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三章
私の過去
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「ずっと病気してて、学校を休みがちだったから……それがきっと、気に入らなかったんだと思う。顔の皮膚が少しただれてるから、クラスの男子から、”悪魔”って呼ばれて・・・・・・みんなから無視されたり、水をかけられたりした。とても辛かった……でも、あなたも辛かったのね。なんだか私たち、似たもの同士みたい。きっとあなたと一緒に住むことを断ったのもそのせい・・・・・・きっと、若い男性を信じることが難しくなってしまったんだと思う。」
少し彼は黙った。そして、あるおまじないを教えてくれた。
「ミライ、こんなおまじないを知ってるかい?『トマトはトマト。赤いトマト。上から読んでも下から読んでもトマトはトマト。英語にしたら、トマトはオタモト。』」
私は「なにそれ、変なの」と笑った。でも少しだけ元気が出た。彼はやっぱりやさしい。ガラクタなんかじゃない。
もう、自宅の近くまで来てしまった。彼とは、ここでお別れになるだろう。そう考えると、涙が出てきた。
「ほら、泣かないで。また廃棄場に来れば会えるじゃないか。僕はいつでも待ってるから。ね?だから、もうお帰り。両親が心配するよ。」
そういうと彼は私の背中を押してくれた。そうだ、また廃棄場に行けばいい。また通えば、沢山話ができる。そう考えると、少し気持ちが軽くなった。
「わかった・・・・・・でもまた、会いに行くからね!」
そういうと手を振って、私は自宅のチャイムを鳴らした。
少し彼は黙った。そして、あるおまじないを教えてくれた。
「ミライ、こんなおまじないを知ってるかい?『トマトはトマト。赤いトマト。上から読んでも下から読んでもトマトはトマト。英語にしたら、トマトはオタモト。』」
私は「なにそれ、変なの」と笑った。でも少しだけ元気が出た。彼はやっぱりやさしい。ガラクタなんかじゃない。
もう、自宅の近くまで来てしまった。彼とは、ここでお別れになるだろう。そう考えると、涙が出てきた。
「ほら、泣かないで。また廃棄場に来れば会えるじゃないか。僕はいつでも待ってるから。ね?だから、もうお帰り。両親が心配するよ。」
そういうと彼は私の背中を押してくれた。そうだ、また廃棄場に行けばいい。また通えば、沢山話ができる。そう考えると、少し気持ちが軽くなった。
「わかった・・・・・・でもまた、会いに行くからね!」
そういうと手を振って、私は自宅のチャイムを鳴らした。
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