は」と文句を言っている。
慌ててドアに駆け寄ったサラの耳に飛び込んできたその声は。
「サラ?大丈夫か?」
夢の中で何度も聞いた、あの声だった。
「あなたは…?!」
『あーーーーーーーっ!!待って!待って待って!なんか展開が違う!出ちゃダメ!』
神様の叫び声が聞こえるが、無視してドアを開けようとドアノブをひねる。
「あれ?!開かない!」
ドアが開かない上に、ドアの向こうから「あれ?何してたんだっけ…」という声と、誰かが去っていく足音が聞こえた。
『ふう~思わず神様パワー使っちゃった』
「どういうことなんですか?!ドアの向こうにいた人は誰なんですか?!」
『あ、気にしないで大丈夫!もうすぐちゃんと攻略対象来るから』
やはり私はきっと、絶対に忘れてはいけない何かを忘れている。
神様はそれを私から隠している。どうして?
私はこのまま神様の言うことを聞いていてもいいのだろうか。
悩む間もなく、改めてノックの音が響いた。
「お姉様…やっぱり学園なんて行く必要ないですよ。ネプが貴族のいろははもちろん、それ以外のことだってぜーんぶ教えてあげますから」
神様曰く”ヤンデレ系のシスコン”であるサーネプチューンによって、寮の部屋に閉じ込められているのだ。
とはいえ、物理的にドアをぶち破ることさえできれば登校できる。
種付け相手を決めるためにも学校に行かなければならないと理解しているサラは、ネプチューンの隙をついて外に飛び出すタイミングをうかがっていた。
「ネプ君あのね、私が思うに健全な成長のために放牧は欠かせないと思うんです」
「放牧…?お姉様は時々、よくわからないことをおっしゃいますね」
強い競走馬を作るには、広々とした放牧地と栄養に富む良質なブルーグラスが不可欠だ。
青い空と緑の丘、牧歌的な2つの要素が競馬で勝てる馬を生み出すことにつながる。
何が言いたいのかというと、学校に行かなければならないことを除いても、部屋の中に閉じ込められてしまうのはサラにとって窮屈で耐えがたいものであるということだ。
「ネプ君…私、ストレスでゆう癖が始まりそうです」
「ゆ…ゆう癖?」
ゆう癖というのは馬房などで身体をゆする癖のことである。
別名ふなゆすりとも言い、脚の怪我につながることもあるため悪癖であるとされている。
『ちょっとサラ!ゆう癖始まりそうというかすでに揺れてるから!人間であること忘れないで!』
「神様…見ているのであれば私をここから出してください!」
『ん~これもイベントの1つなんだよね~』
神様の声はのんきなものだった。
「意味不明なことを口走りながら謎のダンスをするお姉様も可憐です」
ダンスではなくゆう癖である。
でもまあ、きっとこの場合はダンスと思ってくれていた方がいいのだろう。
『まあ心配しなくても、そろそろ外に出られると思うよ』
ちょうどそのタイミングで、ノックの音が聞こえた。
『お、来たかな?』
サーネプチューンは「誰ですか僕とお姉様の二人きりの時間を邪魔する人は」と文句を言っている。
慌ててドアに駆け寄ったサラの耳に飛び込んできたその声は。
「サラ?大丈夫か?」
夢の中で何度も聞いた、あの声だった。
「あなたは…?!」
『あーーーーーーーっ!!待って!待って待って!なんか展開が違う!出ちゃダメ!』
神様の叫び声が聞こえるが、無視してドアを開けようとドアノブをひねる。
「あれ?!開かない!」
ドアが開かない上に、ドアの向こうから「あれ?何してたんだっけ…」という声と、誰かが去っていく足音が聞こえた。
『ふう~思わず神様パワー使っちゃった』
「どういうことなんですか?!ドアの向こうにいた人は誰なんですか?!」
『あ、気にしないで大丈夫!もうすぐちゃんと攻略対象来るから』
やはり私はきっと、絶対に忘れてはいけない何かを忘れている。
神様はそれを私から隠している。どうして?
私はこのまま神様の言うことを聞いていてもいいのだろうか。
悩む間もなく、改めてノックの音が響いた。
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