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最後のターゲット

鬼ごっこ

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ガラッ

雛「ゆーきとせんせーこーんにーちは!」

悠「ちわっす」

雪斗「双葉ナニしれ~っとリズムのせてんだよ。
つか、双葉と榛名…見慣れた組み合わせだな」

悠「あはは…それさら~っと言っちゃう?」

雪斗「いいだろ、別に。
つかお前ら授業はどうした。まだ始まったばっかだろ?」

悠「いいじゃん、いいじゃん。
あ、ヒナ、何飲む?」

雛「悠、それはいいからちょっときて」

雛は悠においでおいでをした。
悠が雛の隣に座ると雛はカーテンをシャっと閉めて、悠に問い詰めた。

雛「なに隠してんの?」

悠「え…?」

雛「みんな嘘へたくそだからすぐわかるよ」

悠はばつが悪そうな顔をした。

雛「悠」

雛がさらに詰め寄ると悠は仕方ないという顔で頭を掻きながら言った。

悠「休み時間…田隈が教えてくれた…
授業中…柏原がヒナのことすごい形相で睨んでた…って…あの目は普通じゃない…あれは憎しみを通り越して…」

雛「殺意が混じってた?」

悠はゆっくり深く頷いた。

雛「なーんだ!そんなこと!」

雛がケラケラと笑いながらそう言うと悠は「は?」という顔で雛を見た。

雛「みんなが深刻な顔してるからもっとやばいことかと思っちゃった!」

雛がヘラっと笑って言うと悠は雛の肩を掴んだ。

雛「ちょ…悠…」

悠「ヒナはなにもわかってない!
そんなこと言ってる場合じゃないんだよ!

ヒナ…頼むから少しくらい自覚してくれ…ヒナは今、伊崎を潰そうとしてることは止めないけどその分、リスクが高いということ…伊崎には柏原がいるんだ。
柏原がバカじゃないことくらいヒナもしってるだろ?

伊崎を潰すということは柏原に打たれる危険性も高いということだよ」

雛「しってるよ。
伊崎を潰す=柏原が邪魔ってことくらい。
だから悠たちに助けてもらうんでしょ?
だからこそ悠たちが必要なんだよ?」

雛はにっこり笑って、ね?と悠に問いかけた。
悠ははぁ…とため息をついてわかったと言った。

そのとき、いきなりドアがガラリと空いて翔たちが入ってきた。

翔「っあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁっ!
めんっっっっっどくせぇぇぇぇっ!」

雛「どうしたの」

雛がびっくりした顔で聞くと亜衣は雛の後ろからガバッと雛を抱きしめていった。

亜衣「ほんっとーに腹立つよ」

悠に「落ち着け」と言われながらも翔と朔も明らかに機嫌が悪かった。

雛「ってか、なにしてたの?」

亜衣「合同授業っていうからてっきりドッヂボールとかって思ってたの。そしたらさ集会みたいな感じだったんだよね。ほら、もうすぐ大縄大会あるでしょ?その説明」

雛「で?みんながキレてる理由とは?」

亜衣「それがさぁ」

亜衣Said

あたしたちはヒナをどう守るか話し合ってた。そしたら、3年の先輩たちが前に出てきていった。

「今から大縄大会の説明をしまーす!」

「大縄大会のあとに2時間ほどあまりがあるのでその時間を使って、みんなでフリー時間になります。
そして!今年はその残りのフリー時間で『リアル鬼ごっこ』をしようと思います!」

「ルールは簡単!
まず、逃げる人は俺たちが決めました~!その人たち以外が全員鬼!捕まえられたらその人のこと好きにできちゃうと言うやる気の出ちゃうゲームです!ただ、普通の鬼ごっこみたいにタッチしたら勝ちではなく、指定の場所まで連れてこられたら勝ちと、いわゆるケイドロみたいな感じ」

「ま、わかってると思うけど法に反することや人権を損害するようなことは禁止。
全員参加の予定だからねー」

なにそれ…アホみたい…

朔「休むか!」

里緒菜「え~!
悠くんたち来なかったら楽しくないじゃん!」

その声に視線が一気に集まる。

「来なかった人には罰ゲームが待ってるからねー」

先輩たちがニヤニヤしながらいってきた。ルール説明のときそんなこといってなかったくせに…

「じゃあ!逃げる人発表しまーす!」

そう言って1組から逃げる人の名前が挙げられていく。

「1年2組。双葉雛、榛名悠、有馬和音、伊崎里緒菜、柏原穂波、田隈昴、1年3組。香月亜衣、犬飼翔、水篠朔ー…」

3クラスで20人が挙げられてみんなはざわざわする。

「香月さんとデートしてぇ!」

「ヒナちゃん絶対捕まえてやる!」

「シックスター狙う人多そうだな」

「でもシックスターってみんな足速くない?」

「ヒナちゃんもなにげめっちゃ速いし」

みんなの話し声を遮ってヒナがいないのをいいことに翔が怒鳴った。

翔「んなアホみてーなルール勝手に決めといて全員参加だぁ?っざけんなよてめぇら!」

「先輩に向かってそんな口聞くとはなめてんなぁ」

朔「先輩後輩の関係じゃねぇだろ。勝手に決めんなっつってんの」

翔と朔が喧嘩腰に反発したが意見は通らず。

「不参加の人へのペナルティは…当日までのお楽しみっということで…」

そう言うと先輩たちはあたしたちに近寄ってきて、あたしの横にいた翔に囁いた。

「おたくのプリンセス、双葉さん…
みーんなに狙われちゃうかもね~」

それだけいって解散の号令をかけた。

香月 亜衣said END
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