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はなせないけど つたえたい
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あるあさ、もぐらちゃんがおひるにたべようと、のいちごをあつめていると、ねこちゃんがやってきてなにか言いました。
しかし、もぐらちゃんはねこちゃんのことばがはなせないので、なにをしたらよいかわかりません。
もぐらちゃんがオロオロしていると、ねこちゃんはなきだしてしまいました。
そこに、おさるくんがとおりかかったので、もぐらちゃんはこえをかけました。
「こんにちは、おさるくん。きょうもおでかけ?」
「そうだよ。いつものあつまりに、いくところなんだ。」
おさるくんはこたえます。
「ところでなにかあったの?」
ねこちゃんをチラリと見たおさるくんは、もぐらちゃんにたずねました。
「そうなの。ねこちゃんがなんていっているかわからなくて……」
「そっか、それはぼくにもわからないから、やくにたてそうにないね。」
そう言うと、おさるくんはもりのおくへとむかっていってしまいました。
そこで、もぐらちゃんはねこちゃんに、かごのなかのりんごをわたしました。
しかし、ねこちゃんはくびをふり、なきつづけます。
こんどは、あしもとにさいている、のいちごの花をわたしました。
それでもねこちゃんはくびをふり、なきつづけます。
こまりはてたもぐらちゃんは、いっしょになきだしてしまいました。
そこへおさるくんがもどってきて、かごのなかののいちごをさして、言いました。
「いいけど……」
もぐらちゃんはこたえます。
おさるくんは、もらったのいちごをねこちゃんにわたしました。
するとどういうことか、ねこちゃんはピタリとなきやみました。
そのとき、ねこちゃんがなにか言いました。
2ひきはやっぱり、なんと言ったのかわかりません。
それでもおさるくんに、おどろいたようすはありませんでした。
「どうしてわかったの?」
もぐらちゃんは、おさるくんにたずねます。
すると、おさるくんはこたえました。
「ことばはわからないけど、のいちごをあつめているもぐらちゃんを、じっと見ていたからね。」
しぐさをよみとるのがにがてな、もぐらちゃんはビックリ!
「なーんだ、おしえてくれたらよかったのに。」
ようやく、わけがわかったもぐらちゃんは、かたをすくめました。
「まさかきづいてないとは、おもわなかったから。」
おさるくんはいいます。
すると、もぐらちゃんは「おしえてくれてありがとう!」と言って、にっこりわらいました。
それから、あつまりがおわったら、いっしょにごはんをたべようと、やくそくをしたおさるくんは、あつまりへとむかっていきました。
しばらくして、おさるくんとごうりゅうした、もぐらちゃんたちは3びきなかよく、あつめたくだものをたべました。
(おしまい)
しかし、もぐらちゃんはねこちゃんのことばがはなせないので、なにをしたらよいかわかりません。
もぐらちゃんがオロオロしていると、ねこちゃんはなきだしてしまいました。
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おさるくんはこたえます。
「ところでなにかあったの?」
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「そうなの。ねこちゃんがなんていっているかわからなくて……」
「そっか、それはぼくにもわからないから、やくにたてそうにないね。」
そう言うと、おさるくんはもりのおくへとむかっていってしまいました。
そこで、もぐらちゃんはねこちゃんに、かごのなかのりんごをわたしました。
しかし、ねこちゃんはくびをふり、なきつづけます。
こんどは、あしもとにさいている、のいちごの花をわたしました。
それでもねこちゃんはくびをふり、なきつづけます。
こまりはてたもぐらちゃんは、いっしょになきだしてしまいました。
そこへおさるくんがもどってきて、かごのなかののいちごをさして、言いました。
「いいけど……」
もぐらちゃんはこたえます。
おさるくんは、もらったのいちごをねこちゃんにわたしました。
するとどういうことか、ねこちゃんはピタリとなきやみました。
そのとき、ねこちゃんがなにか言いました。
2ひきはやっぱり、なんと言ったのかわかりません。
それでもおさるくんに、おどろいたようすはありませんでした。
「どうしてわかったの?」
もぐらちゃんは、おさるくんにたずねます。
すると、おさるくんはこたえました。
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しぐさをよみとるのがにがてな、もぐらちゃんはビックリ!
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すると、もぐらちゃんは「おしえてくれてありがとう!」と言って、にっこりわらいました。
それから、あつまりがおわったら、いっしょにごはんをたべようと、やくそくをしたおさるくんは、あつまりへとむかっていきました。
しばらくして、おさるくんとごうりゅうした、もぐらちゃんたちは3びきなかよく、あつめたくだものをたべました。
(おしまい)
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