◯モノクローム●

黒鼠シラ

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LAP篇

第161話 怒りと絶望を原動力に

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「無力だった、俺は…」死の淵で、宗一郎は敵への怒りを思い出していた。次郎がこんな風になってしまったのは、自分の無力さが原因だ。彼の心を救えなかった後悔が胸を締め付け、沸き上がる怒りが彼の中で燃え盛っていく。

その怒りと絶望を原動力に、彼は再び力を取り戻そうとしていた。死ぬ寸前、多大な力を得る直前、背筋にかつてのヴァイスの森での誓いがよみがえる。「絶対に諦めない、次郎を守るために! 俺はまだ、戦える!」

「うぉぉぉぉお!」宗一郎は叫び声を上げ、目の前に迫るサヴェッジの拳を弾き返した。情熱と怒りが彼の心にみなぎり、手にした剣は赤黒い紅の炎に包まれていた。まるで獄炎の力兆が一瞬で彼に与えられたかのような感覚だった。燃え盛る炎は彼の意志を強固にし、怒りが力となって宿っている。

サヴェッジは一瞬驚きの表情を浮かべたが、すぐに自らの冷静さを取り戻し、ニヤリと笑った。「面白くなってきたな、宗一郎」

その瞬間、柊と蔵前が駆けつける音がした。二人はすぐさま宗一郎の傍に現れ、彼を支えに走ろうとした。しかし、サヴェッジの笑みはさらに広がった。「ここからが楽しい戦いだ」と呟くと、闘志が一層燃え上がる。

宗一郎は、仲間がそして次郎が彼を守ってくれている、その想いを胸に、新たな力に満ち溢れ、サヴェッジに立ち向かう決意を固めた。この瞬間こそが、運命の分岐点となるのだ。彼は心から喜びを感じ、何か新たな力が目覚めだしているのを確信した。果たして、この戦いの行く末はどうなるのか──彼には仲間たちとの絆がある限り、希望があるのだ。
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