28 / 49
27 廷臣五百八十八卿列参事件 (ヴィルヘルム12世視点)
しおりを挟む
その朝の目覚めの不快さといったらなかったものだ。息子の起こした不始末で、あるいは帝国の歴史が終わるかもしれないのだから。
昨日、家臣から報告を受けて、すぐにディートハルトを呼び出した。その時点ですでに余は、頭痛を感じていた。このあいだの講義で、ディートハルトはなにもわかっていなかったのだ。
エリーゼ嬢との婚約を破棄するなど、馬鹿げている。彼女の実家であるアードルング公爵家に、どれほどの貸しをつくることになるか、ぞっとするほどだ。東方諸侯は派閥にあまり頓着しないとはいえ、アードルング家は東方の名家だ。かりにアードルング派というまとめかたをするなら、20家ほどが付き従うだろう。アードルング公には、決して敵意をもたれてはならないのだ。
それだというのに、あのバカ者め━━1時間ほどかかって内裏にやってきたディートハルトを、怒鳴りつけてやろうかと思ったそのときだ。余は息子の顔を見るなり気勢をそがれた。
ディートハルトは余が叱責するまでもなく、青ざめ、小刻みに震え、泣き出しそうな表情をしていた。
「陛下、も、申し訳ございません…」
「はあっ…なにがあったのだ」
すでにことの重大さを理解し、反省しているものをこれ以上叱責してもしかたない。余は率直にディートハルトに問うた。
ディートハルトの答えは、予想の最悪を極めた。
「カーマクゥラを、敵に回しました」
「な、んだと…」
「エリーゼは、カーマクゥラの御前の、友人だったのです」
「そ、それで」
「御前は怒り狂っておりました。そして━━皇族がカーマクゥラに逆らうということがどういう意味か、わかっているのかと問われました」
ああ━━強い目眩がした。余は胃に不快感を覚えてハンカチーフで口元をおさえた。わずかにえづいて吐き出したハンカチーフに視線を落とすと、べっとりと血に濡れていた。強い心理的負荷に耐えかねて、わずか数十秒のあいだに胃に穴が空いたのだろう。
あたりまえだ。ここから先の対応をひとつ間違えるだけで、700年続いた帝国の歴史を、余の代で終わらせることになるかもしれないのだから。
身体をおおう苦痛は尋常ではなかったが、ここで余が倒れるわけにはいかない。すぐに侍従長を呼び、命令する。
「いますぐアードルング家に見舞いの品を贈るのだ。ひとまず目録でいい、国庫を空にしてもかまわん!」
「見舞い、ですか?それもアードルング家に?」
不思議そうにしているディートハルトに苛立ちを覚える。ことの順序もわからないのか。カーマクゥラに謝罪するのは、アードルング家の次だ。ディートハルトが迷惑をかけたのは、エリーゼ嬢に対してなのだから。エリーゼ嬢に対する姿勢をこそ御前は見ているだろう。
余はディートハルトを無視して侍従長に命じる。
「エリーゼ嬢に、皇帝の名で、心痛を察していると伝言せよ。それから非公式にだが、エリーゼ嬢を皇太子妃として迎える準備があることを匂わせるのだ!」
「こ、皇太子妃殿下は、すでにおわしますが…」
「エリーゼ嬢にその地位を望む気持ちがあるなら、いまの皇太子妃は廃妃する」
侍従長が唖然とした。だがこの処置は妥当だ。皇太子妃とはいえ、もとはいち貴族令嬢。カーマクゥラと敵対するくらいなら、いくらでも切り捨てる。国家の存亡がかかっているのだ。天秤はなんとでも釣り合う。
それはたとえば、息子の命であっても。
命令を受けてあわてて走り去る侍従長を見送ったあと、余はディートハルトの目をまっすぐに見すえた。かわいい息子だ。目に入れても痛くない、大事な皇子だ。それでも。
「ディートハルト、成り行き次第では、そなたに死んでもらうことになる」
涙を浮かべた余の顔を見て、ディートハルトは一瞬目を伏せて、すぐに余の顔を見つめ直した。
「…陛下、ご迷惑をおかけしました。臣の命はいかようにもお使いください」
非情な父を許せ━━口には出せないが、余は内心でディートハルトに詫びた。多額の見舞金と皇太子妃の地位。それで済むなら良いのだが…。
余の不安は、的中した。
アードルング家に使者を出したが、エリーゼ嬢は屋敷に帰っておらず、不機嫌なアードルング公は「エリーゼはカーマクゥラに預けております」と答えた。使者はそのまま、カーマクゥラの屋敷に向かったが、そこで門前払いを受けたという。
「御前の望みはなんなのだ」
余が問うと、使者の男はひどく屈辱的な表情で言った。
「陛下ご自身がアードルング家の門前で、3日間、裸足で断食と謝罪を続けること、でございます。陛下に対し奉り、無礼にもほどがある!」
「そ、それは━━」
無礼だとはいまさら思わないが、実際には不可能なことだ。そのようなことを実行したら、皇帝の権威が地に落ちる。結果的に帝国は滅ぶだろう。なんとか譲歩を引き出せないか、余は何度もカーマクゥラに使者を送ったが、御前にもエリーゼ嬢にも会うことができなかった。私は眠れぬ一夜を過ごし、明け方に少しだけ横になっただけで、不快な朝を迎えた。
そして━━帝国の終わりがはじまった。
その行列は帝城の塔からもよく見えた。
きらびやかな衣装を身にまとった貴族たちが、列をなして城の門前に殺到する。彼らは口々に叫んだ。
「ディートハルト皇子を処罰せよ!」
「エリーゼ嬢の名誉を守れ!」
「皇帝陛下はご温情をさずけられよ!」
帝国の歴史上、これほどの危機はなかった。800諸侯の7割にもなる貴族が、一致して帝室のあり方に批判を加えているのだ。588名にもおよぶその貴族たちは、皇帝ではなくカーマクゥラの御前に忠誠を誓っている。御前の命令があれば、かれらは帝国に反旗をひるがえすだろう。そのことが満天下に示された。
この事件の意味するところは━━すなわち、帝国の終焉だった。
「ははは、帝国は終わったわ…」
余は不覚にも床にひざまずき、先祖の霊に詫びた。自然に涙がこぼれおちる━━いったい何が悪かったのだろう。ディートハルトへの教育を怠ったことか。大貴族の派閥政治を見過ごしたことか。貧窮した伯爵家に手を差し伸べなかったことか。余が諸侯に対してもっと慈悲深く接していれば、皇帝に対する彼らの忠誠心を喚起できたのであろうか。
数百年来、皇帝の権力など有名無実化していた。だから余ははじめから諦めた気持ちで、帝国に対してなにもやってこなかった。ラングハイム公が権力を極めたときも、無害な皇帝を演出して嵐がすぎるのを待つばかりだった。その結果がこれだ。ことなかれ主義がもたらした、いずれきたるべき終わりが、この事件なのだ。
「余は帝国最後の皇帝になるのか…」
ひとりごちたそのつぶやきに、どこからか答える声がある。
「まだ終わってもらっては困る」
「…誰だ!」
「カーマクゥラ四天王、『全知』のフリッツ」
カーマクゥラの使者…!
「余の使者を門前払いにしておいて、いまさらなんの用だ」
滅びが決まってしまっているから、余はむしろ開き直った気持ちで、姿の見えないフリッツとやらに問う。するとフリッツはクスクスと笑った。
「御前さまはうぬに慈悲を与えられた。明日の午後、カーマクゥラ屋敷に参れ。エリーゼ嬢に謝罪する機会を与える」
「それは、ヴァイデンライヒ帝家をご赦免くださるということか…?」
余は自然に敬語を用いていた。皇帝が敬うべきは神以外にはありえない。にも関わらず、敬語を使ってしまった。それはすなわち、余の中ですでに帝国が滅んでしまったからなのだろう。
フリッツがどこからか笑った。
「それはうぬの態度次第というところだ。帝国を滅ぼしたくなければ、せいぜい心して参じるがいい」
フリッツの気配が消えた。それでも消えない緊張感のなか、余は胃のあたりをさすった。帝国の危機は、いまなお終わっていない。
昨日、家臣から報告を受けて、すぐにディートハルトを呼び出した。その時点ですでに余は、頭痛を感じていた。このあいだの講義で、ディートハルトはなにもわかっていなかったのだ。
エリーゼ嬢との婚約を破棄するなど、馬鹿げている。彼女の実家であるアードルング公爵家に、どれほどの貸しをつくることになるか、ぞっとするほどだ。東方諸侯は派閥にあまり頓着しないとはいえ、アードルング家は東方の名家だ。かりにアードルング派というまとめかたをするなら、20家ほどが付き従うだろう。アードルング公には、決して敵意をもたれてはならないのだ。
それだというのに、あのバカ者め━━1時間ほどかかって内裏にやってきたディートハルトを、怒鳴りつけてやろうかと思ったそのときだ。余は息子の顔を見るなり気勢をそがれた。
ディートハルトは余が叱責するまでもなく、青ざめ、小刻みに震え、泣き出しそうな表情をしていた。
「陛下、も、申し訳ございません…」
「はあっ…なにがあったのだ」
すでにことの重大さを理解し、反省しているものをこれ以上叱責してもしかたない。余は率直にディートハルトに問うた。
ディートハルトの答えは、予想の最悪を極めた。
「カーマクゥラを、敵に回しました」
「な、んだと…」
「エリーゼは、カーマクゥラの御前の、友人だったのです」
「そ、それで」
「御前は怒り狂っておりました。そして━━皇族がカーマクゥラに逆らうということがどういう意味か、わかっているのかと問われました」
ああ━━強い目眩がした。余は胃に不快感を覚えてハンカチーフで口元をおさえた。わずかにえづいて吐き出したハンカチーフに視線を落とすと、べっとりと血に濡れていた。強い心理的負荷に耐えかねて、わずか数十秒のあいだに胃に穴が空いたのだろう。
あたりまえだ。ここから先の対応をひとつ間違えるだけで、700年続いた帝国の歴史を、余の代で終わらせることになるかもしれないのだから。
身体をおおう苦痛は尋常ではなかったが、ここで余が倒れるわけにはいかない。すぐに侍従長を呼び、命令する。
「いますぐアードルング家に見舞いの品を贈るのだ。ひとまず目録でいい、国庫を空にしてもかまわん!」
「見舞い、ですか?それもアードルング家に?」
不思議そうにしているディートハルトに苛立ちを覚える。ことの順序もわからないのか。カーマクゥラに謝罪するのは、アードルング家の次だ。ディートハルトが迷惑をかけたのは、エリーゼ嬢に対してなのだから。エリーゼ嬢に対する姿勢をこそ御前は見ているだろう。
余はディートハルトを無視して侍従長に命じる。
「エリーゼ嬢に、皇帝の名で、心痛を察していると伝言せよ。それから非公式にだが、エリーゼ嬢を皇太子妃として迎える準備があることを匂わせるのだ!」
「こ、皇太子妃殿下は、すでにおわしますが…」
「エリーゼ嬢にその地位を望む気持ちがあるなら、いまの皇太子妃は廃妃する」
侍従長が唖然とした。だがこの処置は妥当だ。皇太子妃とはいえ、もとはいち貴族令嬢。カーマクゥラと敵対するくらいなら、いくらでも切り捨てる。国家の存亡がかかっているのだ。天秤はなんとでも釣り合う。
それはたとえば、息子の命であっても。
命令を受けてあわてて走り去る侍従長を見送ったあと、余はディートハルトの目をまっすぐに見すえた。かわいい息子だ。目に入れても痛くない、大事な皇子だ。それでも。
「ディートハルト、成り行き次第では、そなたに死んでもらうことになる」
涙を浮かべた余の顔を見て、ディートハルトは一瞬目を伏せて、すぐに余の顔を見つめ直した。
「…陛下、ご迷惑をおかけしました。臣の命はいかようにもお使いください」
非情な父を許せ━━口には出せないが、余は内心でディートハルトに詫びた。多額の見舞金と皇太子妃の地位。それで済むなら良いのだが…。
余の不安は、的中した。
アードルング家に使者を出したが、エリーゼ嬢は屋敷に帰っておらず、不機嫌なアードルング公は「エリーゼはカーマクゥラに預けております」と答えた。使者はそのまま、カーマクゥラの屋敷に向かったが、そこで門前払いを受けたという。
「御前の望みはなんなのだ」
余が問うと、使者の男はひどく屈辱的な表情で言った。
「陛下ご自身がアードルング家の門前で、3日間、裸足で断食と謝罪を続けること、でございます。陛下に対し奉り、無礼にもほどがある!」
「そ、それは━━」
無礼だとはいまさら思わないが、実際には不可能なことだ。そのようなことを実行したら、皇帝の権威が地に落ちる。結果的に帝国は滅ぶだろう。なんとか譲歩を引き出せないか、余は何度もカーマクゥラに使者を送ったが、御前にもエリーゼ嬢にも会うことができなかった。私は眠れぬ一夜を過ごし、明け方に少しだけ横になっただけで、不快な朝を迎えた。
そして━━帝国の終わりがはじまった。
その行列は帝城の塔からもよく見えた。
きらびやかな衣装を身にまとった貴族たちが、列をなして城の門前に殺到する。彼らは口々に叫んだ。
「ディートハルト皇子を処罰せよ!」
「エリーゼ嬢の名誉を守れ!」
「皇帝陛下はご温情をさずけられよ!」
帝国の歴史上、これほどの危機はなかった。800諸侯の7割にもなる貴族が、一致して帝室のあり方に批判を加えているのだ。588名にもおよぶその貴族たちは、皇帝ではなくカーマクゥラの御前に忠誠を誓っている。御前の命令があれば、かれらは帝国に反旗をひるがえすだろう。そのことが満天下に示された。
この事件の意味するところは━━すなわち、帝国の終焉だった。
「ははは、帝国は終わったわ…」
余は不覚にも床にひざまずき、先祖の霊に詫びた。自然に涙がこぼれおちる━━いったい何が悪かったのだろう。ディートハルトへの教育を怠ったことか。大貴族の派閥政治を見過ごしたことか。貧窮した伯爵家に手を差し伸べなかったことか。余が諸侯に対してもっと慈悲深く接していれば、皇帝に対する彼らの忠誠心を喚起できたのであろうか。
数百年来、皇帝の権力など有名無実化していた。だから余ははじめから諦めた気持ちで、帝国に対してなにもやってこなかった。ラングハイム公が権力を極めたときも、無害な皇帝を演出して嵐がすぎるのを待つばかりだった。その結果がこれだ。ことなかれ主義がもたらした、いずれきたるべき終わりが、この事件なのだ。
「余は帝国最後の皇帝になるのか…」
ひとりごちたそのつぶやきに、どこからか答える声がある。
「まだ終わってもらっては困る」
「…誰だ!」
「カーマクゥラ四天王、『全知』のフリッツ」
カーマクゥラの使者…!
「余の使者を門前払いにしておいて、いまさらなんの用だ」
滅びが決まってしまっているから、余はむしろ開き直った気持ちで、姿の見えないフリッツとやらに問う。するとフリッツはクスクスと笑った。
「御前さまはうぬに慈悲を与えられた。明日の午後、カーマクゥラ屋敷に参れ。エリーゼ嬢に謝罪する機会を与える」
「それは、ヴァイデンライヒ帝家をご赦免くださるということか…?」
余は自然に敬語を用いていた。皇帝が敬うべきは神以外にはありえない。にも関わらず、敬語を使ってしまった。それはすなわち、余の中ですでに帝国が滅んでしまったからなのだろう。
フリッツがどこからか笑った。
「それはうぬの態度次第というところだ。帝国を滅ぼしたくなければ、せいぜい心して参じるがいい」
フリッツの気配が消えた。それでも消えない緊張感のなか、余は胃のあたりをさすった。帝国の危機は、いまなお終わっていない。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
海千山千の金貸しババア、弱小伯爵令嬢に生まれ変わる。~皇帝陛下をひざまずかせるまで止まらない成り上がりストーリー~
河内まもる
恋愛
かつて金と暴力によって裏社会の顔役にまでのし上がった『金貸しのしらみ』。
ひょんなことから乙女ゲームの主人公に転生した彼女は、8歳で伯爵家に迎えられ貴族令嬢となる。
この物語は伯爵令嬢となったかつての因業ババアが、生まれ落ちた世界で帝国最大の権力を得、乙女ゲームの舞台である『学園』へ入学するまでの軌跡を追った成り上がりストーリーである。
※続編として『悪役令嬢より悪役な〜乙女ゲームの主人公は世界を牛耳る闇の黒幕~(https://www.alphapolis.co.jp/novel/693761111/990498402)がございます。よろしければそちらもどうぞ。
初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
誰もが魔力を備えるこの世界で魔力のないオネルヴァは、キシュアス王国の王女でありながらも幽閉生活を送っていた。
そんな生活に終止符を打ったのは、オネルヴァの従兄弟であるアルヴィドが、ゼセール王国の手を借りながらキシュアス王の首を討ったからだ。
オネルヴァは人質としてゼセール王国の北の将軍と呼ばれるイグナーツへ嫁ぐこととなる。そんな彼には六歳の娘、エルシーがいた。
「妻はいらない。必要なのはエルシーの母親だ」とイグナーツに言われたオネルヴァであるが、それがここに存在する理由だと思い、その言葉を真摯に受け止める。
娘を溺愛しているイグナーツではあるが、エルシーの母親として健気に接するオネルヴァからも目が離せなくなる。
やがて、彼が恐れていた通り、次第に彼女に心を奪われ始めるのだが――。
※朝チュンですのでR15です。
※年の差19歳の設定です……。
※10/4から不定期に再開。
[完結]18禁乙女ゲームのモブに転生したら逆ハーのフラグを折ってくれと頼まれた。了解ですが、溺愛は望んでません。
紅月
恋愛
「なに此処、18禁乙女ゲームじゃない」
と前世を思い出したけど、モブだから気楽に好きな事しようって思ってたのに……。
攻略対象から逆ハーフラグを折ってくれと頼まれたので頑張りますが、なんか忙しいんですけど。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる