16 / 37
本章
Episode16/不安
しおりを挟む
ちゃぽん……と湯船の湯が跳ねて肌に雫が伝い落ちる。
「ん……」
背後から不破に抱きしめられる形で湯船に浸かるあかりはすでにのぼせそうになっていた。
「あの……さわ、触ってます」
やわやわと胸を揉まれてあかりは身を捩った。
「嫌?」
嫌、とさっき放った言葉を不破はいちいち使って聞いてくる。
「嫌、なんかじゃ……」
「じゃあ触られてようか」
「……っ」
胸の先端の尖った部分を指先で摘ままれて捏ねられる。胸の形が変形するかのように揉まれるのを見下ろしていると視覚でより興奮が増す。自分の身体が不破の手で感じさせられている、それを直視すると恥ずかしさがあるのに嬉しさがこみ上がっていた。
「ぁ……」
耳たぶを甘噛みされて身体が跳ねる。その度湯が揺れて身体中が飛沫に濡れた。
「こ、ここで?」
「……どっちでもいいよ?」
色気のある瞳に見つめ返されてあかりの頬はさらに火照る。濡れた不破は無駄に色気が増す、それにいつも以上にドキドキした。それを不破が察したのかフッと笑ってくちびるを重ねてくる。
「ここでする?」
「……ぅん」
「こっち向いて……」
ちゃぷちゃぷと湯が波打つ、言われるがままあかりは不破の身体に跨るように向きを変えて前から見つめ合う形になった。正面から見つめる飛沫を舞った不破はセクシーだった。それを見つめるだけでイきそうになる、はもちろん言えない。
「ぁ……」
肉体的反応を示している不破のモノを感じて余計濡れていく。水中にいる自分の身体から溢れ出てくる分泌液は不破にわかるのだろうか、そんなことを考えていたら指先が茂みに触れてくる。
「ふ、ぁ……」
「可愛い声」
じれったいような触り方に腰が勝手に揺れた。もっと奥まで触れてほしい、そう思う。
「指入れていい?」
聞かれると恥ずかしさが増す、それでもしてほしい気持ちが勝つからあかりは素直に頷いた。それに不破はジッと見つめたまま、聞いたくせに入れようとしない。
「……ぁ、な、んで?」
「言葉で言ってよ」
「んんっ」
言えと言いながら口を塞いでくる。指先は茂みの中から膨れた芯芽を摘まんで押し撫でる。
「んぁあっ!!」
キスから逃れる様に声を発したら不破はクスリと笑うだけで指の動きは止めない。溢れる声を飲み込むようにキスを続けてきた。
「ん、んんっ――」
じれったい歯がゆい愛撫が続く、唇は執拗に求められて逃げ場所がない。求めているものを言葉にしたくても言えない、それでもこんな風に求められたらキスをやめてほしくない。不破とするキスがあかりは好きだった、優しくて何も考えられなくなる。その夢見心地な感覚がたまらなくなる。
「ぁ――ん、い、つきさ……」
「……なに?」
浴室内に響く声はいつもと違って聞こえる。イヤホンで聞いているように耳から頭に響くようだ。
「触って……もっと、奥まで」
見えないところまで触れてほしい、見えない部分で感じてほしい。言葉に出来ない気持ちをせめて身体から感じ取ってもらえたら……その思いで腕を首に回して身体を寄せた。
今だけは、この時だけは……不破を独り占めしたい。
今だけだから――許してほしい、あかりはそう思った。
「樹さん……」
あかりの声が吐息と共にこぼれてその声に不破は欲情した。自分を求める身体が見つめる潤んだ瞳が愛しくて抱き締め返す。肌と肌が密着して湯に包まれて熱をさらに発する。温かさ以上の熱が心地よくて溶けるようだ。
「あかり……奥で感じて」
これは一部なんだ、不破は思う。
この行為はほんの一部、あかりの中に入り込んで押し進むただの行為にすぎない。
欲しいのはその先にある、届けたいのはもっと身体の奥のその先――あかりの胸の中にどうやったら届くのか。
「んあっ!」
自分の手で感じてそのまま何も囚われない自分を受け入れるあかりを目の前で見ているだけで気持ちが昂る。こんなに胸を狂おしいほど震わせていることにあかりはどれだけ気づいているのか、いや、なにひとつ気づいていないのだろう、そう不破は感じる。
求められている、必要とされている、そう思うのに。
「あかりっ……」
名前を呼んだら熱を含んだ瞳で見つめてくる。視線は絡む、感じて酔ったような瞳でまっすぐに見つめながら「あ、ん、はぁ……」そんな婀娜やかな声をあげる。この声にどれだけ射精感を煽られるか。
「あ、ん、イくぅっ、イっちゃ……」
こぼれる吐息が艶っぽくて耳に触れると神経が過敏になる。イかせたい、自分の欲情を受け止めさせたい、何度でも。許される限り、そうしていたら届かないか、そう願うだけ。
「俺もイきそう……あかり……」
締め付けられる、繋がり合う部分から胸まで。そうして二人は一緒に果てた。
「ん……」
背後から不破に抱きしめられる形で湯船に浸かるあかりはすでにのぼせそうになっていた。
「あの……さわ、触ってます」
やわやわと胸を揉まれてあかりは身を捩った。
「嫌?」
嫌、とさっき放った言葉を不破はいちいち使って聞いてくる。
「嫌、なんかじゃ……」
「じゃあ触られてようか」
「……っ」
胸の先端の尖った部分を指先で摘ままれて捏ねられる。胸の形が変形するかのように揉まれるのを見下ろしていると視覚でより興奮が増す。自分の身体が不破の手で感じさせられている、それを直視すると恥ずかしさがあるのに嬉しさがこみ上がっていた。
「ぁ……」
耳たぶを甘噛みされて身体が跳ねる。その度湯が揺れて身体中が飛沫に濡れた。
「こ、ここで?」
「……どっちでもいいよ?」
色気のある瞳に見つめ返されてあかりの頬はさらに火照る。濡れた不破は無駄に色気が増す、それにいつも以上にドキドキした。それを不破が察したのかフッと笑ってくちびるを重ねてくる。
「ここでする?」
「……ぅん」
「こっち向いて……」
ちゃぷちゃぷと湯が波打つ、言われるがままあかりは不破の身体に跨るように向きを変えて前から見つめ合う形になった。正面から見つめる飛沫を舞った不破はセクシーだった。それを見つめるだけでイきそうになる、はもちろん言えない。
「ぁ……」
肉体的反応を示している不破のモノを感じて余計濡れていく。水中にいる自分の身体から溢れ出てくる分泌液は不破にわかるのだろうか、そんなことを考えていたら指先が茂みに触れてくる。
「ふ、ぁ……」
「可愛い声」
じれったいような触り方に腰が勝手に揺れた。もっと奥まで触れてほしい、そう思う。
「指入れていい?」
聞かれると恥ずかしさが増す、それでもしてほしい気持ちが勝つからあかりは素直に頷いた。それに不破はジッと見つめたまま、聞いたくせに入れようとしない。
「……ぁ、な、んで?」
「言葉で言ってよ」
「んんっ」
言えと言いながら口を塞いでくる。指先は茂みの中から膨れた芯芽を摘まんで押し撫でる。
「んぁあっ!!」
キスから逃れる様に声を発したら不破はクスリと笑うだけで指の動きは止めない。溢れる声を飲み込むようにキスを続けてきた。
「ん、んんっ――」
じれったい歯がゆい愛撫が続く、唇は執拗に求められて逃げ場所がない。求めているものを言葉にしたくても言えない、それでもこんな風に求められたらキスをやめてほしくない。不破とするキスがあかりは好きだった、優しくて何も考えられなくなる。その夢見心地な感覚がたまらなくなる。
「ぁ――ん、い、つきさ……」
「……なに?」
浴室内に響く声はいつもと違って聞こえる。イヤホンで聞いているように耳から頭に響くようだ。
「触って……もっと、奥まで」
見えないところまで触れてほしい、見えない部分で感じてほしい。言葉に出来ない気持ちをせめて身体から感じ取ってもらえたら……その思いで腕を首に回して身体を寄せた。
今だけは、この時だけは……不破を独り占めしたい。
今だけだから――許してほしい、あかりはそう思った。
「樹さん……」
あかりの声が吐息と共にこぼれてその声に不破は欲情した。自分を求める身体が見つめる潤んだ瞳が愛しくて抱き締め返す。肌と肌が密着して湯に包まれて熱をさらに発する。温かさ以上の熱が心地よくて溶けるようだ。
「あかり……奥で感じて」
これは一部なんだ、不破は思う。
この行為はほんの一部、あかりの中に入り込んで押し進むただの行為にすぎない。
欲しいのはその先にある、届けたいのはもっと身体の奥のその先――あかりの胸の中にどうやったら届くのか。
「んあっ!」
自分の手で感じてそのまま何も囚われない自分を受け入れるあかりを目の前で見ているだけで気持ちが昂る。こんなに胸を狂おしいほど震わせていることにあかりはどれだけ気づいているのか、いや、なにひとつ気づいていないのだろう、そう不破は感じる。
求められている、必要とされている、そう思うのに。
「あかりっ……」
名前を呼んだら熱を含んだ瞳で見つめてくる。視線は絡む、感じて酔ったような瞳でまっすぐに見つめながら「あ、ん、はぁ……」そんな婀娜やかな声をあげる。この声にどれだけ射精感を煽られるか。
「あ、ん、イくぅっ、イっちゃ……」
こぼれる吐息が艶っぽくて耳に触れると神経が過敏になる。イかせたい、自分の欲情を受け止めさせたい、何度でも。許される限り、そうしていたら届かないか、そう願うだけ。
「俺もイきそう……あかり……」
締め付けられる、繋がり合う部分から胸まで。そうして二人は一緒に果てた。
11
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
【R18】ロザリアの秘蜜〜最愛の姉が僕だけに見せてくれるもうひとつの顔〜
夏ノ 六花
恋愛
連載中の【奈落に咲いた花】がcomico様主催の『ロマンスファンタジー漫画原作大賞』で奨励賞を受賞しました!!
受賞記念としまして、ヒーローのシリウスが愛読していた【ロザリアの秘蜜】を掲載させていただきます!
是非、【奈落に咲いた花】もよろしくお願いいたします!
〜あらすじ〜
艶やかな水色の髪に澄んだ水色の瞳を持つ美しい娘…ロザリアと、鮮やかな赤髪と輝くような金眼を持つアイバン。
性格も趣味も真逆でありながら、二人は仲の良い姉弟で有名だった。
ロザリアが六歳になった日の夜…
プレゼントを持って部屋に訪れていたアイバンからのプロポーズを、ロザリアはおままごとの延長として受け入れてしまう。
お遊びの誓いから始まった二人の秘密…
歳を重ね、二人だけの秘密が増える度に姉弟の関係はより密やかに…より淫らに変化していき…────?
【全15話、完結まで予約済、毎日更新】
★HOT女性向けで29位にランクイン!
ありがとうございます!\( ´ω` )/
★人気ランキング89位にランクイン!!(´▽`)
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
同居離婚はじめました
仲村來夢
恋愛
大好きだった夫の優斗と離婚した。それなのに、世間体を保つためにあたし達はまだ一緒にいる。このことは、親にさえ内緒。
なりゆきで一夜を過ごした職場の後輩の佐伯悠登に「離婚して俺と再婚してくれ」と猛アタックされて…!?
二人の「ゆうと」に悩まされ、更に職場のイケメン上司にも迫られてしまった未央の恋の行方は…
性描写はありますが、R指定を付けるほど多くはありません。性描写があるところは※を付けています。
セカンドラブ ー30歳目前に初めての彼が7年ぶりに現れてあの時よりちゃんと抱いてやるって⁉ 【完結】
remo
恋愛
橘 あおい、30歳目前。
干からびた生活が長すぎて、化石になりそう。このまま一生1人で生きていくのかな。
と思っていたら、
初めての相手に再会した。
柚木 紘弥。
忘れられない、初めての1度だけの彼。
【完結】ありがとうございました‼
極道に大切に飼われた、お姫様
真木
恋愛
珈涼は父の組のため、生粋の極道、月岡に大切に飼われるようにして暮らすことになる。憧れていた月岡に甲斐甲斐しく世話を焼かれるのも、教え込まれるように夜ごと結ばれるのも、珈涼はただ恐ろしくて殻にこもっていく。繊細で怖がりな少女と、愛情の伝え方が下手な極道の、すれ違いラブストーリー。
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お腹の子も君も僕のものだ。
2度目の離婚はないと思え」
宣利と結婚したのは一年前。
彼の曾祖父が財閥家と姻戚関係になりたいと強引に押したからだった。
父親の経営する会社の建て直しを条件に、結婚を承知した。
かたや元財閥家とはいえ今は経営難で倒産寸前の会社の娘。
かたや世界有数の自動車企業の御曹司。
立場の違いは大きく、宣利は冷たくて結婚を後悔した。
けれどそのうち、厳しいものの誠実な人だと知り、惹かれていく。
しかし曾祖父が死ねば離婚だと言われていたので、感情を隠す。
結婚から一年後。
とうとう曾祖父が亡くなる。
当然、宣利から離婚を切り出された。
未練はあったが困らせるのは嫌で、承知する。
最後に抱きたいと言われ、最初で最後、宣利に身体を預ける。
離婚後、妊娠に気づいた。
それを宣利に知られ、復縁を求められるまではまあいい。
でも、離婚前が嘘みたいに、溺愛してくるのはなんでですか!?
羽島花琳 はじま かりん
26歳
外食産業チェーン『エールダンジュ』グループご令嬢
自身は普通に会社員をしている
明るく朗らか
あまり物事には執着しない
若干(?)天然
×
倉森宣利 くらもり たかとし
32歳
世界有数の自動車企業『TAIGA』グループ御曹司
自身は核企業『TAIGA自動車』専務
冷酷で厳しそうに見られがちだが、誠実な人
心を開いた人間にはとことん甘い顔を見せる
なんで私、子供ができた途端に復縁を迫られてるんですかね……?
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる