44 / 66
第44話 新たなる艦
しおりを挟む
3隻のチャマンカ軍の巡洋艦は、ワランファ准将らの乗るショードファ軍の宇宙戦艦に向けてワープミサイルを発射した。
ワープミサイルは発車直後にマイクロ・ワープして、ショードファ艦を取り巻くシールド内にワープアウトし、打撃を与えた。
地震のような衝撃が、ショードファ艦を激しく揺るがす。
当然ショードファ艦も反撃してワープミサイルを巡洋艦に叩きこむが、なにぶん1対3なので分が悪い。
その時である。突然チャマンカ艦隊の後方に1隻の戦艦がワープアウトした。
その艦は、ダラパシャイ軍の物だった。
ダラパシャイ軍はチャマンカ軍の指揮下に入っている。どうやら援軍らしい。
すでに不利なのに、さらに援軍が来たのである。ワランファ准将の焦燥は深かった。
彼は今ショードファ艦のブリッジにいる。
ザースコ少佐とデールン少尉、地球人の瀬戸口、結菜、ジョン、チャン、ボリスの姿もある。
「なにあの宇宙船、まるでカニみたいな形してる」
ホロ映像で映しだされたダラパシャイ艦を観ながら結菜が指をさした。
彼女の言及通りダラパシャイ艦は意識的にそう設計したのか無意識なのかはわからぬが、そのフォルムは地球のカニに似たダラパシャイ人そのものの体型に似ている。
カニの両手のはさみに当たる部分がミサイル発射口となっており、進行方向に突きだしていた。
その発射口から無数のミサイルが飛びだす。
それはワープすると意外な事にチャマンカ軍の宇宙巡洋艦3隻のシールド内に実体化し、チャマンカ艦隊を襲撃する。
「中央の巡洋艦のシールドが消えました」
艦橋のシートに着いたザースコ少佐がホロモニターを見ながらワランファに報告する。
「ダラパシャイ艦の攻撃で、シールド発生装置が破壊されたようです」
「ありったけのレーザーを、中央の巡洋艦にぶちこむんだ」
ワランファが命令した。ザースコが脳波で艦のAIに、ビーム攻撃を指示。
見えない無数のレーザーが艦全体の砲塔から放たれて、中央の敵艦に集中する。敵艦はやがて爆発し、漆黒の宇宙に四散した。
「ダラパシャイ艦から通信が入ってます」
通信シートに座ったデールン少尉が報告する。ブリッジに地球のカニのような姿をしたダラパシャイ人のホログラムが現れた。
「こちらはズロッシャイ中佐指揮下のドンシャイ少佐です。中佐の命令で加勢に来ました」
「しかしダラパシャイ軍は、チャマンカ軍の指揮下にあるはずだが」
ワランファが、異を唱えた。
「現在我々は、クーデター派に加担してます。つまり我々は、チャマンカ正規軍とは敵対関係にあるのです」
ブリッジ内にどよめきが走る。
ワープミサイルは発車直後にマイクロ・ワープして、ショードファ艦を取り巻くシールド内にワープアウトし、打撃を与えた。
地震のような衝撃が、ショードファ艦を激しく揺るがす。
当然ショードファ艦も反撃してワープミサイルを巡洋艦に叩きこむが、なにぶん1対3なので分が悪い。
その時である。突然チャマンカ艦隊の後方に1隻の戦艦がワープアウトした。
その艦は、ダラパシャイ軍の物だった。
ダラパシャイ軍はチャマンカ軍の指揮下に入っている。どうやら援軍らしい。
すでに不利なのに、さらに援軍が来たのである。ワランファ准将の焦燥は深かった。
彼は今ショードファ艦のブリッジにいる。
ザースコ少佐とデールン少尉、地球人の瀬戸口、結菜、ジョン、チャン、ボリスの姿もある。
「なにあの宇宙船、まるでカニみたいな形してる」
ホロ映像で映しだされたダラパシャイ艦を観ながら結菜が指をさした。
彼女の言及通りダラパシャイ艦は意識的にそう設計したのか無意識なのかはわからぬが、そのフォルムは地球のカニに似たダラパシャイ人そのものの体型に似ている。
カニの両手のはさみに当たる部分がミサイル発射口となっており、進行方向に突きだしていた。
その発射口から無数のミサイルが飛びだす。
それはワープすると意外な事にチャマンカ軍の宇宙巡洋艦3隻のシールド内に実体化し、チャマンカ艦隊を襲撃する。
「中央の巡洋艦のシールドが消えました」
艦橋のシートに着いたザースコ少佐がホロモニターを見ながらワランファに報告する。
「ダラパシャイ艦の攻撃で、シールド発生装置が破壊されたようです」
「ありったけのレーザーを、中央の巡洋艦にぶちこむんだ」
ワランファが命令した。ザースコが脳波で艦のAIに、ビーム攻撃を指示。
見えない無数のレーザーが艦全体の砲塔から放たれて、中央の敵艦に集中する。敵艦はやがて爆発し、漆黒の宇宙に四散した。
「ダラパシャイ艦から通信が入ってます」
通信シートに座ったデールン少尉が報告する。ブリッジに地球のカニのような姿をしたダラパシャイ人のホログラムが現れた。
「こちらはズロッシャイ中佐指揮下のドンシャイ少佐です。中佐の命令で加勢に来ました」
「しかしダラパシャイ軍は、チャマンカ軍の指揮下にあるはずだが」
ワランファが、異を唱えた。
「現在我々は、クーデター派に加担してます。つまり我々は、チャマンカ正規軍とは敵対関係にあるのです」
ブリッジ内にどよめきが走る。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
SEVEN TRIGGER
匿名BB
SF
20xx年、科学のほかに魔術も発展した現代世界、伝説の特殊部隊「SEVEN TRIGGER」通称「S.T」は、かつて何度も世界を救ったとされる世界最強の特殊部隊だ。
隊員はそれぞれ1つの銃器「ハンドガン」「マシンガン」「ショットガン」「アサルトライフル」「スナイパーライフル」「ランチャー」「リボルバー」を極めたスペシャリストによって構成された部隊である。
その中で「ハンドガン」を極め、この部隊の隊長を務めていた「フォルテ・S・エルフィー」は、ある事件をきっかけに日本のとある港町に住んでいた。
長年の戦場での生活から離れ、珈琲カフェを営みながら静かに暮らしていたフォルテだったが、「セイナ・A・アシュライズ」との出会いをきっかけに、再び戦いの世界に身を投じていくことになる。
マイペースなフォルテ、生真面目すぎるセイナ、性格の合わない2人はケンカしながらも、互いに背中を預けて悪に立ち向かう。現代SFアクション&ラブコメディー
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
神怪三姉妹の日常
神怪紫朱姫
SF
三姉妹が再会し、伏見桃太郎という人物の基
桃太郎が従える三体の神とのシンクロするため修行を始める。長い歳月の修行を経て、
強大な敵に多くの仲間と共に戦い、日本を守る物語
聖女戦士ピュアレディー
ピュア
大衆娯楽
近未来の日本!
汚染物質が突然変異でモンスター化し、人類に襲いかかる事件が多発していた。
そんな敵に立ち向かう為に開発されたピュアスーツ(スリングショット水着とほぼ同じ)を身にまとい、聖水(オシッコ)で戦う美女達がいた!
その名を聖女戦士 ピュアレディー‼︎
フィオニス・ディグニターティ
葉沼水素
SF
《星間文明聯合》からの使者と名乗る異星人の来訪によって大きく変わり始めた地球、警察庁の百武琉信は突然悪質な異星人を取り締まる《VICT》の捜査官として聯合へと出向することになる。
異星人が暗躍する地球で百武はフィオニス・ディグニターティ(地球人の尊厳)を守ることが出来るのだろうか──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる