9 / 9
最終話 あと何回イカせてあげようか?
しおりを挟む
乱交会場の熱気はすでに何度も絶頂を迎えていた。快楽を極めた後の気だるささえも飲み込み、新たな快楽の入り口へと繋げていた。
この会場にはひっきりなしに「参加者」が入ってくるため、「セックス」が絶えることはなかった。ソファやバーで休憩する人たちはいても、常に誰かが乳房や性器を口にしているという状態が保たれていた。
湿度の高い空気中の分子の一つひとつが、セックスパワーを帯びているようだった。
これまで味わったことない極限の快楽を体感して、赤い革張りのソファーでしばらくぐったりとしていたが、また別の男に手を引かれて別の場所に移動している。
さっきの男よりもいくらか年上のようで体毛が多かった。30代後半くらいに見える。その男に手を引かれてたくさんの男女が交わっている間を縫うように歩いていく。その途中、バラエティ番組でよく見る有名女性タレントの、耳をつんざくような快楽への雄たけびを聞いた。数メートル行った先では、自分と歳の変わらない20代前半くらいの若い男が、社会学者としていろんな情報番組や討論番組でよく見る40代くらいの美女の顔に勢いよく射精していた。その男の激しい吐息は、いかにも我慢していたものをようやく吐き出したといった感じだった。
カーペットの床では自分よりもいくつか若い ―― 明らかに未成年だろう ―― 16,7歳くらいの少女が正常位で30代の男に突かれていた。すぐ隣にはさらに若そうな、まだ胸も小さく身体つきも子供っぽさを残した中学生くらいの少女が同じく正常位で交わっていた。二人とも、ただ快楽に必死に耐えるしかないといった反応の仕方だった。
男に手を引かれながら、その一連の光景を当たり前の日常だと感じてしまっていた自分に気づいて、驚いた。
気づけば床から一段せりあがったステージのようなところに来ていた。ハリウッド映画できらびやかな女性歌手が歌っていそうな、少々派手な雰囲気だった。
そこも当然のように人で埋め尽くされており、笑い声とも喘ぎ声ともつかない人間離れした声が爆音の音楽の狭間から聞こえてきた。普段ここは、そういったものとはかけ離れた、もっと逆の意味での楽しげな声で満たされるような場所なんだろうなとふと思った。
隣の男が私の耳に唇が触れる近さで、ステージ上を指さしながら、“とある超有名歌手”がいるからあそこに行ってみないかと聞いてきた。
指さされた方を見ると、確かにその人だった。4,5人の男たちに囲まれて楽しげなその人は、日本国民のほぼ全員がその人の曲を耳にしたことがあってもおかしくないほどの人だ。しかし、いま私が目にしているその歌姫は、確実に日本国民のほぼ全員が見たことがないであろう姿だった。
彼女は素だった。なにせまず全裸だったし、テレビで見たことがないような思い切った笑い方をしていたし、……両方の乳首に洗濯バサミを挟んでそれを男たちにもさせて引っ張り合ってキャッキャッ言っているし……。
「あー!これ意外と気持ちいいかも!」
彼女は「乳首相撲」の意外な感想を、かなり声を張って伝えていた。爆音の中で、且つまだ私と彼女の間にはそれなりに距離があるのに一際彼女の声だけが届いてきた。
これが彼女の「裏」か……と思った。このワンシーンで彼女が一体どれだけ性に奔放で、どれだけの男たちを相手にすれば彼女は満足するのだろう、と思った。私は今の彼女を見て、勝手に底知れない性への欲望を持っている人、すなわち絶倫な人なんだと思った。実際、彼女は「自分の性格に合っている」と言わんばかりに、もっともこのパーティを楽しんでいた。
にわかに彼女は複数の男に揉まれ、舐められ、入れられ始めた。そのスムーズさは、まるでやりかけたトランプゲームでも再開するかのようで、少しの抵抗も滞りもなかった。あっという間に彼女は騎乗位の形で下から突かれた。
下から突き上げられたことによって押し出されたような断続的な「あっ……」という声は、彼女のどの曲でも聴いたことのない「本当の声」という感じがして、同性であるにもかかわらず興奮を覚えた。「自分は実はバイなんじゃないか……?」という考えが一瞬頭をよぎったが、男のそそり立つソレと彼女のソレの接合部分に気を取られてそれだけに夢中になった。
「今、彼女のクリを舐めたらどうなるんだろう」
そう思った時にはすでに私は彼女のクリトリスに口をつけていた。
「あ~~!!! それ気持ちいい~~!!!」
また彼女の大きすぎる声は、はっきりと快楽を感じていることを知らせてくれた。
すでに同性のクリトリスを舐めること対する抵抗感などはるか遠くにあった。
ただ、純粋に、この人にもっと気持ちよくなってほしい、と思っていた。
知らず知らずのうちに私はこのクラブの隅々にまで響いている、激しいセックスのグルーブの虜になっていた。自分のとる行動の一つひとつがそのまま「大きなセックス」のための行動になっていた。
「あっ!! あっ!! 出ちゃう出ちゃう出ちゃう!!!」
と彼女が絶叫して秘部から棒が引き抜かれたと同時に、顔全体に勢いよく液体が浴びせられた。
私は思わずのけぞり、しばし放心した。
瞬きもままならないほど顔がびしょ濡れになっていた。
そして、口周りについた、おしっこのような匂いのするそれを、舌でゆっくりと舐めとった。
私の興奮は最高潮に達した。
そして思った。
「あと何回、この人をイカせてあげようか?」
この会場にはひっきりなしに「参加者」が入ってくるため、「セックス」が絶えることはなかった。ソファやバーで休憩する人たちはいても、常に誰かが乳房や性器を口にしているという状態が保たれていた。
湿度の高い空気中の分子の一つひとつが、セックスパワーを帯びているようだった。
これまで味わったことない極限の快楽を体感して、赤い革張りのソファーでしばらくぐったりとしていたが、また別の男に手を引かれて別の場所に移動している。
さっきの男よりもいくらか年上のようで体毛が多かった。30代後半くらいに見える。その男に手を引かれてたくさんの男女が交わっている間を縫うように歩いていく。その途中、バラエティ番組でよく見る有名女性タレントの、耳をつんざくような快楽への雄たけびを聞いた。数メートル行った先では、自分と歳の変わらない20代前半くらいの若い男が、社会学者としていろんな情報番組や討論番組でよく見る40代くらいの美女の顔に勢いよく射精していた。その男の激しい吐息は、いかにも我慢していたものをようやく吐き出したといった感じだった。
カーペットの床では自分よりもいくつか若い ―― 明らかに未成年だろう ―― 16,7歳くらいの少女が正常位で30代の男に突かれていた。すぐ隣にはさらに若そうな、まだ胸も小さく身体つきも子供っぽさを残した中学生くらいの少女が同じく正常位で交わっていた。二人とも、ただ快楽に必死に耐えるしかないといった反応の仕方だった。
男に手を引かれながら、その一連の光景を当たり前の日常だと感じてしまっていた自分に気づいて、驚いた。
気づけば床から一段せりあがったステージのようなところに来ていた。ハリウッド映画できらびやかな女性歌手が歌っていそうな、少々派手な雰囲気だった。
そこも当然のように人で埋め尽くされており、笑い声とも喘ぎ声ともつかない人間離れした声が爆音の音楽の狭間から聞こえてきた。普段ここは、そういったものとはかけ離れた、もっと逆の意味での楽しげな声で満たされるような場所なんだろうなとふと思った。
隣の男が私の耳に唇が触れる近さで、ステージ上を指さしながら、“とある超有名歌手”がいるからあそこに行ってみないかと聞いてきた。
指さされた方を見ると、確かにその人だった。4,5人の男たちに囲まれて楽しげなその人は、日本国民のほぼ全員がその人の曲を耳にしたことがあってもおかしくないほどの人だ。しかし、いま私が目にしているその歌姫は、確実に日本国民のほぼ全員が見たことがないであろう姿だった。
彼女は素だった。なにせまず全裸だったし、テレビで見たことがないような思い切った笑い方をしていたし、……両方の乳首に洗濯バサミを挟んでそれを男たちにもさせて引っ張り合ってキャッキャッ言っているし……。
「あー!これ意外と気持ちいいかも!」
彼女は「乳首相撲」の意外な感想を、かなり声を張って伝えていた。爆音の中で、且つまだ私と彼女の間にはそれなりに距離があるのに一際彼女の声だけが届いてきた。
これが彼女の「裏」か……と思った。このワンシーンで彼女が一体どれだけ性に奔放で、どれだけの男たちを相手にすれば彼女は満足するのだろう、と思った。私は今の彼女を見て、勝手に底知れない性への欲望を持っている人、すなわち絶倫な人なんだと思った。実際、彼女は「自分の性格に合っている」と言わんばかりに、もっともこのパーティを楽しんでいた。
にわかに彼女は複数の男に揉まれ、舐められ、入れられ始めた。そのスムーズさは、まるでやりかけたトランプゲームでも再開するかのようで、少しの抵抗も滞りもなかった。あっという間に彼女は騎乗位の形で下から突かれた。
下から突き上げられたことによって押し出されたような断続的な「あっ……」という声は、彼女のどの曲でも聴いたことのない「本当の声」という感じがして、同性であるにもかかわらず興奮を覚えた。「自分は実はバイなんじゃないか……?」という考えが一瞬頭をよぎったが、男のそそり立つソレと彼女のソレの接合部分に気を取られてそれだけに夢中になった。
「今、彼女のクリを舐めたらどうなるんだろう」
そう思った時にはすでに私は彼女のクリトリスに口をつけていた。
「あ~~!!! それ気持ちいい~~!!!」
また彼女の大きすぎる声は、はっきりと快楽を感じていることを知らせてくれた。
すでに同性のクリトリスを舐めること対する抵抗感などはるか遠くにあった。
ただ、純粋に、この人にもっと気持ちよくなってほしい、と思っていた。
知らず知らずのうちに私はこのクラブの隅々にまで響いている、激しいセックスのグルーブの虜になっていた。自分のとる行動の一つひとつがそのまま「大きなセックス」のための行動になっていた。
「あっ!! あっ!! 出ちゃう出ちゃう出ちゃう!!!」
と彼女が絶叫して秘部から棒が引き抜かれたと同時に、顔全体に勢いよく液体が浴びせられた。
私は思わずのけぞり、しばし放心した。
瞬きもままならないほど顔がびしょ濡れになっていた。
そして、口周りについた、おしっこのような匂いのするそれを、舌でゆっくりと舐めとった。
私の興奮は最高潮に達した。
そして思った。
「あと何回、この人をイカせてあげようか?」
0
お気に入りに追加
24
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ピアノ教室~先輩の家のお尻たたき~
鞭尻
大衆娯楽
「お尻をたたかれたい」と想い続けてきた理沙。
ある日、憧れの先輩の家が家でお尻をたたかれていること、さらに先輩の家で開かれているピアノ教室では「お尻たたきのお仕置き」があることを知る。
早速、ピアノ教室に通い始めた理沙は、先輩の母親から念願のお尻たたきを受けたり同じくお尻をたたかれている先輩とお尻たたきの話をしたりと「お尻たたきのある日常」を満喫するようになって……
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる