◯モノクローム●

黒鼠シラ

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LAP篇

第139話 希望を待ち続ける

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絶望感が支配する戦場を遠くから眺める佐久間次郎は、冷静な目で仲間たちの奮闘と敗北を見つめていた。彼の心には乱れも迷いもなかった。仲間が崩れ落ち、戦いの果てに見えるものは、ただ無情な運命だけだった。

やがて、戦の流れはまさに絶望的なものになっていき、仲間たちの心は次々と折れていった。怒涛のような攻撃を受けながらも、明は必死に剣を振るった。彼の剣に宿るのはもはや青炎ではなく、ただの冷たい金属の輝きだけだった。それでも彼は立ち上がり、葛幸卿に向かって突進していく。

「まけない。最後まで諦めない。」明の口からは力強い言葉が発せられた。しかし、その内心では恐れや不安が渦巻いていた。葛幸卿の圧倒的な力を前にして、彼は生き残りたいという思いを必死にしがみつくしかなかった。

「長い戦いはおわりだ。もうつまらん。」葛幸卿は明を嘲るように告げると、その冷徹な顔をさらに近づけていく。明の首に剣を突きつけ、彼の心を揺さぶった。

「貴様はみなの心が折れている中で、たった1人希望を持ち続けて立ち向かった。それはなぜだ?」葛幸卿が問う声は低く、響き渡る。

嵐が過ぎ去った後の静けさが、戦場を包み込む。風の音すらも感じられるほどの緊張感が漂っていた。その瞬間、明は一瞬の沈黙を経て、ニヤリと笑い、葛幸卿の問いに答えた。

「宗一郎さんがいるから。」

その瞬間、背後から一つの影が現れ、宗一郎が素早く葛幸卿へと切りかかってきた。鋭い剣さばきで、彼は葛幸卿の背を捉え、大ダメージを与えた。驚愕と痛みが葛幸卿の表情に浮かんだ。明の言葉が真実であることが、その瞬間にはっきりした。

「明、慈岳、みんな、よく耐えてくれた。後は俺らに任せるんだ。」宗一郎は逞しく、仲間たちへと優しい笑みを向けた。彼の姿は圧倒的な存在感を放ち、明は心の中で燃え上がる希望を感じた。

「これが…希望なのか?」明は胸の鼓動が高鳴るのを感じた。仲間を信じ、再び立ち上がれる力を得たのだ。彼の心に宿っていたものは、まさに仲間の絆だった。

宗一郎は再び剣を振るい、葛幸卿に立ち向かう。彼の戦いぶりは冷静かつ力強く、一撃一撃に仲間たちへの思いが込められているようだった。明はその姿を見つめ、自らも剣を握りしめた。共に戦う仲間がいる限り、絶望は無駄だと信じた。

宗一郎の奮闘に影響を受け、明たちは立ち上がり、絶望を振り切るようにして戦場へと戻った。彼らの心には新たな堅固な希望が芽生え、戦いは再び始まろうとしていた。
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