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第二章 文月の奪還作戦
第三十五話 下剋上
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~4月8日 21:15 NPOCシステム管理部~
東部長はよからぬ事を考えている…。私はすぐに感づいた。きっと私がこの場を離れればすぐにでも証拠を消去してしまうだろう。私には部長は止められない。なにか、なにか証拠を残せないものか…。私は目線を上にやった。
「はっ…」
私が見つけものはロッカーの上に置かれたビデオカメラだった。このシステム管理部では会議の様子を記録するときなどにビデオカメラを使用することがある。確かあのビデオカメラは私のパソコンとリンクしていて動画の確認や電源のオンオフだできるはず…。
私は机に戻るとすぐにソフトを起動し録画を開始した。
~23:00 システム管理課~
東部長は今会議に出席していていない。さっきの動画を私は確認した。そこに写っていたのは、禁止されているはずの個人情報ページとログのデータを消去している東部長の姿だった。私はいつか来るかもしれない日のために動画を個人のパソコンにコピーした。
ーーーーーー
~7月14日 3:45 NPOC司令部非常事態対策本部~
「どうだ東、部下に下剋上された気分は」
「くっ…俺の…俺の計画が…」
東は力なく地面に伏した。
「東時雄。公文書偽造罪で逮捕する」
こうして東は逮捕されたのだった。だが俺はもう一つ東に確認しておかなければいけないことがある。
「東、最後に一つだけ確認だ」
「なんだい?今更私に聞くことなどないだろう」
「あのメール、統括学園長に届いたRGHからのメールはお前が出したんだろ」
「はははは…。そこまで気が付いていたか。そうだよ、作戦が始まろうとしている今送れば統括学園長は日本か娘かを選ばれなくてはならない。そしてきっと統括学園長は娘を優先する。そうすれば俺が国家陰謀罪で逮捕して俺が統括学園長に就任する。そういう手筈だったよ。まぁ失敗だがね」
気が付くと俺は東の胸倉をつかんで壁にたたきつけていた。
「東!お前俺にいったよな、『愛』って字に入ってる『心』は人間だけに芽生える気持ちのことだって。それを利用する輩もいるって!確かにいるさ、信じている相手の気持ちを利用して不倫する奴や『君だけを愛してる』とかぼやくやつがな。そいつらはクズだ!人の心を踏みにじってるんだからな!でもそれ以上にクズはお前だ。分かるよな、なんでか分かるよな!『大切な人を守りたい』っていう気持ちをお前は私利私欲に利用しようとしたんだ!お前がどれだけクズかよく考えろ!」
「貴文、もう気絶してる。放しなさい」
父さんに声を掛けられ俺は我に戻った。東は完全に伸びきってしまっている。
「貴文君…ありがとう」
優芽のお父さんは俺の手を取って何度も「ありがとう」を繰り返している。顔は涙ですごいことになっている。
「みなさん、会議を再開しましょう。もう時間がありませんから」
俺は冷静さを取り戻し会議を再開させた。
東部長はよからぬ事を考えている…。私はすぐに感づいた。きっと私がこの場を離れればすぐにでも証拠を消去してしまうだろう。私には部長は止められない。なにか、なにか証拠を残せないものか…。私は目線を上にやった。
「はっ…」
私が見つけものはロッカーの上に置かれたビデオカメラだった。このシステム管理部では会議の様子を記録するときなどにビデオカメラを使用することがある。確かあのビデオカメラは私のパソコンとリンクしていて動画の確認や電源のオンオフだできるはず…。
私は机に戻るとすぐにソフトを起動し録画を開始した。
~23:00 システム管理課~
東部長は今会議に出席していていない。さっきの動画を私は確認した。そこに写っていたのは、禁止されているはずの個人情報ページとログのデータを消去している東部長の姿だった。私はいつか来るかもしれない日のために動画を個人のパソコンにコピーした。
ーーーーーー
~7月14日 3:45 NPOC司令部非常事態対策本部~
「どうだ東、部下に下剋上された気分は」
「くっ…俺の…俺の計画が…」
東は力なく地面に伏した。
「東時雄。公文書偽造罪で逮捕する」
こうして東は逮捕されたのだった。だが俺はもう一つ東に確認しておかなければいけないことがある。
「東、最後に一つだけ確認だ」
「なんだい?今更私に聞くことなどないだろう」
「あのメール、統括学園長に届いたRGHからのメールはお前が出したんだろ」
「はははは…。そこまで気が付いていたか。そうだよ、作戦が始まろうとしている今送れば統括学園長は日本か娘かを選ばれなくてはならない。そしてきっと統括学園長は娘を優先する。そうすれば俺が国家陰謀罪で逮捕して俺が統括学園長に就任する。そういう手筈だったよ。まぁ失敗だがね」
気が付くと俺は東の胸倉をつかんで壁にたたきつけていた。
「東!お前俺にいったよな、『愛』って字に入ってる『心』は人間だけに芽生える気持ちのことだって。それを利用する輩もいるって!確かにいるさ、信じている相手の気持ちを利用して不倫する奴や『君だけを愛してる』とかぼやくやつがな。そいつらはクズだ!人の心を踏みにじってるんだからな!でもそれ以上にクズはお前だ。分かるよな、なんでか分かるよな!『大切な人を守りたい』っていう気持ちをお前は私利私欲に利用しようとしたんだ!お前がどれだけクズかよく考えろ!」
「貴文、もう気絶してる。放しなさい」
父さんに声を掛けられ俺は我に戻った。東は完全に伸びきってしまっている。
「貴文君…ありがとう」
優芽のお父さんは俺の手を取って何度も「ありがとう」を繰り返している。顔は涙ですごいことになっている。
「みなさん、会議を再開しましょう。もう時間がありませんから」
俺は冷静さを取り戻し会議を再開させた。
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