上 下
55 / 98
偽物の可愛いはいらないよ?

中間テスト

しおりを挟む
「始めっ!」

あれから数日が過ぎいよいよ中間テスト。
本日最終日で、今は最後の数学。雛が1番得意とする教科だ。利き手が左利きの雛は数学が得意で教科別順位では悠を抜かして毎回1位にいた。

カリカリカリカリ…

シャーペンを動かす音だけが響く。

50分後ー

「終わりっ!

後ろから集めてください」

1番後ろの人が1枚ずつ答案用紙を集める。
先生が、枚数を数える。2組は33人クラスだから33枚あればOKだ。
確認が終わり挨拶をしてテストは終わった。

屋上───────

亜衣「やー!終わった、終わった!」

翔「自由の身だ!」

朔「ひゃっふぅぅぅぅっ!」

和音「ほんとに喜ぶのは順位が出てからなっ!」

悠「お前らそれぞれ得意教科あるんだから…」

雛「悠と和音が英語、私が数学、亜衣は国語、翔は歴史、朔は生物。
それぞれ学年1位取れてるといいねっ!」

亜衣「そういえば、もし勝ったらクラリスになに頼むか決まったの?」

雛「あの賭けをしたあと、みんなにLINEでクラリスに頼みたいこと教えてってきたでしょ?
あれを纏めてみたの」

雛はそう言ってスマホの画面をみんなに見せた。

雛「"その同意書に同意する"。その一つ」

翔「おぅふ…」

朔「すげぇな…」

和音「俺らがLINEで送ったやつ一字一句全部載ってんじゃん」

悠「それ…俺とヒナで作ったやつだから…」

雛「もっと、人間性自体壊すようなのも作れるけどたかがテストの賭けにはその程度で十分かなーって思ってる」

亜衣「さすがヒナ…」

雛「まぁ結果が出るのは来週月曜日。
中間は全部一気に出るから楽しみだねっ!」



そして月日が経ち月曜日。

九条「じゃあ、先週の結果返すぞー!」

そう言うとみんなはやばいやばいと騒ぎ立てる。
それにも関わらず雛はそわそわしていた。
1番始めは和音だ。

九条「国語の1位は…3組の香月だ!」

先生が言うと周りは騒ぐ。

「まじ?香月さんやばくね!?」

「1位とかすごっ!」

「香月さん頭いいんだぁ!」

国語では和音は1位ではなかったが、亜衣が1位だった。続いて歴史。これも1位は翔。めっちゃ気合入ってたからなー…笑
それから生物も朔が1位をとり、英語では和音が1位で悠は2位だった。
最後に数学。私の教科だ。

九条「最後に数学な!学年1位は…」

どうか…1位とれてますようにっ…

九条「1位は双葉!100点満点だ。
お前頭どーなってんだ?引っ掛けあったの気づいてたのか?」

雛「え?引っ掛けあったの?
知らなかった…」

九条「逆にすごいな…」

雛の天然ボケが炸裂しクラスは笑いに包まれた。

九条「それから総合順位の張り出しがあってるから、後で見ておくように。
今回赤点が1教科でもあったやつは居残り補習があるからな!絶対帰ったりすんなよ!以上!」

挨拶をして、廊下に出て悠と和音と順位を見る。

雛「わー…さすが悠…総合順位1位悠だよ…」

悠「お前らってさ…なんで1教科だけなら1位取れるのに総合となったら順位下がるの?
ヒナに関してはまた俺と5点さで2位だし…
逆になに間違えた?」

雛「…数学以外1個ずつと、英語だけ2個…」

悠「和音は?」

和音「英語は満点なんだけど、国語で結構落とした。俺も日本人だからできるはずなんだけどな~…」

悠「この帰国子女が…」

亜衣「あれ?ヒナ、悠と和音も…」

雛「あ!亜衣っ!国語トップおめでとっ!」

亜衣「ありがと!
あたしも自分でびっくりしたよ~」

雛「私もびびった!
翔と朔も良かったね~!」

翔「ほんと、それ!」

朔「総合順位も正常運転オッケー!」

美優「シックスター…」

雛「あ…クラリス…
約束だったよね?負けた方は勝った方の言うことなんでも1つだけ聞くこと…」

美優「そうだったね」

雛「要求はこれ。
この同意書に同意する。その一つだよ」

美優「は?」

氷雪「ちょっと待ってよ!
それ酷くない?そんなのないない!あり得ないってば!」

雛「ルールは間違ってないはずだよ?
なんでも1つ。その中に制限はなにもなかった。ならこれもありだよね」

氷雪「なにそれ…」

美優「…見せて…」

雛「はい」

美優「…っ…」ビリッ!

雛「あ」

美優「こんなアホらしいことできるわけないじゃん!あんたなに考えてんのっ!?
私たちをどうしたいのよっ!?」

雛「え?クラリス崩壊させたいwww」

美優「バッカバカしい…」

雛「ま、いーけど…」

美優「はぁ?」

雛「クラリスのその反応は予想済み。
こっちはこっちでやることあるからもういいよ。
あ、だからと言ってあんたらは要求できないからね?そこは勘違いしないでよ、じゃ!」



亜衣「ヒナ…良かったの?」

雛「なにが?」

亜衣「あの賭けチャラにして」

雛「別に?だってたかが賭けだもん。
持ち出したのは相手がだし…私らはそれに便乗しただけだからいつでも降りれる状態だった。それに…相手があの調子じゃ飲み込ませるのは到底無理でしょ。
なら、チャラにする方が面倒臭くなくていい」

亜衣「あ…そ…」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

処理中です...