◯モノクローム●

黒鼠シラ

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ドール篇

第213話 新たなる秘宝

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マンディの攻撃が続く中、宗一郎は自分の状況を冷静に分析しなければならなかった。彼女の髪の毛は強力な武器であり、まるで生きているかのように彼を捕らえ続けている。しかし、いくら肢体を拘束されていても、彼の心は折れることはなかった。「明たちを守らなければ…」その思いが彼を奮い立たせた。

「どうしたの? 反撃しないの?」マンディの声は冷たく、嘲笑うような響きを持っていた。魔力が宿る髪は、彼の体を引き寄せ、彼の首元に絡みつく。

「言わせておけば…!」宗一郎は心の中で叫び、何とか動きを対象化しようと努力した。自由がないなか、彼は小さく息を呑むと、瞬時に集中力を高めた。周りの人形たちがその動きを見守る中、彼は根本的な解決策を見つける必要があった。

「そうだ、あの秘宝がある!」一瞬、宗一郎の思考が光った。助核の剣(じょかくのけん)が、彼の心の中に横たわっていたのだ。
助核の剣とは、すべての息とし生きる者の中にあるもので、力を追い求め、精神を統一し、心だけでも人間を超える領域に辿り着いたものだけが、心から取り出し、現実に顕現させることができる物であった。宗一郎は今、この剣の顕現ができるかもしれないと思った。
彼は目を閉じ、心でそれを呼び寄せることを試みた。そうすれば、マンディを倒せるかもしれないという希望があった。
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