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第1章
第1話 私を嘲笑う為に来たのなら帰れ!!
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ハネス家の所有する屋敷の大広間。そこで私はある方と婚約をする事になっている。
「皆の者!よく集まってくれた!今日は私の娘ヴァルシアの記念すべき婚約式!どうかお祝いの喝采を!!」
我がクソ親父が大声で言っている。いつ誰が会ったこともないのに男爵と結婚したいなんて言ったよ・・・。
そんなことを考えている間に周りからは大きな拍手喝采が響き渡る。
本当は祝いたくはないのだがハネス家の当主の頼みで嫌々ながらも集まった貴族たちはパチパチと作り笑顔で祝っている。
私の方じゃなくてクソ親父に向けて・・・。
眉間に皺を寄せる私の後ろから聞き慣れた声が掛けられる。
「良かったわねヴァルシア、あなたにも良い男爵様に出会えて」
クスクスと笑いながら私に近付くのは次女のネルソン。いつもいつも私を馬鹿にする最悪の性悪女だ。
「あなたってぇ、うちの家系では
お・ち・こ・ぼ・れの部類に入っていたのに、よく婚約してくれる相手がいたものだわ」
「そうですわね」
こいつに何を言っても馬の耳に念仏・・・なので私は、いつもネルソンをボコボコにする事を毎度毎度会う度に想像している、もちろん今でも。
「でもぉ、相手は1度もあったことの無い男爵様よねぇ~、可哀想にぃ、一体どんなお方が現れるのかしら?楽しみでしょうがないわ」
クスクスと上品に笑うネルソン。本当に勘弁して欲しい・・・どうしてこんな奴の姉なのだろうかと考えさせられる。
「ネルソン、そこにいたのか。探したぞ?」
優雅にこちらへ歩いてくるイケメン男爵が次女の名前を呼んでいる。
「あらあらあら、セイソ。私を見つけてくれたのね」
ネルソンは私に見せつけるようにイケメン男のセイソの首に手を回し、身を委ねながら舐めまわすように接吻をする。
ほんと、他所でやってくれ・・・
「ん、ネルソン、今日はスキンシップが激しいね?どうしたの?」
「えぇ、あなたに会えた喜びが強くて・・・」
わざとらしく顔を赤らめる私の次女。
じゃあ何故こうして私に見せつけるようにするか・・・お答えしましょう。
ネルソンの婚約者セイソ・ダナンは私が狙っていた男だからだ。
彼の誠実さと謙虚さに心惹かれた私は、彼の心を掴む為、ありとあらゆる事をした。エステでボディケアやヘアケア、メイクテクニック・・・なんだってした。
そしてついに告白しようと心を躍らせて私は彼を呼んだ。
しばらくするとセイソが現れて私の心は昂りだした。それと同時に私は絶望した。
次女ネルソンがセイソの隣で肩を抱き寄せながらこちらに歩いてきたのだ。
「あら?誰かと思えば落ちこぼれの姉さんじゃない?ねぇセイソ?どうして彼女がこんな所で突っ立っているのかしら?」
わざとらしい口調で言ったよこの女・・・
「え、えっと・・・・どうしてだろうね」
「・・・!」
「あら?セイソも知らないの?それじゃあ姉さんの邪魔にならないように私達はあっちの茂みに行きましょうか」
おい待て、あっちの茂みで一体何をするんだ!おい!!
私は心の中で呟く。口には出さなかった自分を褒めたい。
「ごめん・・・ヴァルシア・・・」
彼はそう耳元で囁いて通り過ぎ、茂みの方へ行った。
茂みで何をしたかはご想像にお任せしますが、一言で言うと。
「激しかった・・・」
「皆の者!よく集まってくれた!今日は私の娘ヴァルシアの記念すべき婚約式!どうかお祝いの喝采を!!」
我がクソ親父が大声で言っている。いつ誰が会ったこともないのに男爵と結婚したいなんて言ったよ・・・。
そんなことを考えている間に周りからは大きな拍手喝采が響き渡る。
本当は祝いたくはないのだがハネス家の当主の頼みで嫌々ながらも集まった貴族たちはパチパチと作り笑顔で祝っている。
私の方じゃなくてクソ親父に向けて・・・。
眉間に皺を寄せる私の後ろから聞き慣れた声が掛けられる。
「良かったわねヴァルシア、あなたにも良い男爵様に出会えて」
クスクスと笑いながら私に近付くのは次女のネルソン。いつもいつも私を馬鹿にする最悪の性悪女だ。
「あなたってぇ、うちの家系では
お・ち・こ・ぼ・れの部類に入っていたのに、よく婚約してくれる相手がいたものだわ」
「そうですわね」
こいつに何を言っても馬の耳に念仏・・・なので私は、いつもネルソンをボコボコにする事を毎度毎度会う度に想像している、もちろん今でも。
「でもぉ、相手は1度もあったことの無い男爵様よねぇ~、可哀想にぃ、一体どんなお方が現れるのかしら?楽しみでしょうがないわ」
クスクスと上品に笑うネルソン。本当に勘弁して欲しい・・・どうしてこんな奴の姉なのだろうかと考えさせられる。
「ネルソン、そこにいたのか。探したぞ?」
優雅にこちらへ歩いてくるイケメン男爵が次女の名前を呼んでいる。
「あらあらあら、セイソ。私を見つけてくれたのね」
ネルソンは私に見せつけるようにイケメン男のセイソの首に手を回し、身を委ねながら舐めまわすように接吻をする。
ほんと、他所でやってくれ・・・
「ん、ネルソン、今日はスキンシップが激しいね?どうしたの?」
「えぇ、あなたに会えた喜びが強くて・・・」
わざとらしく顔を赤らめる私の次女。
じゃあ何故こうして私に見せつけるようにするか・・・お答えしましょう。
ネルソンの婚約者セイソ・ダナンは私が狙っていた男だからだ。
彼の誠実さと謙虚さに心惹かれた私は、彼の心を掴む為、ありとあらゆる事をした。エステでボディケアやヘアケア、メイクテクニック・・・なんだってした。
そしてついに告白しようと心を躍らせて私は彼を呼んだ。
しばらくするとセイソが現れて私の心は昂りだした。それと同時に私は絶望した。
次女ネルソンがセイソの隣で肩を抱き寄せながらこちらに歩いてきたのだ。
「あら?誰かと思えば落ちこぼれの姉さんじゃない?ねぇセイソ?どうして彼女がこんな所で突っ立っているのかしら?」
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「え、えっと・・・・どうしてだろうね」
「・・・!」
「あら?セイソも知らないの?それじゃあ姉さんの邪魔にならないように私達はあっちの茂みに行きましょうか」
おい待て、あっちの茂みで一体何をするんだ!おい!!
私は心の中で呟く。口には出さなかった自分を褒めたい。
「ごめん・・・ヴァルシア・・・」
彼はそう耳元で囁いて通り過ぎ、茂みの方へ行った。
茂みで何をしたかはご想像にお任せしますが、一言で言うと。
「激しかった・・・」
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