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EP1. 俺たちがオトナになってしまうまで

第三十話 校内風紀のこれから

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 明けて月曜日、いつものように登校して教室に入ると、窓際の席で少しだけざわめきが起こったことに気づいた。
 柳川たちだ。どうやら今日からはちゃんと授業を受けるつもりらしい。
 取り巻きも含めた三人は、何か恐ろしいものを見るような目で俺を見ていた。
 俺は三人に対して笑いかけると、挨拶がてらに言った。

「おはよう、お三方。もし引っ越しがしたくなったらいつでも言ってくれ。綾小路グループの引っ越し業者を安く紹介してやるからな」

 柳川たちは乾いた笑みを浮かべるだけで、とくに何も言ってこなかった。

     ※

 放課後、穂村先生からの呼び出しを食らった。
 何故か今回も保健室に来るようにという指示だった。
 マジであの教師、懲りねえな。

「失礼します」

 そう声をかけながら保健室に入ると、穂村先生はすでにブラウスのボタンをすべて外した状態でスタンバイしていた。
 俺以外の生徒が先に保健室を訪れたらどうするつもりだったのだろう。

「先生をなめないでほしいわね。あなたの足音を感じてからボタンをはずしたのよ」

 いよいよ足音で俺を判別するまでに至ったか。

「セトくん、最近はちょっと大人の風格を感じるようになってきたからね。そろそろ先生をレイプするくらいわけないんじゃないかと思って」

 いや、わけはあるだろ。
 何があろうとレイプなんぞせんわ。
 教え子を犯罪者にしたいのか。

「目撃者さえいなければ大丈夫! もちろん先生は泣き寝入りするわよ! そして、レイプされたという事実をネタに脅されて、さらに深い沼に落とされていくの……」

 何やら恍惚とした表情で自分の体を抱きしめておられる。
 この人、こんなに拗らせてたっけ……。

「ほら、よく見て。実はもうブラも外してるの」

 うおっ!? 本当だ! ヤベエ、この教師、ガチじゃねえか!
 ほぼフラットであるとは言え、大人の女性の裸というだけで珍棒が反応してしまう……!

「ふふふ、でも、ここからが本当の地獄よ? 何故なら、ここから……」

 こ、ここから……?

「真面目な話をするわ!」

 うむ? 真面目な話だと?

「あなた、2組の芦田くんとやりあったわね?」

 ……はて、なんのことでしょうね。

「芦田くんのツレって子がそう吹聴しているらしいわ。本人は否定してるけど……」

 ほう、芦田のツレ――か。
 あの場で俺の話を聞いていなかったのは、おそらく有紗に襲いかかってた男だな。
 確か、有紗に股間を蹴り飛ばされて失神していたはずだ。
 面倒だな。何か手を打つべきだろうか……。

「あらぁ……セトくん、随分と悪そうな顔をするのね?」

 ええ、チョイ悪な男を演じたら、先生が喜ぶかなと思いまして。

「あら、お上手ね。まあ、別に先生はあなたをどうこうしようというつもりはないわ」

 穂村先生もちょっと悪い笑みを浮かべている。
 この人、本当に見た目の幼さと中身がマッチしてないな。

「ただ、もともと芦田くんって上級生でもちょっと委縮しちゃうくらい不良としては有名だったのよね。それが完全に牙を折られちゃったとなると、どうなると思う?」

 むう。それはつまり、芦田にビビッて大人しくしていた二年生や三年生の半端ものどもが今後は動きを活性化させてくるかもしれない――ということだろうか。

「可能性としてはありえるかもってところね。さぁて、これで校内の風紀が乱れたら、今度は誰に責任を取ってもらいましょうかねぇ……?」

 おい、俺のせいだって言うつもりじゃないだろうな。
 こっちは身にかかる火の粉を払っただけだぞ。
 まあ、その上で火の粉を発する原因を根こそぎ破壊するくらいはしたが……。

「その破壊したものが、実はダムだったって可能性もあるわけじゃない?」

 そ、そんなこと俺が知るかよ。
 今時、必要悪なんて概念はコンプラ的に認められないんだぞ。

「別にいいのよ。先生はあなたに何かしろと言っているわけではないの。ただ、面倒なことになったら嫌だなぁ……そのときは誰か助けてくれるかなぁ……って思ってるだけ」

 こいつ、絶対に悪い教師だ!
 エッチな上に腹黒で陰湿な教師だ!

「なんとでも言いなさい。さあ、真面目な話は終わりよ!」

 うおっ!? 気配が変わった!?

「ここから先はエッチモードよ! さあ、これを見て先生に襲いかかるがいいわ!」

 言いながら、穂村先生がいっさいの躊躇いなくブラウスの前をはだけた。
 や、やべっ! 乳首がもろに見えてしまった!
 ピンク色の可愛いらしい乳首だぜ……。
 ――って、ダメだ! いくらなんでも露骨にエロすぎる!
 ここまでエロいと俺の珍棒なんてあっさり屈してしまうぞ!
 た、助けて! ありさえもーん!

 ――ガラリ。

「お呼びいたしましたか?」
「か、神楽坂さん!?」

 マジでくるやん。
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