◯モノクローム●

ドール篇

第212話 マンディ

「貴様がドールなのか…？」宗一郎は恐る恐る言葉を絞り出したが、心の中の警戒心は薄れなかった。

「いいえ、私はマンディ。ドール様の手下よ。」その言葉に、宗一郎は一瞬うろたえるものの、すぐに戦闘体制へ戻ることを決意した。彼は覚悟を決め、立ち向かう姿勢を整えた。

「ドール様から受けている、人間と鉢合わせた際の命令はただ一つよ。殺すこと。」マンディの声は冷たく、宗一郎の心に氷のような恐怖をもたらす。彼女の髪の毛が一瞬で自らの意志を持ち、自由自在に操られ、宗一郎の体を縛り付けていった。

「な、なんだこれは…！」宗一郎は動くことができず、力任せに試みるが、束縛は頑丈で逃れることはできない。マンディは無表情のまま、目の前にいる彼に向かって不気味に笑ったかと思うと、激しいパンチを浴びせてきた。

こうして戦いが始まった。宗一郎は必死に抗おうとするが、彼女の髪の魔力によって自由は奪われ、容赦なく続く攻撃に悶え苦しんだ。「このままでは…！」焦りが募る中、彼は何とか反撃の手立てを探し、隙を見逃さないようにする。

“心を落ち着けろ、何か方法を見つけ出さなければ…”心の中で考えを巡らせながら、宗一郎は冷静に周囲を見回し、状況を打破する糸口を探ることにした。彼の心には、仲間たちの無事が常にあり、彼らを守るためには決して負けるわけにはいかなかった。