1 / 6
第1幕:謎の訪問者
しおりを挟む
古びた塔と枯れた庭に囲まれたゴスウッド家の豪邸は、夜の闇に溶け込むように佇んでいた。町の人々はこの家を恐れ、噂話の種にしていたが、その内部では、奇妙ながらも幸せな家族の生活が営まれていた。
モルビディア・ゴスウッドは、書斎の窓辺に立ち、庭に広がる毒草園を眺めていた。彼女の細く長い指が、窓ガラスに触れるか触れないかのところでかすかに震えている。月明かりに照らされた庭の様子は、彼女の心を落ち着かせる唯一のものだった。
「また新しい芽が出たわね」彼女は独り言を呟いた。その声は、まるで蜘蛛の糸のように細く、しかし強かった。
突然、階下から物音が聞こえた。モルビディアは眉をひそめた。彼女の夫グリムスリーが、また何か悪ふざけをしているのだろうか。しかし、すぐにそれが違うことに気づいた。物音は玄関の方から聞こえてきたのだ。
ゴスウッド家に訪問者がやって来るなど、まず考えられないことだった。
モルビディアは静かに書斎を出て、階段を降りていった。暗い廊下を進むと、娘のルナリスが部屋から飛び出してきた。
「母さん!」ルナリスは息を切らしていた。「幽霊たちが警告してるの。誰か来たって」
モルビディアは娘を見つめた。ルナリスの大きな瞳には不安が浮かんでいた。「落ち着きなさい、ルナリス」モルビディアは冷静に言った。「幽霊たちに何か情報はあるの?」
ルナリスは首を振った。「ただ、誰か見知らぬ人が来たって。でも、危険な人じゃないみたい」
その時、階下からグリムスリーの声が聞こえてきた。「おやおや、こんな夜更けに珍しいお客様だ。どうぞ、お入りください」
モルビディアとルナリスは顔を見合わせた。グリムスリーの声には、いつもの皮肉な調子が混じっていた。二人は急いで階段を降り、玄関ホールに向かった。
そこには、ゴスウッド家の面々が集まっていた。グリムスリーは玄関のドアを開け、見知らぬ男性と向き合っていた。その男性は、ゴスウッド家の誰とも違う、どこにでもいそうな普通の外見をしていた。
「こんばんは」男性は丁寧に挨拶した。「突然の訪問で申し訳ありません。私の名前はエリアスと申します」
グリムスリーは eyebrow を上げた。「エリアスさん、ですか。まあ、珍しいお名前だ。我が家にようこそ。どうぞ、お入りください。ただし、警告しておきますよ。この家に一歩踏み入れたら、もう普通の世界には戻れませんからね」彼は笑いながら言った。
エリアスは微笑んだ。「ありがとうございます。そのリスクは覚悟の上です」
モルビディアは、エリアスを注意深く観察した。彼の態度には何か違和感があった。普通の人間なら、ゴスウッド家に足を踏み入れることを躊躇するはずだ。しかし、エリアスにはそんな様子が見られなかった。
ルナリスは、エリアスの背後に集まる幽霊たちを見ていた。彼女には、幽霊たちが興奮しているように見えた。彼女は小声で尋ねた。「この人のこと、何か知ってる?」
幽霊たちは首を振った。しかし、彼らの目には好奇心が光っていた。
その時、階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。クレプス・ゴスウッドが、腕に何かを抱えて現れた。
「誰か来たの?」クレプスは息を切らしながら言った。彼の腕の中で、奇妙な形をした生き物が動いていた。
「ああ、クレプス」グリムスリーは息子に向かって言った。「君の新しい友達を紹介しよう。エリアスさんだ。エリアスさん、これは私の息子のクレプスです。生き物が大好きでね」
エリアスはクレプスに微笑んだ。「こんばんは、クレプス君。その生き物は何ですか?とても興味深そうですね」
クレプスは目を輝かせた。「これはグリモアルド!新種の両生類なんだ。今朝、庭で見つけたんだよ」
エリアスは興味深そうにグリモアルドを覗き込んだ。すると突然、その生き物が飛び出し、エリアスの肩に乗った。
「おや」エリアスは驚いたように見えたが、すぐに落ち着いた。「随分と人懐っこい子ですね」
クレプスは目を丸くした。「すごい!グリモアルドは普段、僕以外の人には近づかないんだ」
モルビディアは眉をひそめた。この状況には何か不自然なものがあった。エリアスは、ゴスウッド家の奇妙さにまったく動じていないように見えた。
「さて」グリムスリーは手をたたいた。「こんな夜更けに立ち話も何ですからね。エリアスさん、どうぞ居間にお入りください。お茶でもいかがですか?」
エリアスは丁寧にお辞儀をした。「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
一同が居間に移動する中、ルナリスは幽霊たちに囲まれていた。彼女は小声で尋ねた。「この人のこと、何か分かった?」
幽霊の一人が首を振った。「いいえ、でも…何か特別な人のような気がするわ。普通の人間じゃないみたい」
ルナリスは眉をひそめた。エリアスの正体は何なのか。そして、彼がゴスウッド家を訪れた本当の理由は何なのか。
居間に入ると、グリムスリーはエリアスをソファに案内した。モルビディアは静かに台所に向かい、お茶の準備を始めた。クレプスはグリモアルドをエリアスから受け取り、興奮した様子で生き物と戯れていた。
「で、エリアスさん」グリムスリーは椅子に座りながら言った。「こんな夜更けに、我が家のような場所を訪ねてくるなんて、よほどの理由があるんでしょうね?」
エリアスは穏やかに微笑んだ。「はい、実は…」
彼が話し始めようとした瞬間、突然停電が起こった。辺りは真っ暗になり、冷たい風が吹き抜けた。
「おやおや」グリムスリーの声が闇の中から聞こえてきた。「これはまた、歓迎のサプライズかな?」
ルナリスは、周りの幽霊たちが騒ぎ始めるのを感じた。彼女は小声で尋ねた。「何があったの?」
幽霊の一人が答えた。「分からないわ。でも、何か強い力が働いているみたい」
モルビディアの冷静な声が聞こえた。「みんな、慌てないで。ろうそくを持ってくるわ」
数分後、居間はろうそくの明かりで薄暗く照らされた。家族全員の顔が、揺らめく炎に照らされて浮かび上がる。エリアスの表情は、相変わらず穏やかだった。
「申し訳ありません」エリアスは言った。「私が来たせいで、こんなことになってしまって」
グリムスリーは笑った。「いやいや、気にしないでください。我が家では、こんなことは日常茶飯事ですからね」
モルビディアはエリアスをじっと見つめた。「あなたは、私たちの家のことをよく知っているようですね」
エリアスは少し驚いたように見えた。「いいえ、そんなことは…」
「母さん」ルナリスが割り込んだ。「幽霊たちが言ってるわ。エリアスさんには、何か特別な力があるみたいだって」
クレプスは興奮した様子で言った。「そうなの?すごい!どんな力なの?」
エリアスは困ったように笑った。「いや、そんな…私は普通の人間です」
しかし、その瞬間、彼の目が一瞬だけ異様に輝いたように見えた。モルビディアはそれを見逃さなかった。
「エリアスさん」モルビディアは静かに、しかし強い口調で言った。「あなたは誰なの?そして、なぜここに来たの?」
部屋の空気が一気に緊張に包まれた。エリアスは深くため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。
「実は…」彼は言いかけたが、突然、外から大きな音が聞こえた。
全員が窓の方を見ると、庭に何かが落ちてきたのが見えた。クレプスが驚いて叫んだ。「隕石だ!」
グリムスリーは眉をひそめた。「隕石?こんな夜に?」
モルビディアは冷静に言った。「落ち着いて。みんな外に出て、確認しましょう」
家族全員が外に出ると、庭の中央に大きな穴が開いていた。そこから、奇妙な光が漏れ出している。
エリアスは穴の縁に立ち、中をのぞき込んだ。「これは…」
突然、穴から強い光が噴き出し、エリアスを包み込んだ。家族全員が目を見張る中、エリアスの姿が変化し始めた。
光が消えると、そこにはもはや普通の人間の姿はなかった。エリアスは、まるで星空そのものを体現したような、神秘的な姿に変わっていた。
「私の正体を明かす時が来たようですね」エリアスの声は、まるで宇宙の深淵から響いてくるかのようだった。
ゴスウッド家の面々は、驚きと興奮、そして少しの恐れを感じながら、エリアスを見つめていた。彼らの前に広がっているのは、想像もしていなかった新たな冒険の始まりだった。
そして、長い沈黙の後、グリムスリーが静かに言った。「さて、これは面白くなりそうだ」
夜は深まり、ゴスウッド家の奇妙な物語は、新たな章を迎えようとしていた。
モルビディア・ゴスウッドは、書斎の窓辺に立ち、庭に広がる毒草園を眺めていた。彼女の細く長い指が、窓ガラスに触れるか触れないかのところでかすかに震えている。月明かりに照らされた庭の様子は、彼女の心を落ち着かせる唯一のものだった。
「また新しい芽が出たわね」彼女は独り言を呟いた。その声は、まるで蜘蛛の糸のように細く、しかし強かった。
突然、階下から物音が聞こえた。モルビディアは眉をひそめた。彼女の夫グリムスリーが、また何か悪ふざけをしているのだろうか。しかし、すぐにそれが違うことに気づいた。物音は玄関の方から聞こえてきたのだ。
ゴスウッド家に訪問者がやって来るなど、まず考えられないことだった。
モルビディアは静かに書斎を出て、階段を降りていった。暗い廊下を進むと、娘のルナリスが部屋から飛び出してきた。
「母さん!」ルナリスは息を切らしていた。「幽霊たちが警告してるの。誰か来たって」
モルビディアは娘を見つめた。ルナリスの大きな瞳には不安が浮かんでいた。「落ち着きなさい、ルナリス」モルビディアは冷静に言った。「幽霊たちに何か情報はあるの?」
ルナリスは首を振った。「ただ、誰か見知らぬ人が来たって。でも、危険な人じゃないみたい」
その時、階下からグリムスリーの声が聞こえてきた。「おやおや、こんな夜更けに珍しいお客様だ。どうぞ、お入りください」
モルビディアとルナリスは顔を見合わせた。グリムスリーの声には、いつもの皮肉な調子が混じっていた。二人は急いで階段を降り、玄関ホールに向かった。
そこには、ゴスウッド家の面々が集まっていた。グリムスリーは玄関のドアを開け、見知らぬ男性と向き合っていた。その男性は、ゴスウッド家の誰とも違う、どこにでもいそうな普通の外見をしていた。
「こんばんは」男性は丁寧に挨拶した。「突然の訪問で申し訳ありません。私の名前はエリアスと申します」
グリムスリーは eyebrow を上げた。「エリアスさん、ですか。まあ、珍しいお名前だ。我が家にようこそ。どうぞ、お入りください。ただし、警告しておきますよ。この家に一歩踏み入れたら、もう普通の世界には戻れませんからね」彼は笑いながら言った。
エリアスは微笑んだ。「ありがとうございます。そのリスクは覚悟の上です」
モルビディアは、エリアスを注意深く観察した。彼の態度には何か違和感があった。普通の人間なら、ゴスウッド家に足を踏み入れることを躊躇するはずだ。しかし、エリアスにはそんな様子が見られなかった。
ルナリスは、エリアスの背後に集まる幽霊たちを見ていた。彼女には、幽霊たちが興奮しているように見えた。彼女は小声で尋ねた。「この人のこと、何か知ってる?」
幽霊たちは首を振った。しかし、彼らの目には好奇心が光っていた。
その時、階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。クレプス・ゴスウッドが、腕に何かを抱えて現れた。
「誰か来たの?」クレプスは息を切らしながら言った。彼の腕の中で、奇妙な形をした生き物が動いていた。
「ああ、クレプス」グリムスリーは息子に向かって言った。「君の新しい友達を紹介しよう。エリアスさんだ。エリアスさん、これは私の息子のクレプスです。生き物が大好きでね」
エリアスはクレプスに微笑んだ。「こんばんは、クレプス君。その生き物は何ですか?とても興味深そうですね」
クレプスは目を輝かせた。「これはグリモアルド!新種の両生類なんだ。今朝、庭で見つけたんだよ」
エリアスは興味深そうにグリモアルドを覗き込んだ。すると突然、その生き物が飛び出し、エリアスの肩に乗った。
「おや」エリアスは驚いたように見えたが、すぐに落ち着いた。「随分と人懐っこい子ですね」
クレプスは目を丸くした。「すごい!グリモアルドは普段、僕以外の人には近づかないんだ」
モルビディアは眉をひそめた。この状況には何か不自然なものがあった。エリアスは、ゴスウッド家の奇妙さにまったく動じていないように見えた。
「さて」グリムスリーは手をたたいた。「こんな夜更けに立ち話も何ですからね。エリアスさん、どうぞ居間にお入りください。お茶でもいかがですか?」
エリアスは丁寧にお辞儀をした。「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
一同が居間に移動する中、ルナリスは幽霊たちに囲まれていた。彼女は小声で尋ねた。「この人のこと、何か分かった?」
幽霊の一人が首を振った。「いいえ、でも…何か特別な人のような気がするわ。普通の人間じゃないみたい」
ルナリスは眉をひそめた。エリアスの正体は何なのか。そして、彼がゴスウッド家を訪れた本当の理由は何なのか。
居間に入ると、グリムスリーはエリアスをソファに案内した。モルビディアは静かに台所に向かい、お茶の準備を始めた。クレプスはグリモアルドをエリアスから受け取り、興奮した様子で生き物と戯れていた。
「で、エリアスさん」グリムスリーは椅子に座りながら言った。「こんな夜更けに、我が家のような場所を訪ねてくるなんて、よほどの理由があるんでしょうね?」
エリアスは穏やかに微笑んだ。「はい、実は…」
彼が話し始めようとした瞬間、突然停電が起こった。辺りは真っ暗になり、冷たい風が吹き抜けた。
「おやおや」グリムスリーの声が闇の中から聞こえてきた。「これはまた、歓迎のサプライズかな?」
ルナリスは、周りの幽霊たちが騒ぎ始めるのを感じた。彼女は小声で尋ねた。「何があったの?」
幽霊の一人が答えた。「分からないわ。でも、何か強い力が働いているみたい」
モルビディアの冷静な声が聞こえた。「みんな、慌てないで。ろうそくを持ってくるわ」
数分後、居間はろうそくの明かりで薄暗く照らされた。家族全員の顔が、揺らめく炎に照らされて浮かび上がる。エリアスの表情は、相変わらず穏やかだった。
「申し訳ありません」エリアスは言った。「私が来たせいで、こんなことになってしまって」
グリムスリーは笑った。「いやいや、気にしないでください。我が家では、こんなことは日常茶飯事ですからね」
モルビディアはエリアスをじっと見つめた。「あなたは、私たちの家のことをよく知っているようですね」
エリアスは少し驚いたように見えた。「いいえ、そんなことは…」
「母さん」ルナリスが割り込んだ。「幽霊たちが言ってるわ。エリアスさんには、何か特別な力があるみたいだって」
クレプスは興奮した様子で言った。「そうなの?すごい!どんな力なの?」
エリアスは困ったように笑った。「いや、そんな…私は普通の人間です」
しかし、その瞬間、彼の目が一瞬だけ異様に輝いたように見えた。モルビディアはそれを見逃さなかった。
「エリアスさん」モルビディアは静かに、しかし強い口調で言った。「あなたは誰なの?そして、なぜここに来たの?」
部屋の空気が一気に緊張に包まれた。エリアスは深くため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。
「実は…」彼は言いかけたが、突然、外から大きな音が聞こえた。
全員が窓の方を見ると、庭に何かが落ちてきたのが見えた。クレプスが驚いて叫んだ。「隕石だ!」
グリムスリーは眉をひそめた。「隕石?こんな夜に?」
モルビディアは冷静に言った。「落ち着いて。みんな外に出て、確認しましょう」
家族全員が外に出ると、庭の中央に大きな穴が開いていた。そこから、奇妙な光が漏れ出している。
エリアスは穴の縁に立ち、中をのぞき込んだ。「これは…」
突然、穴から強い光が噴き出し、エリアスを包み込んだ。家族全員が目を見張る中、エリアスの姿が変化し始めた。
光が消えると、そこにはもはや普通の人間の姿はなかった。エリアスは、まるで星空そのものを体現したような、神秘的な姿に変わっていた。
「私の正体を明かす時が来たようですね」エリアスの声は、まるで宇宙の深淵から響いてくるかのようだった。
ゴスウッド家の面々は、驚きと興奮、そして少しの恐れを感じながら、エリアスを見つめていた。彼らの前に広がっているのは、想像もしていなかった新たな冒険の始まりだった。
そして、長い沈黙の後、グリムスリーが静かに言った。「さて、これは面白くなりそうだ」
夜は深まり、ゴスウッド家の奇妙な物語は、新たな章を迎えようとしていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
神隠しの子
ミドリ
ホラー
【奨励賞受賞作品です】
双子の弟、宗二が失踪して七年。兄の山根 太一は、宗二の失踪宣告を機に、これまで忘れていた自分の記憶を少しずつ思い出していく。
これまで妹的ポジションだと思っていた花への恋心を思い出し、二人は一気に接近していく。無事結ばれた二人の周りにちらつく子供の影。それは子供の頃に失踪した彼の姿なのか、それとも幻なのか。
自身の精神面に不安を覚えながらも育まれる愛に、再び魔の手が忍び寄る。
※なろう・カクヨムでも連載中です
黒い花
島倉大大主
ホラー
小学生の朝霧未海は自宅前の廊下で立ち尽くしていた。
とても嫌な感じがするのだ。それは二つ隣の部屋から漂ってくるようだ……。
同日、大学でオカルト研究会に所属する田沢京子の前に謎の男が現れる。
「田沢京子さん、あなたは現実に何か違和感を感じた事はありませんか?」
都市伝説の影に佇む黒い影、ネットに投稿される謎の動画、謎の焦燥感……
謎を追う京子の前で、ついに黒い花が咲く!
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる